第15話神王フィローネをコーディネートせよ!

 アオイ:ゼニリオ帝国皇帝マルコを見返そうと闘志を燃やす一同。その1人、魔界宇宙財界に君臨する12人の王の称号を持つトゥエルブの『芸能王』リディア・アフロディーテさんはある人とコンタクトをとっていました。そしてもう1ひとり、フィローネさんが兄と慕う方が入国したようです。


 天界時間11:00 ローラント王国隣国 冠武帝国かんぶていこく


 アオイ:冠武帝国、それは天界宇宙で上位に位置する軍事超大国。14天界王の八岐大蛇様の傘下の国で、魔界宇宙のウエポニア帝国とは同盟国にあたります。兵器中心としたウエポニア帝国に対し冠武帝国は武術を中心とした国です。


『大修練場』


 ???:遠慮はいらん、全員一斉にかかって来い!


 1000億の兵士が一斉に襲いかかる


 ???:・・・・遅い!


 瞬時に一掃する???


 宰相:流石は闘練とうれん皇帝陛下。


 凪:これが戦場なら死んでいたぞ‼︎


 アオイ:このお方がフィローネさんが兄と慕う冠武帝国皇帝、毘沙門天族の凪・闘練様です。


 宰相:間も無くお時間でございます。


 凪:で、あるか。皆の者!そのまま鍛錬を続けよ!我が戻ってくるまでに一撃でも当てられるようにするのだ!


 兵士一同:はっ!


 魔界時間10:00 ヘルベルト帝国 フルムーンキャッツ本社 社長室


 秘書:社長、オーシャンミュージックのアフロディーテ様よりお電話です。


 ルナ:繋いで。


 アオイ:こちらの猫の獣人族の方がアパレル産業最大手フルムーンキャッツ社長にして服飾デザイナーのルナさんです。詳しくは『輝石の帝国』の35話をご覧ください。


 宙に浮いた中央のモニターに映るリディア


 リディア:調子はどお?


 ルナ:お陰様で本社の移転も無事終わりました♪


 リディア:実は貴女に折り入って頼みたい事があるの。


 アオイ:リディアさんは事の経緯をルナさんに話しました。この内容は14話をご覧ください。


 ルナ:そういう事でしたら喜んで協力させて頂きます♪・・・ただ。


 リディア:分かってるわ。貴女は作る相手を見てデザインするんでしょ?


 ルナ:はい、その見立てによっては入手困難な素材もあったりするので。明日そちらに向かいます。


 リディア:お願いね♪


 通話を切るリディア


 ルナ:直ぐにローラント王国行きのチケットを手配して!


 秘書:畏まりました。


 翌日 天界時間8:58 ローラント王国 王都仮設次元国際空港 国際線ターミナル


 ルナ:ここがローラント王国ね。次元大震災で荒れてるってネットのニュースで見たけどちゃんと復興が進んでるみたいね♪


 凪:皆、苦境にあるにも関わらず幸せそうな顔をしている。貧しくても強くある精神、流石はフィローネだ。国民をよくここまで導いているな♪


 フィローネ:凪兄!


 凪:おお!フィローネ、立派になったな♪


 リディア:ルナも魔界から遠路遥々お疲れ様。


 ルナ:リディアさん。


 フィローネ:リディアさん。この人が?


 リディア:ええ、国際神聖サミットに着ていく衣装を作ってくれるルナですよ♪


 エリカ:あ、凪さん。


 凪:おお、黒耀銀行のカズクラフト頭取・・・あ、今は総裁か。貴殿には助けられている。


 深々と頭を下げる凪


 エリカ:や、やめてください!私達魔族は困ってる人を見過ごせない性分なだけで、勝手に援助しただけですから!


 奇子:ヒュ〜ヒュ〜!奴さん顔真っ赤だじぇ〜♪


 秘書:いやはや総裁のこういう顔レアですよ〜♪


 奇子&秘書:YOU告っちゃいなYO♪


 全速力で追いかけるエリカ


 エリカ:あんた達待ちなさーーい!


 フィローネ:えっと、立ち話もなんだからお城に行きましょう。


 ルナ:で、ですね。


 凪:うむ。


『王城 女王執務室』


 ルナ:では早速採寸を・・・・ん?


 背中に違和感を感じるルナ


 フィローネ:どうしまし・・・あ、ミルフィーこんなとこにいたのね。


 ルナ:え?え⁉︎


 背中にへばり付いてるミルフィー


 凪:な⁉︎我に気取られる事なく気配を消して背中に張り付くとは。この赤子・・・できる!


 ミルフィーを引っぺがすフィローネ


 フィローネ:ハイハ〜イ、おっぱいの時間なのね〜♪ちょっと待っててくださいね。


 ルナ:あ、はい。


 20分後・・・


 フィローネ:お待たせしました。


 ミルフィー:ふぃ〜♪


 ミルフィーをジッと見るルナ


 フィローネ:ルナさん?


 ルナ:はい、採寸出来ました。ミルフィーちゃん好きな動物とかありますか?


