第4話国際神聖サミット

 アオイ:天界には魔界宇宙同様に神王様が集まるサミットがあります。魔界宇宙では国家ランクに関係なく参加出来ますが、天界宇宙は大国以下のランクは参加出来ません。その点でも天界宇宙は大きく遅れている事がわかりますね。でも、今年から大国以下の国も参加できそうですよ♪


『天界時間13:00 王都ユーリア 科学特区建設予定地』


 エリカ:え!天界こっちの国際サミットって国家ランク制限があるの⁉︎


 フィローネ:うん、大国以下は参加出来ないの。


 エリカ:魔界こっちじゃ新興国でも気軽に参加出来るのに。


 フィローネ:行ったら行ったで超大国クラスの国から小馬鹿にされるからね〜。


 エリカ:天界ってそういうトコ器がちっちゃいよね〜・・・あ!14天界王様とフィローネは別だよ!


 フィローネ:まぁ、否定はしないよ。でもね、今年からウチみたいな新興国も参加出来るんだよ♪


 エリカ:ホント⁉︎


 フィローネ:実際に魔界宇宙を自身の目で見て来た14天界王様達が大きく遅れた天界宇宙の改革が必要と最初に着手したのが国際神聖サミットの国家ランク制限制度の廃止なんだよ〜♪


 エリカ:でも何で今頃?もっと早くやっていれば良かったのに。


 フィローネ:反魔党元代表の袋井耀蔵ふくろいようぞうが『穢らわしい魔界の真似など誇り高く高貴な天族が出来ない!』って反発してたから。


 エリカ:こんなところでもアイツの名前が出てくるか〜。


 フィローネ:でも袋井一派が4界宇宙大法廷で一掃されたのを機に穏健派が一気に改革断行を進めたってわけ。


 エリカ:その第一歩がサミットの国家ランク制限の廃止ね。


 エリカの側に寄る奇子


 エリカ:ん?


 宙に浮いて耳元に息を吹きかける奇子


 奇子:ふぅ〜♡


 エリカ:うっひゃあ!


 ハイタッチする奇子と総裁秘書


 奇子&秘書:ヒャッホーイ♪


 2人に猛ダッシュで追いかけるエリカ、逃げる2人


 エリカ:待てコラーーーーー!


 ギリウス:ハッハッハ、賑やかですな♪


 フィローネ:バンクフルト大統領♪


 ギリウス:浅倉総裁から融資申請書に目を通しましたが、なかなか素晴らしい内容です。大抵の神王は名目だけで自身の懐に着服するのが多い中で申請書の内容通りにしている。


 フィローネ:融資だけでなく災害義援金も貰っているので1ヘブンドも無駄には出来ませんから。


 ギリウス:他の神王様に聞かせたいですな、そのお言葉♪ローラント殿も神聖サミットに?


 フィローネ:はい、サミットの場で提案したい事がいっぱいあるので。


 ギリウス:そうですか。


 フィローネ:3人共〜!バンクフルト大統領も来たし、遊んででないで科学省新庁舎の打ち合わせするよ〜!


 エリカ:遊んでない!


 秘書:もぉ〜、総裁の・・・


 奇子:い・け・ず♡


 2人にゲンコツ喰らわすエリカ


 2人:し〜ましぇ〜ん。


『建設予定地仮設テント』


 フィローネ:現在の割り当てた資金で出来るのはこんな感じです。


 ギリウス:ふむ、次元工学研究施設がメインとなってるようですな。


 フィローネ:次元工学は空間インフラの面で活躍しますからね。それに水道と業務・家庭用エネルギー供給の面でも大いに活躍します。


 ギリウス:確かに、空間インフラが確立出来ればその分物流もスムーズに行き届き復興も格段に進む。素晴らしい♪


 フィローネ:ありがとうございます♪


 ギリウス:都市計画の提案といい、資金運用の提案といい、資格か何かお持ちで?


 フィローネ:神王の資格を取る前は、中央政府の方で都市開発事業部に所属してました。


 ギリウス:成る程、経験が生かされてるというわけですな♪


 エリカ:ちょっと待って。


 フィローネ:ん?何か不備があった?


 エリカ:ううん、フィローネの計画書は完璧よ。ただ・・・ここ。


 新庁舎設計図の一画を指すエリカ


 エリカ:これ・・・・何?


 エリカの指す所に『秘密のお部屋♡』と書かれた一画


 フィローネ:秘密の・・・お部屋?


 奇子:・・・・・・・・


 総裁秘書にアイコンタクトをする奇子


 秘書:国家機密クラスの研究プロジェクトに使う部屋ですよ。


 エリカ:それならそうと書きゃいいじゃない。ま・さ・か、イタズラの仕込み部屋じゃないでしょうね〜?


 奇子&秘書:・・・・・・・・・・・ナンノコトデショウ?


 エリカ:・・・・これ却下。


 奇子&秘書:そんな殺生な〜!


 ギリウス:イタズラ仕込み部屋は兎も角、国家機密プロジェクトの研究施設は必要ですな。


 フィローネ:そうですね。


 エリカのデバイスに着信が入る


 エリカ:失礼します・・・・はい、私です。


 テントを出るエリカ


 秘書:バンクフルト大統領、この一角に『ある施設』を建てたいのですが、これは総裁にも機密事項なものでして。


 ギリウス:・・・・・ふむ、これなら予算から捻出できそうだな。


 秘書:ありがとうございます。


 エリカ:お待たせしました・・・あれ?2人は?


 フィローネ:大まか打ち合わせは済んだから予定地を視察してくるって。


 エリカ:ふ〜ん。


 一方・・・


 秘書:総裁も甘いですよね、あの秘密の部屋がフェイクとも知らずに♪


 奇子:・・・・承認した?


 秘書:抜かりなく『真イタズラ研究所開発計画』は順調です♪


 奇子&秘書:ムッフフフ♪






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る