第16話お洒落おしゃぶりをゲットせよ!

 アオイ:常に自身の身を削って国民に尽くすフィローネさん。娘のミルフィーちゃんもまたそんなお母さんの背中を見てきて小さな胸を痛めていました。


 天界時間15:00 王都ユーリア 王城


 フィローネ:ミルフィー、お買い物行くよ〜・・・・ミルフィー?


 王城内庭園


 秘書:道極寺大臣これは?


 奇子:フッ、フッ、フッ。これこのスイッチを押すとね〜♪・・・あれ?


 秘書:どうしました?


 奇子:無い。スイッチが・・・無い。


 秘書:え⁉︎


 謎のスイッチの前に座り込むミルフィー


 ミルフィー:あ〜・・・う〜・・・ほえ?


 奇子:そ、それ!


 秘書:ミルフィーユ様、それこっちに渡してください!


 奇子:お、押すなよ・・・それ押すなよ。


 ミルフィー:う?


 奇子:今それ押したら危ないから・・・主に私達が。


 ミルフィー:ほぅほぅ。


 秘書:お、押しちゃ駄目ですよ。良い子ですから・・・ね?


 ミルフィー:・・・・・あい。


 ・・・・ポチ


 奇子&秘書:押したーーーー!


 2人の頭上から大量の水が降ってくる


 奇子:押しちまったよこのベイビー。


 秘書:う〜、ビチョビチョ。


 エリカ:ふ〜ん、それを私に使おうとしてたんだ〜。


 恐る恐る背後を振り向く2人


 エリカ:随分と濡れてるみたいね〜。私が乾かしてあげよっか♪


 ※目が笑ってない


 奇子:いえ、結構です。


 秘書:お気遣いなく。


 両手の魔法陣から火球を放つエリカ


 エリカ:成敗!


 奇子&秘書:イーーーーヤーーーー!


 フィローネ:あ、こんなトコにいた。ほら、お買い物行くよ。


 ミルフィー:あい♪


『スーパーカミカゼ』


 フィローネ:今日は特売品、ミルフィー何か欲しいものある?


 ミルフィー:あいあい、あばぶぅ・・・あい!


 フィローネ:え?『そろそろ乳離れしたいからおしゃぶりが欲しい』って?ミルフィーはまだ乳離れは早いでしょう。どうしてなの?


 ミルフィー:あいあいあう〜、うっきゅう。


 フィローネ:『最近母さん自分の食費も削って国費にあててるから栄養不足なのは知ってる。だから母さんはちゃんと食べるべき』だって?


 ミルフィー:あいあうあ〜い、あぶぅ。


 フィローネ:『母乳の質が落ちてるから分かる』ですって?・・・ミルフィーには隠し事なんて出来ないね♪でもね、赤ちゃんはちゃんとお乳は飲まないと駄目だよ。


 ミルフィー:あばぶぅ。


 フィローネ:『だったらアクセサリーとして欲しい』って?まぁ、それなら良いよ。


 ミルフィー:ぶぅぶぅ、うっきゅ〜。


 フィローネ:『その代わりちゃんとご飯食べてよね』って?


 ミルフィー:あい!


 フィローネ:はいはい♪


 買い物を済ませて帰ろうとする2ふたりそこに福引きを見かける


 店員?:さあさあ!空クジなしの福引きを始めま〜す!1000ヘブンス以上お買い上げのお客様が対象で〜す!レシートご持参くださ〜い!


 フィローネ:あ!三等豪華おしゃぶりだって♪


 ミルフィー:うきゅ〜♡・・・・あう。


 フィローネ:ん?『素敵♡・・・母さん1000ヘブンス分しか買ってないから一回しか出来ない』って?フッフ〜ン。母さんに任せなさい♪


 エリカ:大丈夫よミルフィー。ミルフィーのお母さんはね、昔からくじ運は物凄く強くてね。今まで予告したものは一度も外した事ないんだよ♪


 店員?の前に立つフィローネ


 フィローネ:はい、レシート♪


 店員?:奥さん大丈夫?一回分しかないよ?


 フィローネ:大丈夫♪


 三等のおしゃぶりを指すフィローネ


 フィローネ:この一回であのおしゃぶりを当てます!


 周囲が騒つく


 店員?:じゃあ、やってもらおうか。ま、無理だと思うけど〜♪


 クジを引くフィローネ、固唾を飲んで見守る観衆


 フィローネ:はい♪


 店員?:で・・・・では・・・・


 クジを見る店員


 店員?:・・・な⁉︎嘘だろ!ほ、本当に当てた!


 大きな歓声があがる


 フィローネ:はい、おしゃぶり♪


 ミルフィー:ふ、ふっきゅ〜♡


 エリカ:何て?


 神門:『す、凄いよ母さん♡』だそうです。本当にお見事です女王陛下。


 おしゃぶりをしゃぶるミルフィー


 ミルフィー:ちゅっぱ・・・ちゅっぱ・・・きゅ〜ん♡


 同時刻 天界某所


 ???:な、無い!無い!『アレ』が無いーーー!


 秘書:ど、どうされました?


 ???:無いのだ!私の祖先が代々コツコツと何かあった時のために奴等の首根っこ掴むための『切り札』が無くなっているんだ!


 秘書:それはまさか!『マスタースフィア』ですか!


 ???:馬鹿者!声が大きい!そうだ。探せ!警察に見付かる前に!


 秘書:はっ、はい!


 ???:クソッ!どこにいったのだ!


 再び王都のメインストリート


 エリカ:う〜ん。


 フィローネ:どうしたの?


 エリカ:ミルフィーのおしゃぶりの飾り、なんかメモリースフィアに似てない?


 フィローネ:そお?気の所為じゃないの?


 エリカ:それもそうね。


 店長:お疲れさん。


 副店長:あれ?福引きって店長がやる予定じゃなかったですか?


 店長:え?福引きは明日だよ。今朝の朝礼で言ってただろう?


 副店長:え⁉︎じゃああれは誰だったんですか?


 店長:さあ?


『バックヤード』


 店員?:はい・・・予定通り女王フィローネの娘のおしゃぶりとして隠しておきました・・・はい、必ず『時が来る』守り抜いてみせます!お任せください『副社長』













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