第4話 人口維持省
人口が増加から、減少に転じたと言われてからの、わずか20年で3分の2、30年で半分までになったその国では、出生率を上げるために新しい省が作られた。
人口維持省。
とにかく、人口をこれ以上減らせない、あらゆる手を使って人口を増やす、それだけに重点をおいた省である。
子供の数に応じた給付金の支給、子供の医療費免除、子供の教育費、子供の…。
政策が功を奏して、順調に人口が増えてきたが、子供の数が増えるのにともなって、食料の消費量も上昇してきた。
人口維持省は、子供に対して行っていた政策を打ち切ると、今度は食料の自給率を上げる政策を打ち出した。
もともと、食料の自給率が低いその国では、思うように増やせない輸入にたよるよりも、第一次産業に力を入れることにした。
これにより、食糧危機もなんとか回避した。
子供も成長する。
彼らは、今での生活に足りないものを求めるようになる。
インフラの整備、趣味や娯楽、都会的な生活。
人口が増加から減少に転じた…。
<了>
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