◎☆愛情はおいしさに繋がる
図書館には、二人のフレンズが住み着いている。
博士を主張する"アフリカオオコノハズク"、その助手"ワシミミズク"。
行く当てもなく飛んでいた二人は、この図書館で出会ってお互いの賢さを認め合い、図書館内にある本を解読すべく協力していた。
毎日毎日よくわからない本と向き合い、顔を突き合わせてうむむとうなる日々。毎日毎日ラッキービーストが持ってきてくれるジャパリまんを食べる日々・・・
そんな生活を続けていたある日、二人は料理の本を見つけた。
文字の意味はまだ完全に理解できていないが、一緒に載っている写真は二人を魅了した。
実際に料理をするには火を使わなければならないものが多く、作るのは断念したものの、"ジャパリまん以外を食べること"に関しての知識を得るには十分だった。
その日から、助手は博士を妙に意識するようになった。
博士が近くを通るとき、博士が本を直そうと背伸びしているとき、博士が助手を見つけて嬉しそうに近くに来るとき・・・
博士が無防備に、その綺麗な首を見せているとき。
ぼぅっとして見つめている助手に気付くたび、博士はいつも笑って言った。
「大丈夫なのですよ。私はどこにも行かないのです」
数日後、助手はさらに深く博士を意識するようになった。
博士が紙で手を切ったとき、今までなら心配し、すぐに手当てをするはずだった。
しかし、その時助手は、傷から溢れてくる液体を食い入るように見つめていた。
痛いとつぶやく博士の声を聞き、布を使って傷を包んだ。"博士"が染み込んだ布を、助手は何も言わずに服の中へしまった。
博士がそれを見つめていることに気付かずに。
博士が眠っていることを確認した後、助手は自分を抱きしめながら外に出た。
少し離れた、博士と二人でよく来る場所で、助手はへたりと力なく座った。服の中から、震える手であの布を取り出す。
息を荒げ、顔に近づける。無意識に片手が秘部へと向かう。
そこはすでに濡れていた。
"博士"を口の中に押し込み、咀嚼する。"博士"の味が口に広がる。
頭が痺れるような、突き抜ける快感と本能に身を任せ、何度も助手は自分を慰めた。
次の日もその次の日も、博士をめちゃくちゃにしたい思いに耐え、夜にそれを吐き出すことを続けた。日を追うごとに激しくなる衝動を抑えようと、助手はさらに深く行為に没頭した。
助手の瞳は徐々に曇り、笑顔を見せることが無くなっていった。
夜、助手はいつものように起きだした。落ち着きなく寝床から出、下へ向かう。
隣で寝ているはずの博士を確認することを忘れて。
「助手。どこへいくのですか」
ふらふらと図書館の入り口に向かおうとするのを、暗がりからの声が引き留める。
声の主を、焦点の合わない目で助手が見つめた。
「ただの散歩です。博士こそなにをしているのですか」
「読んでいるのですよ。料理の本を」
料理。その言葉を聞いて、助手は博士に向き合った。
「なぜ」
「助手に訊きたいことがあったから、なのです」
「なにを」
「助手は、私を愛していますか?」
無表情でいた助手が、ピクリと表情を変える。
「気付いていたのです。料理の本を見つけた後から、助手の何かが変わっていくのに」
「助手が夜中にどこかへ行くのも、血の付いた布を服にいれたのも・・・」
「その何かが関係していると、私は考えたのですよ」
「・・・」
博士は椅子から立ち上がり、助手のもとへ歩いた。
「・・・本によると、"愛情"が食べ物をおいしくするとあるのです」
「本当なのか、試してみなければわからないのです」
ぱさり、と音を立てて博士が服を脱ぐ。一枚一枚、見せつけるように。扇情的に。
「きっと、助手は私を食べたいのでしょう?」
「今までつらかったでしょう?」
無防備な白い肌が露わになる。小ぶりの胸が、足が、助手の衝動を刺激する。
一糸まとわぬ姿になった博士が、助手の前に立った。
同じ問いを繰り返す。
「助手は、私を愛していますか?」
「・・・はい、なによりも、誰よりも」
「よかった」
博士は笑顔で、受け入れるように腕を広げた。
「きっと、とてもおいしいですよ」
助手は博士を押し倒した。
ぶちり
腕を食べる。
「おいしいですか?」
博士の片腕は助手の体に回され、しっかりと抱いている。
助手は腰を博士にこすりつけながら、押さえるようにして貪っている。
ぐしゃり
腹を食いちぎる
「ぁ・・・が じょしゅ、おいし・・・い?」
助手を呼び、頭をなでる。愛おしそうに。
博士の白く、柔らかな肌を突き破り、助手は臓物を引きずり出した。
喜びか悲しみか、涙が紅い頬を伝っていた。
ぱきり
足を折りとる
「__、_____、_」
博士はすでに言葉を発さず、ぴくぴくと動くだけの肉塊になった。
博士の顔に、ぐしょぐしょになった秘部を叩きつけ、押し付けながら、助手は濡れた博士をぐちゃぐちゃにかき混ぜ、犯した。絶頂するたびに全身を痙攣させ、歓喜の声を上げる。
何度も、何度も。
助手の顔には、今まで失われていた笑顔があった。
四肢が欠け、内臓を失い、すでに博士は息をしていない。
最後に助手は、博士と口づけをした。
深く、深く・・・ 口の中の唾液と血を流し込み、舌を絡ませ、口内を蹂躙した。
最後まで博士を味わうと、助手は博士を抱き、つぶやいた。
「ごちそうさま。とてもおいしかったですよ」
「最後に、しなくてはいけませんね」
博士をかき集め、調理場から包丁を持ち出し、助手は二人だけの場所へ向かった。
雲の間から覗く月明かりが世界を照らす。
博士を横たえ、助手が語り掛ける。
「博士、あなたは私を愛していますか?」
「答えを聞くことはできないけど」
「きっと愛しているといってくれますよね」
「ふふ、私も博士に負けないくらいおいしいですよ」
「だから」
首に笑顔で刃を当てる。
「今度は私を食べてください」
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