第3話故郷は水の下  新島隼人 32歳

幼き日の私は涙を流している何故だか知らないが涙を流している其の涙を流した価値に何の意味が有るかは判らない・・そう故郷が水没すると言う憂き目に有って居るのだ


そう私は何故涙を流している私が生まれた故郷で暮らしたのはほんの数年間の間だった否幼き日の記憶の中でしか故郷の記憶を持ち合わせて居ない


そう其れなのに私は水没した故郷に涙を流したのだ涙を流したのは人々の為にそう水力発電の為にダムが出来そして水の下に成った


だから大人に成った私は何故あの時泣いたのか察した理由は簡単だった「いつも通りの日常が喪失した」と言う事に成るのだろう

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