愚者のあだ名を冠した不良少年
「皆村ッ!!」
学校内で大きい怒声が響く。
何やら職員室での事だ。
これが並みの児童ならここで怯えすくむか涙ぐむのだが、
怒鳴られているのが何やら並みのヤツでは無さそうだ。
もういい加減、再来年には中学に上がろうかという
年齢であるこの児童は自分が何で怒鳴られているのかを
あまり自覚しておらず、あたかも
「はいはい、又ですか?」とか「だから何なんだ?」とでも
言いたげな態度に終始しているみたいだ。
その姿勢に対し、他の児童からはあまり人気が無さそうな外見の
如何にも気の短そうな教諭は、益々額に青筋を立てる。
「お前は何で、ここに居るのかまだ自覚しておらん様だな皆村ッ!?」
その苗字を言われる度に、この少年は半ば不快そうな表情を浮かべる。
どうやらこの苗字がとてもお気に召さないらしい。
とても話をまともに聞く姿勢では無い。
散々、振り回された挙句この場は有耶無耶のお開きにされた。
そして下校。自宅(といっても里親の家だが)に着くと
「良人。」
「何だ?」
家人の呼びかけに対し、その名を呼ぶなとでも言いたげな
不快な表情で応じた。
「お前、学校で何やらかしたんだ?菊池先生がカンカンだったぞ?」
「ちっ。あのお稲荷さんめが?」
菊池先生の事が大嫌いな良人は
「まあいい。今日はお前が期待していたニュースが来たぞ?」
「あん?」
その里親が言うニュースとは、この良人にとって実父であった
尾場勘吉が裁判所に皆村良人の
改名手続きの届出を申請し受理されたという。
しかも、中学に上がってからその名前を使用していいというモノだ。
「へえ。やっとかい?」
良人は安堵した。
「但し、認知しお前とは一緒には暮さないとの事だ。」
ああ、そうかよ。おバカは内心舌打ちした。
まあいい。名前だけでも名乗る事は認めてくれたんだ。
これだけでも今は好しとするか?
こうしてこの皆村良人は裁判所での手続きにより
中学へ進学する新年度を以って尾場寛一と名を改めるのが
認められたのであった。
ちなみに彼が何でこの皆村姓を嫌うのは
母親の加奈子の意向もあるが、この苗字の漢字が
"皆して過疎の村に引きこもる"というのを
連想させるというのが最大の理由だ。
その加奈子が既に在日韓国籍の若い男性による
強姦殺人で故人になっているのは、良人改め寛一が
この里親で暮しているのを見ても判るというものだ。
そして彼にとって最後の拠り所となってる実父の勘吉なのだが
勘吉が良人を容易に認知しなかったのは、彼を生んだとき
自身がもう既に老齢域であるのに加え、異母兄たちとの関係を鑑み
自身の暮している屋敷に下手に置いておくと異母兄たちからの
虐待の恐れを懸念していたからであった。ただ当の彼も
人の子でそんなの判る訳も無く、自分を生んで置きながら
市井に雨ざらしにし虐待しているとグレて
街の人々に対し手がつけられない程、暴れ捲っていたからである。
最初は典型的な頑迷固陋な老人の勘吉ではあったが、
自分が彼に強いている待遇が原因で、彼がグレて
街のみんなに大迷惑をかけていると里親から聞かされ
彼にとって母親が在日に殺されて当面の精神的、経済的支柱が崩壊し
それが原因で素行が益々、悪化するのを知るにつけ
これを機に勘吉としては彼が渇望していたとおり
自身と同じ尾場の姓を名乗るのを容認する代わりに
中学に上がってからは素行を改める様にという交換条件を
提示し最終的に成人したら一家のひとりに加えてやる事によって
これ以上の街の人たちとの関係悪化を防ごうという考えだ。
それが効を奏したのか良人は、まるで人が変わったかのように
態度が一変し、学校の成績もまるで人工衛星を
打ち上げたロケットの様な速さで急激に上がった。
だが、口さがない裳の過去に彼と対立した者たちは
彼の新しい苗字の尾場姓をもじって"おバカ"というあだ名で
これ見よがしに呼んだ。だが、彼はそんなのに意を介さなかった。
むしろ彼としては皆村という姓から改められれば何でも良かったのだ。
だが、時の運はそんな彼の事情など知った事じゃないとばかりに
次々と11歳の彼を人生ハードモードに突き落とした。
それというのも勘吉が異母兄の中でも四番目の兄の
還暦を祝う日に他の兄弟や親戚たちと深酒して眠りこけていた所、
今度は日本に密入国し在日中国人や韓国・朝鮮人の手引きで
家宅侵入した中国人と韓国・朝鮮人グループによって
勘吉はじめ他の一族郎党全員がある者は刺殺されある者は絞殺され
女性たちは強姦された上で殺され、金目のモノは軒並み奪われた上で
放火され屋敷が全焼となったのだ。
こうして、母の皆村加奈子に次いで実父も失った良人は
その元凶であった在日も含む中国人や韓国人や朝鮮人を憎み
それらに対し弱腰な日本の社会を呪い、
日本のみんなの不幸を渇望せんがために
日本国内に蔓延る彼らの悪行を野放しにする欧米の
反日家など身勝手な大人に対する反感を大いに抱いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます