卑しき者の食卓
「卑しき者の食卓」は、中世ヨーロッパで行われていた残虐な拷問である。一時期の中世ヨーロッパでは農民階級の贅沢(肉を食う、酒を飲むなど)は重罪であると考えられ、厳しく罰せられていた。「卑しき者の食卓」は隠れて贅沢をしていた庶民に対して罰として使われた拷問の方法だ。
罪人はまず、大きなテーブルの前に置かれた椅子に縛り付けられ、口を猿ぐつわで拘束される。その後、テーブルにたくさんの豪華な料理が運ばれてくる。パン、豚肉のロースト、鶏の丸焼き、ニシンの塩漬け、ヒヨコ豆のスープ、ワインにビールなど、その数は24品にも及んだという。
料理が揃うといよいよ拷問開始。執行人がテーブルの上の料理を次々と罪人に食べさせていくというものなのだが、罪人は猿ぐつわをされており、口が使えない。そう、なんとこれは、鼻の穴から料理を食べさせていく拷問なのである。しかも、当時の様子を記した書物によれば、食べ物はすり潰したり砕いたりはせず、そのままの形で鼻の穴に入れられたという。とは言え、肉や魚など、大きな塊がもちろんすんなり入るわけがないので、鼻の穴に入れられたあとは火箸のような長い鉄製の棒でぎゅうぎゅうと押し込まれ、あとはワインやビールで無理やり流し込まれたようだ。その結果、罪人は呼吸困難な状態に陥り、さらに鼻の粘膜を傷つけられたことで鼻の穴や猿ぐつわを噛まされた口の隙間から大量の出血をし、結局、ほとんどの者が5品も食べ終わらない内に窒息で絶命したという。
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