第8話 世界はこんなに変わっている

This Message From NIRASAKI N-TOKYO JAPAN

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 こんにちは、こちらは春先の晴天で、梅が香っている。僕は梅の匂いが好きだ。

 ちょっと、令和が終わりつつある今、平成と比べて世界がどう変わったか、整理してみよう。きっと平成からの三十数年で、びっくりするほど変わったはずだから。

 平成の終わり頃には、イギリスがEUと揉めたり、中国とアメリカがいがみ合ったり、日本だって韓国とばちばちやっていた。これらがすべて、進展していったのが令和という時代だ。

 まずはヨーロッパ。イギリスのEU離脱は、結局、立ち消えになった。政治家がだいぶ入れ替わり、その辺は非常に由々しき事態だったけど、EUにとっては、大した問題ではない。EUそのものが、その地盤を拡大していて、イギリスよりもそちらの方が重要だったからだと思う。EUは地中海の南、アフリカの北部と連携を高め、EUという名称を「地中海連合」と改めた。これは僕もちょっと勉強したんだけど、どうやら古代のローマ帝国のような勢力範囲が、二十一世紀になって、二千年ぶりくらいに再来したことになる。

 そんなヨーロッパと地続きなのが、ロシアであり、アジアなわけだけど、ここにも巨大な勢力が生まれつつある。「大アジア統一体」と呼ばれる、ロシアと中国を中心とした連携で、これは平成から令和に切り替わる頃に、中国が続けていた一帯一路と呼ばれる政策が、まずまずの結果を出したことになる。「地中海連合」と「大アジア統一体」は、境界こそ長い距離で接しているものの、お互いを商売相手と認識していて、火の気が無いどころか、静電気みたいなものさえも無い。完全に調和されているんだよ。ネット上では、地中海連合が、三度目の冬将軍に敗北する、などと言われたけど、今のところ、ユーラシア大陸は、静かなものだ。

 では日本はどうしているのか、となると、アメリカの前線基地、というより無い。その話の前に、朝鮮半島について整理する必要があるね。結局、北朝鮮は消滅して、韓国が朝鮮半島を統一した。これにはアメリカが強く関わって、アメリカ、中国とロシアの、代理戦争になる危険もあったが、中国とロシアは、その争いを回避した。何かしらのアメリカとの取引があった、とも言われているけど、事実は不明だ。で、朝鮮半島はそのうちに、統一朝鮮国などと名乗ったけど、進む道は日本と大差ない。アメリカの前線基地である。

 日本と韓国のいざこざは、アメリカが仲介して、回避され、今では仲良くアメリカの属国のような立場、ってわけ。別に僕としては不満はない。アメリカの駐屯地、それとミサイル基地、軍港はだいぶ増えたけど、未だに日本人は手を汚さずに戦争をするつもりでいる。後方支援というよりも、まるで土地を貸している、というか、土地を貸した上でその警備料金を払っているような立場だけど。

 問題はアメリカで、アメリカとカナダが、北アメリカで同盟を結んだわけだけど、この共同体は、世界一位の経済圏ではなくなった。どこかが一位かって? 「大アジア統一体」だよ。その中でも中国の成長は群を抜いていた。人口が多くて消費量が多い上に、ヨーロッパ圏との貿易で大きな利益を上げている。今になってみるとわかるけど、ロシアと組んだのは、ロシアにちょっとだけ利益を与えて、その利益でロシアの南下政策を封じ込めた、と言えなくもない。ロシアが産出していた天然ガスや資源も、令和の前半ではロシア自体の有力な収入源だったけど、太陽光発電の地道な進歩に負けて、今では見る影もない。

 そんなわけで、世界はおおよそ三分された。天下三分の計ではないけど、意外にこれがバランスを取りやすいらしい。

 気になっている人もいるだろうけど、話題にしていない三つの場所がある。南アメリカ、アフリカ、そしてインドだ。

 南アメリカは、まだ情勢がはっきりしないが、いずれはアメリカに飲み込まれると見られる。現時点ではアメリカも手をつけかねていて、それは政治闘争がそれぞれの国家で盛んに行われ、独裁者が処刑されたり、民主化されたかと思えば、おかしな方向へ進んだりしているから。ちなみに南アメリカの最大の輸出品は、コーヒー。

 アフリカは自由を謳歌している。彼らには広大な土地があり、砂漠化が進んでいることが、プラスに働く事態になった。地中海連合やアメリカが、アフリカの巨大な砂漠地帯に、広大な太陽光発電施設を作り上げた。これがアフリカに住む人たちに外貨をもたらしたんだけど、実際のところ、アフリカの人たちの生活が、この三十年で劇的に改善したわけではない。先進国の文化が大量に流れ込んだけど、一部の政治指導者や政府関係者、大企業の重役などが裕福になる一方で、貧しいものは貧しいままに生活している。それでも少しはマシになった、という意見もある。それに、アフリカは未だに国際的な紛争や戦争の舞台になっていない。それが大きいという見方もできる。

 インドは、孤高の存在といえる。アメリカのシリコンバレーは過去の栄光、その残像と化していて、世界的なコンピュータ関連の開発は、インドが一手に引き受けている。その分野では、中国の成長よりも、インドの成長の方が凄まじかったということになる。令和の中期の芸人が、背広を着ているのに頭にターバンを巻き、額に赤い点をつけて、「インドル、入ってる」という文句を言う、変なジョークを動画で披露した。かなり滑ったけど、多分、マニアックすぎたんだろう。平成の人はわかると思うけど、「インテル、入ってる」を意識していて、もうそんな宣伝は、令和では、行われなくなって久しい。

 というわけで、世界はやや統一されているけど、完全なる統一は、次の時代、もしくは次の次の時代に、持ち越されることになる。

 地球連邦が宇宙にまで膨れ上がった人類を支配して十余年、みたいなことを過去の映像で見るけど、まぁ、地球連邦なんて、まだ空想の領域だよ。




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P.S. Future Is Wild.


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