 フィローネ:え?好きな飲み物だったらミルクですけど。


 ルナ:じゃあ、10秒ほどお待ちを。


 ディメンションフィールドを張り中で服を作るルナ


 ルナ:お待たせしました〜。ミルフィーちゃんのお洋服出来ましたよ〜♪


 アオイ:ディメンションフィールド内は通常空間で1秒。中では1時間なので、この場合10時間いた事になりますね。因みに浦島効果防止加工をしてるので体内時計を狂わせる事なく安全に作業出来るんですよ。


 エリカ:まったく!アイツらは〜!ん?ミルフィーの服作ったの?てか、牛柄って。


 ミルフィー:ふ、ふっきゅ〜♡


 神門:姫様はこう仰っておられます『す、素晴らしい♡』と。


 アオイ:この方は天界宇宙最強の古代兵器ヴァルキリー真機の神門みかどさんです。


 エリカ:本人が気に入ってるならいいか。


 フィローネ:ミルフィーお洋服作ってもらって良かったね〜♪


 ミルフィー:あい♡


 ルナ:では早速採寸します・・・・


 10分後・・・


 ルナ:デザインは決まったのですが、素材が。


 リディア:何が足りないの?


 ルナ:火鼠の皮はヘルベルト帝国宰相のカグヤさんが沢山持ってたので全部譲ってもらったので良いのですが。足りないのはオーロラフェニックスの雛鳥の尾、テイオウホエールの髭、あとスピリットワームの糸です。


 エリカ:あ〜・・・・


 凪:ふむ、どれも魔界で希少種とされる巨獣ばかりだな。


 エリカ:えっと、そうじゃなくて。


 凪:む?


 エリカ:欲しかったら割と直ぐに手に入るよ。


 ルナ:え⁉︎


 凪:なんと⁉︎


 エリカ:オーロラフェニックスの雛鳥とスピリットワームは杏ちゃんと友達だし、テイオウホエールなら以前助けたから事情話せば分けてくれるわよ。


 ルナ:ホントですか⁉︎是非お願いします!


 エリカ:杏ちゃんの方は連絡取れるし。テイオウホエールの方がちょっと時間かかるわね。3日あればなんとかなるけど・・・間に合いそう?


 ルナ:それくらいなら大丈夫です♪


 モニターに映るマルコ


 マルコ:何だ何だ〜?貧乏女王はまだ無駄な悪足掻きをしとるのかね〜?


 アオイ:紹介するのも嫌なので彼に関しては14話をご覧ください。


 エリカ:出たよ。ナレーターにまで嫌われてるなんてざま〜ないわね。


 マルコ:やかましい!やれやれ、相変わらず見窄らしい身なりだな。これでは国民が可愛そうだな♪


 フィローネ:・・・・・


 凪:・・・・・・見窄らしいのは貴公ではありませんか?ゼニリオ殿。


 マルコ:なんだと〜?


 凪:この国の民は皆、貧困であっても誰1人フィローネを悪く言う者は居ない。それどころか何処へ言ってもフィローネを褒め称える声ばかり。それに引き換え貴公の国は貧富の差が激しく、貴公の国の民は皆誰1人として貴公を褒め称える者はいない。真に見窄らしいのは貴公の方ではないか?


 エリカ:(凪さんナイス!)


 フィローネ:凪兄♪


 マルコ:うぬぬ〜!


 ゼニリオ帝国宰相:へ、陛下!た、大変です‼︎


 マルコ:何だ!今それどころではない!


 ゼニリオ帝国宰相:緊急事態です!陛下の皇族専用口座が、皇族専用口座が・・・凍結されました!


 マルコ:な、何だと⁉︎


 慌てて通話を切るマルコ


 千歳:あの慌てようったらないわね♪


 エリカ:千歳♪


 凪:天界宇宙3大メガバンクの一角、浄土銀行の暁千歳あかつきちとせ総裁か。


 千歳:今は天雷電力グループの社長の個人口座の凍結のために令状の申請中♪


 エリカ:相変わらず悪党にはエグい事するわね。


 凪:む?皇帝ゼニリオは国庫に1ヘブンスも入れてないのであろう?そうなれば国が潰れるのではないか?そうなると天界宇宙国際法に従えばその国土は全てフィローネのものになるな。


 エリカ:あ!そうか。


 アオイ:天界宇宙国際法によると、破産などで国が滅亡すると、その国土は国家ランク大国以下の近隣国家に分配されるのですが、ゼニリオ帝国の場合。その周囲の国はフィローネさんの国以外全て超大国クラスなので自動的にゼニリオ帝国全土がフィローネさんの国に譲渡されるのです。


 リディア:あらあら、一気に巨大国家に昇格ね♪


 エリカ:ただ国が大きくなれば良いってもんじゃないですよ。そろそろフィローネにもちゃんとした閣僚なかまがいないと管理が大変よ。


 凪:その辺は任せてくれ。ちゃんとアテはある♪


 フィローネ:凪兄ありがとう♪


 ルナ:私の方もいつでも作れるよう準備しますね♪


 フィローネ:お願いします♪




















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