第21話
ビールを数本飲むと、
洸介は寝てしまった。
僕はまだ眠れず、
仰向けになり天井を見てぼんやりと
みちさんのことを考えた。
「響太くんてさ、性欲ってないの!?」
確かに言われてみれば、
最初の夜の出来事以来
みちさんに性欲を感じた事が無かった。
というより、
そういうものとは別のものであって欲しい気さえ
無意識にしていた様に思う。
背中合わせで温もりを感じて眠る。
そこには安心感があって
それだけで僕は満たされていた。
じゃあ、今までの女の子達は?
求められるとセックスをしたけれど
それはいつも彼女達の何かを埋める為の行為で
僕にとっては何でも無かった気がする。
快楽は、いつも一瞬で最後はいつもぽっかりとした空虚が残った。
僕じゃなくてもいい様な。
それに気づいたからかもしれない。
みちさんを抱きたいと思わなかったのは。
思えば、まだみちさんのところを出てから
数時間だというのに
僕はみちさんの事ばかり考えていた。
そして、次の日から僕の生活は
目まぐるしく忙しくなった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。