第二十四話『新たな仲間たち 前編』
私がログインしてすぐに、ピコンッて通知の音がしたから確認してみたの。
で、そこに書いてあった内容なんだけど、要約すると…
運営からの調整メールとそのお詫び
ランキング選の報酬
の二つだったの。
それで、調整の方は両方とも私だけに送られてる通知みたいなんだよねー。
闘技場の報酬はランキングで違うからわかるんだけど、なんで修正の通知が私だけに?
まあ読めばわかるよね!
いつもご利用いただきありがとうございます。
この度、先日のランキング戦におかれまして発覚いたしました不具合について説明させていただきます。
現在、プレイヤーネーム『フウ』様が所持されている
スキル『生産の境地』についてですが、
専用武器である鎌との親和性が高かったようで
本来二つ所持できないスキルが重複してしまう
不具合を確認いたしました。
フウ様の努力によって得られたスキルではありますが
ゲームバランスの崩壊を招いてしまうと共に
今後のフウ様がゲーム攻略をより楽しんでいただく為
修正させていただく事になりました。
今回の不具合の補填についてですが、
天巫女の神鎌に付与されている『生産の境地』を天巫女の小太刀との連携能力としまして『生産の神業(生産時低確率で特殊能力を付与)』へと修正させていただきました。
また、初代ランキング戦王者限定装備の能力を出来うる限りで上方修正させていただきましたのでご確認いただきたく思います。
こちらはおまけなのですが、フウ様の所持されております特別訓練場に闘技場で開放されたコンテンツと同様のものを設置させていただきました。
詳細につきましてはランキング戦の報酬通知を見ていただければと思います。
これからもアイディアル・オンラインをよろしくお願いいたします。
ま、まあそうなるよね。
レベル130も盛れちゃったらバランス崩壊もいいところだよね…
まあそれは置いといて、次は本命の報酬だね!
この度、第一回ランキング戦第一位を獲得されました事、心よりお祝い申し上げます。
つきましては、下記報酬を贈呈させていただきます。
個人称号『厄災の死神』
能力『称号セット時、全ステータス20%』
称号『闘技ノ神王』
能力『称号フレームが金の王冠に変更可能』
闘技コイン『500枚』
ゴールド『500万G』
限定装備『厄災の死神シリーズ』
●死神の鎌
評価 : 10
能力 : 魂を刈り取る一撃『低確率で即死攻撃』
特殊能力 : 厄災『全身装備時+ソロプレイ時+イベント、闘技場使用不可』『全ステータス+50%、物理・魔法攻撃20%軽減、全状態異常無効』
●死神の骸面
評価 : 10
能力 : 死神の恐怖『確率で相手に恐怖、威圧の状態異常を付与する』
特殊能力 : 厄災『全身装備時+ソロプレイ時+イベント、闘技場使用不可』『全ステータス+50%、物理・魔法攻撃20%軽減、全状態異常無効』
●死神のローブ
評価 : 10
能力 : 存在の消失『無音、無臭になり存在をも消す』
特殊能力 : 厄災『全身装備時+ソロプレイ時+イベント、闘技場使用不可』『全ステータス+50%、物理・魔法攻撃20%軽減、全状態異常無効』
●死神の浮遊靴
評価 : 10
能力 : 死せし者の宿命『浮遊状態となる』
特殊能力 : 厄災『全身装備時+ソロプレイ時+イベント、闘技場使用不可』『全ステータス+50%、物理・魔法攻撃20%軽減、全状態異常無効』
うん。凄いね…
使える状況の制限があるとはいえなかなか強いんじゃないかな?
まあ、現状だと天巫女シリーズの方が強そうだから試運転したら倉庫行きかなー。
大器晩成型って感じかな?
ピコンッ
あ、アヤカからメールだ。
《今から大物ゲスト連れてフウの家行くね!》
来るのは全然いいけど大物ゲストって!?
それからしばらくしてアヤカが来たの。
「やっほー。来ちゃった!」
「おはよう。それより大物ゲストって誰なの?」
「ん、おはよう」
「ファセリアさん!?」
「そ!付き添ってほしいって言われて連れて来ちゃった」
そんなてへっって顔されても…
「それでファセリアさんはどんな用事?」
「ん、フウに用事があって。ふたつ」
な、なんだろう…
「ギルドに、その。入れてほしい。一つ目」
「私の?大丈夫だけど、ギルド入ってなかったんだ」
「ん、私に勝った人に、入れてもらうつもりだった」
「なるほどね。そういう事なら全然大歓迎だよ!それで二つ目は?」
「ん、本気のあなたと戦いたい」
「あの時も言ってたもんね!いいけどその前にエルの服作っていい?」
「大丈夫」
「フウ、エルって?」
「あ、もしかしてあの時も土煙で見えてなかったのかな?神鳥の卵がファセリアと戦ってる時に羽化したの!」
「なるほどねー」
「ライムー、エルー!」
「フウー!」
「ままー!」
私が呼び出したらすぐに出て来て抱きついてくるライムとエルがすっごくかわいい!
「改めて紹介するね。エンシェント・エルニクスのエルです!エル、自己紹介できる?」
「うん!えーっと、エ、エルです!…」
「アヤカだよー!よろしくねー」
「ファセリア。よろしく」
「じゃあエルのお母さんからの遺言もあるし、装備作っちゃおっか!」
まずは素材の確認!
