フェネアラ心理戦?



第一話 ジャパリまんじゃんけん



「フェネック、お腹がすいたのだ」


「ここにジャパリまんがあるよー」


「食べたいのだ」


「・・・私もお腹すいたなー」


「じゃあ半分こするのだ」


「半分じゃ足りないかなー」


「えっ」


ふふふ・・・ 困惑してるアライさん可愛いなー

もっといじめたくなるね


「私が全部もらっていい?」


「あ・・・ アライさんも食べたいのだ・・・」


ちゃんとおねだりできて偉い!

・・・もう少し、もう少しだけ・・・


「でもこれはもともと私のものだしー・・・」


「・・・」


「・・・なのだ」


えっ


「じゃんけんで勝負するのだ!!!!!!!!!!!」


「アライさんも食べたいのだ!!!!!!!!!!!」



~~~~~~~~ッッッッッッ!!!


そう来たかァ~~~~~~ッッッッッッ!!!


可愛い



「一発勝負! 勝ったほうが全部もらうのだ!」


「ふひっ いいよー」


いけない 変な笑いが出てしまった

変なところで力が入っちゃうのも魅力だよねー


「じゃあ早速・・・ さーいしょーは・・・」


「待った!」


「!?」


「アライさんは・・・ グーを出すのだ!」


「・・・ッ!」


何・・・? 

今、アライさんは、何と言った・・・?

"グーを出す"、と・・・



・・・感動したッッッッッッ!!!


おバカでドジなアライさんが・・・


揺さぶりを行っているッッッッッッ!!!


成長したねッッッッッッ!!!


これも寝てるときに毎晩あんなことやそんな


「フェネック」


「ひゃい」


「フェネックは、何を出すのだ?」


ああ、もう、その可愛いお口で誘うのやめて・・・

そんなことされたら私のアレを出して


「フェネック」


「チョキを出すよー」


「・・・」


疑ってる・・・ 可愛い・・・

そんな目で見つめないで・・・

もう存在が可愛い・・・

同じ空気吸えてるの嬉しい・・・


「じゃあ、アライさんはパーを出すのだ」


うひょほほほほっほお

信じる気持ちが強いまっすぐ可愛い

曇らせたいなー


「じゃあグーを出そうかなー」


「むむむ・・・」


悩んでる悩んでる!

はぁ、いいなぁ

アライさんは、いいなぁ


でも、そろそろ決着をつけないと・・・


「アラーイさーん。なに出す・・・」


「さーいしょーはぐー!!!」


「ッ!」



あ・・・諦めたぁ~~~~~ッッッッッ!!!

考えるのを放棄し、直接勝負に出るとは!


・・・アライさんらしいね


好きだよ



「「じゃんけん!!!!」」


「「ぽん!!!!!!!」」



















「あいこなのだ」


「・・・半分こする?」


「ありがとうなのだ」










第二話 終局のババ抜き



さあフェネック選手 アライさんのカードを抜こうとしています

二枚のうちどちらかが"当たり"のカード・・・

緊張の瞬間です!


「フェネック早くするのだ」


「はいよー」


「ババ引いたのだ」


あーっとフェネック選手 失敗したー!

これは何回目なのか!

もう夜も明ける時間になっております!

正直つらい


「フェネック手持ちを混ぜるのだ」


「は・・・はいよー」


うう、そんなキラキラとした目で見られると・・・

適当やって負けるとかできない!

でも・・・この負の連鎖、断ち切らねば・・・!


傷をつけるッ!

ババに小さな、気づかれないような・・・

つけた傷は、もう一枚のカードに重ねるようにして・・・

完璧だッ! 抜かりなしッ!


「さあ・・・ どうぞ」


「むむむ・・・」


出来ればここでアライさんが勝ってくれるのが一番いい

お願いアライさん!

この気持ち! 伝われ!

ちょっと不純物多いけど


「これなのだ!」


「ババ引いたのだ」


ですよね~~~~~~~ッ!

不純物多めだから!

伝わらない!

いや伝わってもちょっと困るけど


しかしッ!

これで私の勝利は確実なものになる・・・

アライさんはカードに傷があることを知らない!


ふふふ・・・

アライさぁん・・・

