第13話 アイドル立国時代

This Message From NIRASAKI N-TOKYO JAPAN

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 ハロー、平成の君たち。

 令和の日本が、一部の人からなんて呼ばれているか、聞いたら驚くと思う。それは「アイドル大国」という呼び方。ああ、そうか、平成の最後の頃の人たちは、さもありなん、かもしれないな。どうだろう?

 AKBグループが席巻した平成の終盤だけど、その流れはさらに加速され、令和を圧倒した。ただし、これは幸福な事態でもない。アイドルをやっている人たちは、本当に一瞬の輝きのために、多くのものを犠牲にしているように見える。

 僕が男なので、女子アイドルを比較的、見てきた口だけど、とにかく、移り変わりが激しい。グループ名は変わらなくても、メンバーが本当に次々と入れ替わる。僕も何人か、応援していたアイドルがいたけど、すぐにメディアから消えてしまい、ガッカリするのを繰り返した。で、あまり深入りしないようになった。案外、そういう人が多いと思うけど、どうだろう。アイドルを真剣に応援する層と、眺めるだけの層、この二種類に、ぱきっと分かれている気がする。

 そう、オタクという言葉が、平成を席巻したはずだけど、令和では、もうオタクという言葉の意味が変わっている。令和におけるオタクという言葉の雰囲気は、平成における、昭和にあった

「アイドルの親衛隊」という言葉で抱く感じ、雰囲気じゃないかと、僕は思う。まぁ、僕は親衛隊というワードは知っていても、実態はわからないけど。そんな今の時代の、平成の「オタク」に近い単語といえば「プロフ」だ。これは語源がはっきりせず、一応、プロフェッショナル、という言葉から来ている、という主張が強いけど、アイドルのプロフィールを完全に把握しているから、という主張もある。余談だけど、アニメオタク、ゲームオタクなども、プロフと表現されている。この点を考えると、やっぱりプロフェッショナルが語源という説は、力を持つかな。

 このアイドル大国は、海外の人間をやけに引きつけている。外国人旅行者は、京都や奈良を訪れるのは日本マニアで、一定の年齢より上の外国人が多い。京都や奈良も人口が減っているが、一方で、昔ながらの日本、を維持する施策、政策もあり、どうにか命脈を保っている程度。そんな場所よりも、外国人は東京に押し寄せる。秋葉原が聖地という発想は、令和では消えていることを、はっきりさせよう。秋葉原は、一言で言えば、カオスだ。令和初期には、オタクのサラダボール、なんて言われていて、それが拍車がかかって、もう誰も手綱を取れない、暴れ馬と化した。近くにあった小学校が、教育上、よろしくないという理由で移転するほどだ。

 東京にある無数のライブハウス、イベントスペースが、アイドルの活躍の場で、そこにプロフの連中や、外国人プロフが、押し寄せる。これは冗談だろうけど、アイドルをやっていると、サイン会、握手会、お渡し会で、外国人と会話をする関係で、自然と挨拶程度の外国語が身につくらしい。そう、サイン会、握手会、お渡し会、チェキ会(実際の写真ではなく、写真データをなぜか、チェキ、と呼ぶ)は、令和になっても残っているし、むしろ平成よりも活発なほどだ。令和になってすぐくらいに、一部のアイドルの、CDにシリアルコードを封入して販売する、という商法があまりに激しくなりすぎて、これが規制されたがために、抜け道として、サイン会などが増えたんだ。まぁ、いずれ、そういう会も規制されそうだけど、日本としては外国人を呼び寄せるため、許容する可能性もある。

 これは気になる点だろうけど、バーチャルアイドルがどうなったかといえば、平成の終わり頃に爆発的に増えたよね。その流れは加速して、ものすごい数にまで増え続け、これには逆に視聴者の閲覧が追いつかず、妙なギャップができた。それがために、ネットアイドルは二極化し、莫大な閲覧数が記録されるアイドルと、底辺アイドルとも呼ばれる閲覧数が少ないアイドル、この二つになった。そこまでが令和の中ほどまでの展開。

 そんなバーチャルアイドルの発展が、現実のアイドルには、追い風になったのが、興味深い事象ではある。これは驚天動地だけど、現実世界で顔を見たり握手できるアイドル、というものが、バーチャルアイドルという存在によって、際立った。バーチャルはバーチャル、という考え方がプロフの間に広まって、令和も半ばを過ぎると、バーチャルアイドルがやや否定された感も否めない。ただ、バーチャルアイドルはここで、バーチャルである利点を活用し始め、ネットを介して、海外の閲覧者を取り込みにかかった。今ではほとんどのバーチャルアイドルは、日本語でしゃべっているその動画の下に、字幕で複数の外国語が表示される仕様を採用しているよ。一部のバーチャルアイドルは、自ら外国語でしゃべった動画や配信を提供している。こうなると、まさに「アイドル大国」だな、と僕も思わざるをえない。

 そんなわけで、アイドルは今も、頑張っている。

 平成について調べた時、様々なアイドルを知ったけど、僕が可愛いと思ったアイドルは、中川翔子、かな。ドクにその話をすると、ドクは苦笑しつつ、でも何も言わずに、別の話題を始めた。

 失礼じゃないか。中川翔子、いいと思うけどなぁ。





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