第17話凪とミルフィー

 アオイ:ミルフィーちゃんに何かを感じた凪さん。どうも気になって仕方ないようですね。


 天界時間10:00 冠武帝国 宮殿


 宰相:・・・・と、これがローラント王国周辺の現状にございます。


 凪:・・・・・


 宰相:陛下?


 凪:む?ああ、ゼニリオ帝国の一件を引き金に我が身可愛さに民を無視して己の利益しか考えぬ愚かな取り巻きの神王供が慌て始めているようだな。


 宰相:如何なされました?


 凪:フィローネの娘の事を考えていた。


 宰相:あの姫君にございますか?


 凪:うむ、我にも気取られる事なく動くあの身のこなし。只の赤ん坊ではない。


 ※只の赤ちゃんです。


 凪:しかもあの雄叫びは並々ならぬ気迫を感じた。


 ※ただのオッパイの催促です。


 凪:聞けばあの歳でスクワットをしているそうだ。


 ※掴まり立ちが失敗してるだけです。


 宰相:お父上はさぞ名のある武人なのでしょうなぁ。


 凪:お前もそう思うか。


 ※父親はエネルギー精製プラントの職員です。


 おもむろに立ち上がる凪


 凪:ローラント王国へ行くぞ!兵達の午後の修練は将軍に任せる。


 宰相:はっ、早速手配致します。


『3時間後ローラント王国』


 フィローネ:な、凪兄⁉︎


 凪:ミルフィーは何処だ?


 フィローネ:ミルフィーなら今お昼寝してるよ。


 凪:寝室だな?


 フィローネ:そうだけど、あの子寝てる時は神経質になるから行かない方が良いよ。私と神門さん以外が近付くと大泣きするから。


 凪:問題ない、気配を消して近付くまで。我の気配を察知出来ようものなら・・・『本物』だ。


 フィローネ:本物?ねえ凪兄、本物ってどういう・・・ってもう居ない。


『ミルフィーユ寝室』


 ミルフィー:・・・・・ぷすぅ。


 神門:姫様の寝顔・・・可愛いです♡


 ミルフィー:・・・・・!


 神門:姫様?


『ミルフィー寝室より1キロ地点』


 ミルフィー:ほんぎゃーーーーーー‼︎


 凪:バカな!この位置から我の気配を察知しただと⁉︎


 メイド:あ〜、やっぱり闘練皇帝陛下でも駄目でしたか〜。姫様って女王陛下と神門様以外の方が半径1キロ圏内に入るとこうして大泣きするんですよね〜。姫様寝起き悪いですから。


『再び寝室』


 ミルフィー:ほんぎゃー!ほんぎゃー!


 神門:はいは〜い、姫様〜。神門はここにちゃんと居りますよ〜♪


 ミルフィー:・・・・・・すぅ。


『謁見の間』


 フィローネ:あ、凪兄。どうだった?


 凪:我は・・・・・まだ未熟!・・・・帰る!


 フィローネ:え?あ、うん。


 宰相と通話する凪


 凪:我だ。『修練の聖域』の鍵を用意せよ!


 宰相:如何なされました?


 凪:我が本気で気配を消しても気取られた。


 宰相:なんですと⁉︎・・・承知致しました。


 通話を切る


 凪:(次こそは必ず気取られず近付いてみせる)






















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