世の中甘いことだらけじゃ


「フェネック甘いのだ」


「!?!?!?!?!?!?」


い、今、なんと!?

まさか! "気づいていた"とでもいうのか!?


「"同じ"傷をつけたのだ・・・」


「フェネックは、見分けることができるのか?」


ぐッ・・・

甘く見ていた・・・!

アライさんの洞察力を!

でも私が甘いならアライさんにぺろぺろされたり


「フェネック」


「ひゃい」


「カードを、引くのだ・・・」


「ッ!」


何という威圧・・・!

アライさんが4mくらいに見える・・・

世紀末な感じ・・・


でも、負けない!

このループを、勝ち抜いて見せる!!!


「私は・・・」


「これを選ぶッッッッッッ!!!」




















「ババ引いたのだ」


「」










最終話 スティックゲーム



はーいタイトルで変な考えした人~!


私です


「フェネック正気に戻るのだ」


「はいよー」


今、私たちはロバのパン屋に来ている・・・

お目当てはジャパリスティック!

ヒワイは一切ない

最後の一個をめぐって争ったが、何とか勝ち取った

あの二人、聞いたことある声だったな・・・


「それをどうするのだ?」


「それはね・・・ こうするんだよ!!!」


スティックの端を咥え、アライさんに突き出す

あらやだヒワイ


「さあ! アライさん! どうぞ!」


「フェネック何がしたいのだ?」


「えっ」


失念しておりました

スティックゲーム・・・ 知らないのか・・・

まあまあ、教えてあげればノってくれるでしょ

無理にでもノらせる・・・!


「これはねー、端を二人で咥えて、ちょっとずつ食べるんだよー」


・・・まあ、間違ってないよね

さあ! アライさん!

ちゅーしよ!


「お腹すいてるからそれだけじゃ足りないのだ」


「えっ」


うーん、腹ペコキャラ!

愛らしいけど、ここはそうではないんだよなぁぁぁぁ


「こっちのほうが食べ応えあるのだ」


「えっ」


わあ・・・

なんて大きくて、太くて、硬い・・・


フランスパン!!!!!!!!!!!


ヒワイ!! ヒワイ!!!


「これなら二人お腹いっぱいになるのだ」


「いや、その、口に入るかな?」


「(もごもご)」


「」


あぁ・・・

小さいお口で一生懸命咥えてる・・・

じゅぷっ じゅぷって音がする・・・

ヒワイ・・・

私のフランスパンも


いやこっち向けないで

無理だから

入らないから


「(もごっ)フェネック食べないのか?」


「いや、そうじゃなくてね・・・」


「スティックだからこそ、意味があるというか・・・」


まずいぞ・・・ あさっての方向に向かっている・・・

軌道修正しないと・・・

何かいい案は・・・


ッッッッッッ!!!

そうだ!


「これは勝負でー、どれだけ多く食べることができるかを競うんだよー」


「? そうなのか?」


「じゃあ勝負するのだ!」


よし! よしよしよしよし!!!!

軌道に乗った!

後はちゅー・・・ じゃなくて勝負するだけ!


「はい、あらーいさーん」


「これでいいのか?」










「・・・・・・」


「・・・・・・」



スティックの長さの向こうにアライさんがいる

口に咥えたスティックは頼りない


意識することのない近さ

測るものがあるからこその近さ


いつもこれよりくっついてるのに

胸がドキドキする


アライさんの目を見る

アライさんも私を見た


知らないうちに手をつないだ


どちらが言うでもなく、私たちは少しづつ食べ始めた


距離が縮まる


縮まる





















唇が触れた




















「楽しかったのだ!」


「・・・そうだねー」


「・・・」


「どうしたの-?」


「また、やりたいのだ」


そう言って、頬を染めて恥ずかしそうにしながら


アライさんはスティックを差し出した




・・・敵わないな、アライさんには

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