第7話 お年玉


「そんなところに突っ立てないで、入ったらどうだ」

1週間ほど前に怒鳴りつけて追い出した弟子だ。

ま、気まずいのかもしれない。

年賀として用意してあったお年玉をとりだすと、玄関の外に立っている弟子に渡してやった。

「正月休みが終わったらまたこい」

ちょっと目線を外して振り向くと、弟子はもういなかった。

「ふうん」


その翌々日、例の弟子の両親が訪ねてきた。

「一昨日はありがとうございました。急逝した私達の息子の為にお香典をいただきまして…」

「うん?亡くなったんですか?」

「えっ!?ええ、お香典を仏前に。

何時来られたのか誰も存じ上げなくて…」



<了>







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