第20話神出鬼没のミルフィーユ

 アオイ:音もなく突然現れるスーパー赤ちゃんのミルフィーユちゃん。星を越えて現れる様子から科学大臣の奇子さんは魔界宇宙からある人を呼んだのでした。


 天界時間8:56 科学省 大臣室


 奇子にスポットライトが当たる


 奇子:由々しき事態だ。


 秘書にスポットライトが当たる


 秘書:ええ、我々のイタズラを毎回邪魔してきますね。


 奇子:しかも気が付いたらそこにいる。


 秘書:転移魔法でも使えるのでしょうか?


 奇子:神族が神聖魔法を使えるようになるのは50歳からだ、生まれて間もない0歳児が使えるわけがない。


 ※天界魔界での50歳は人界でいう5歳


 秘書:ですが先日、冠武帝国に行ってましたよね。しかも1人で。


 奇子:潜在的に使えてる可能性があると思う。そこで魔界から魔法のスペシャリストを呼んでおいた。そろそろだと思う。


 科学省の受付から連絡が入る


 受付:道極寺大臣、ビーストヘッジ工科大学より京都教授がお見えになられております。


 奇子:来たか、通せ。


 受付:畏まりました。


 秘書:魔界宇宙魔導工学界重鎮、京都迅乃助きょうとじんのすけ教授を呼んだんですか⁉︎


 奇子:お邪魔ベイビーの話をしたら大層興味を持ってたよ。


 大臣室に空間転移する迅乃助


 迅乃助:なんや、なんや〜!こないな真っ昼間から部屋暗くしよってからに。


 アオイ:本編を知らない方のためにご紹介します。この方の名は魔界宇宙魔導工学界の重鎮にして魔界宇宙3大学府の1つ、ビーストヘッジ工科大学魔導工学部名誉教授の京都迅乃助さん750歳のコカトリス族です。人間でいうと75歳ですね。


 奇子:フフフ、待ってたよ♪さあ、座りたまえ。


 持ってた扇子で頭を叩く迅乃助


 迅乃助:阿呆!一国の大臣でも年長者に敬意を示さんかい!


 奇子:おおぅ。


 迅乃助:で?その赤ちゃんは何処におるんや。


 迅乃助のお腹を指差す2人


 迅乃助:ん?アテの腹に何が・・・ってうお!


 迅乃助の腹にしがみついてるミルフィー、迅乃助の顔を見て手を上げる。


 ミルフィー:よっ。


 迅乃助:い、いつの間にアテの腹にくっ付いとったんや⁉︎


 奇子:こんな感じで突然だじぇ。


 ミルフィーを抱き上げる迅乃助


 迅乃助:ふ〜む、話に聞いてにわかに信じられへんかったが。実際こうして目の当たりにしたら信じるしかあらへんな。


 迅乃助を見て微笑むミルフィー


 迅乃助:お〜、お〜、可愛い顔して笑ろとるわい。そんなにこの爺の顔が良えか、ん〜♪


 ミルフィー:うっきゅ〜ん♡


 秘書:それで、教授の見解は?


 迅乃助:ほ〜やのぉ・・・神聖力を微塵も感じひんかったさかいな〜。こらもしかしたら魔法の類やあらへんかもしれんなぁ。


 奇子:魔法じゃない?


 迅乃助:この子は天族同士の間に生まれた子やろ?


 秘書:はい。


 迅乃助:魔族との混血やったなら魔力を使う魔法の可能性もあるやろうが、魔法でもない。神聖力も感じひんから神聖魔法でもない。そやったら魔法の類は有り得へん、魔法以外の何かと言わざるを得へんよって。


 ミルフィー:あ〜う〜。


 迅乃助:お?なんや〜、この腹が気に入ったんかいな。アテの孫娘もこの腹がお気に入りでなぁ。小さい子は皆んなアテの腹に飛びつきよる♪


 奇子:モフモフ太鼓っ腹。


 迅乃助:ほい。


 迅乃助のお腹にくっ付き眠るミルフィー


 ミルフィー:・・・・・ぷすぅ。


 迅乃助:寝ても〜た。お〜、寝顔も可愛えのぉ♪・・・ん?何や?


 ミルフィーのヘアピンが光った次の瞬間、瞬時に消える


 迅乃助:うお!消えても〜た!・・・・成る程なぁ、これで分かったわい。


 奇子:どゆこと?


 迅乃助:なんや、気付かへんかったんかいな。あの子が消える直前にあの子の髪に付けとったヘアピン光っとったで。


 秘書:ではあのヘアピンが。


 迅乃助:次元工学は専門外やさかい、あくまでアテの推測やで。おそらくアレは小型の空間転移装置や。しかも相当広範囲まで空間転移出来る上物やで。


 奇子:それで隣国の母星まで飛んだのか。


 迅乃助:映像に記録しとったさかい、知り合いの専門家に鑑定してもらうわ。


 秘書:宜しくお願いします。


 奇子:おう、頼んだ。


 扇子で奇子の頭を叩く


 迅乃助:こんのど阿呆!何べん言うたら分かんねや!目上のモンにそないなデカイ態度とんな言うたやろうが!


 奇子:し〜ましぇ〜ん。


 迅乃助:ほな、女王さんに一言言っておくさかい。


 秘書:はい、遠路遥々ありがとうございました。


 大臣室を出る迅乃助


 奇子:あんのジジイ、扇子でバシバシ叩きやがって。


 秘書:流石にアレは自業自得かと。
















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