零天鳥の素材みたい。
嘴とか羽毛、皮とか骨なんかがあるみたい。
お肉もあるみたいだけど、これはエル的にはどうなんだろう…?
あとは…
零天タル神鳥ノ冠毛と零天タル神鳥ノ天翼。
貴重品に分類されてて使えないみたいだけど明らかにやばいやつだよね…
まあ現状どうにもできなし、いっか!
「これから作り始めるけど、アヤカとファセリアの二人はどうする?」
「うちはレベル上げに行くかなー!フウに負けちゃったし…」
「邪魔じゃなければ残る。見てみたい」
「わかった。ライムとエルは下で遊んでおいでー!」
「「はーい」」
じゃあ始めますか!
どうしよう?
ひとまず羽毛の一部を錬金術を使いつつ魔力を編み込みながらで糸に変換して。
残りの後で羽毛は使いたい事があるんだよね!
腕当てには皮と嘴使おうかな!
服はドレス風のローブにしてー。
あとは皮で靴、羽毛でアクセサリー作ってー、骨は溶かした後インゴットにしてライムの鎧でも作ろうかな。
あ、インゴット化してから錬金で糸にしてエルのローブに刺繍みたいに模様刻もうかな!
最初は一番時間かかりそうな骨のインゴット化からだね!
それじゃあ実験開始!
まず骨を炉に入れて、どれくらい熱したらいいか試してみよう。
骨自体は白いからとりあえず鉄と同じ容量で赤色になった時ともう少し高温のオレンジ色になった時で試してみよう。
……うーん。
どっちも失敗だなー。
ハンマーで叩いた瞬間粉砕したよね…
こりゃ本腰入れてもっと熱々にしないとダメかもね!!
それから色が白くなるまでやって試してもだったから、さらに高温を試す以外ないよね。
まあ、白より先色が変化するかはわからないし、逆に熱で崩れちゃう可能性もあるしね。
なんて思った側から粉砕したよね…
どうしよう…?
うーん、急激に温度上げてみる?
でもなー、ダメな気がするんだよねー。
それかあえて冷やしてみる?
ボスが使ってたの氷系だったしね!
確かエルが使えたはずだから地下の特別訓練場に行こうかな。
そこから私は二人が遊んでる地下7階の特別訓練場に向かったの。
中に入ったらライムとエルが遊んでるかと思ったんだけど、まじめに二人で戦闘訓練みたいな事しててびっくりしたよ…
まあ、あの二人はあれで遊んでるつもりかもしれないんだけどね。
「エルー!ちょっとお手伝いお願いしてもいいー?」
「ままー!いいよー」
「フウー、終わったのー?」
「ううん、上手くいかなかったからちょっとエルにお手伝い頼みに来たの」
それで私たちは鍛冶場に戻って作業に取り掛かったの。
「じゃあエルこれを冷やしてもらってもいい?」
「はーい!」
そう言ってエルは骨に向かって氷系統のブレスを吐くと、周りにダイヤモンドダストみたいにキラキラしてて、でもすごく眩しく輝き始めたの。
しばらくしたら輝きも収まってきて、ようやく仲がどうなってるか見える様になってきたんだけど、ついにインゴット化に成功したの!
「エル、大成功だよー!」
「ほんと?ママの役に立った?」
「もちろんだよ!このまま全部お願いしちゃってもいい?」
「はーい」
そんな感じでみんなにっ見守られながらエルは予定してた分の骨を全部インゴット化してくれたの。
「さて、じゃあここからは私の仕事だね!二人はどうする?股下で遊んでる?」
「ライムは見てるー!」
「エルも見てたーい!」
「わかった、じゃあ始めるね!」
「ようやく鍛冶、始まるのね」
さて、インゴット化したら扱いは金属だし加熱して大丈夫だよね?
とりあえずエルの近接護衛用に包丁でも作っとこうかな!
零天鳥の骨インゴットっていうまんまな名前のインゴットを炉の中に入れて、温度が上がるのを待つ。
途中から鉄とかとは違って青白い光に変わったからここで試しに出して打ってみることにしたの。
これが大正解!硬すぎず柔らかすぎずですごく打ちやすいの!
ここからは流作業で熱しては打って伸ばして折り曲げては叩いて、熱してはの繰り返し。
妥協しないで一から金属を育てるように強く優しく素早く丁寧に。
ここから本当は焼刃土っていうのを塗って土置きっていう作業をしてから焼き入れをするらしいんだけど、今回はゲームだから省略して焼入れしちゃおう!
いつか一から本格的に作ってみたいなー!またアヤカに怒られる様なものができなければいいんだけどね…
さて、焼き入れも終わったしあとは研ぐだけだね!
これもゲームじゃなかったら相当大変なんだろうけど砥石を使ってしばらく研いだら刃がついて完成しちゃう。
てか、研いでて思ったけど、光に当たると青白く光ってすごい綺麗な包丁が出来ちゃった!
「ふぅー。こんなものかな」
「ママすごーい!」
「これは、美しいわ」
「ふふーん!フウはすごいんだよー!」
最後にあらかじめ量産してあった柄をつけたら完成だね!
それじゃあお待ちかねの!
「鑑定!」
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