第14話 貴金属店「メタリオ」

豪華なアクセサリーと腕時計が並ぶお店。

2階の入り口付近にあるこのお店。

思わずうっとり眺めてしまうこと請け合いである。


入り口から入り、最初に客が見る商品は純白の輝きを放つ宝石。

ダイヤモンドだ。

ネックレス、イヤリング、ヘアバンド、ピアス。

どんな形のアクセサリーにつけられても美しさは変わらない。


「やっぱり綺麗。

 うっとりしちゃう。」


「結婚のプロポーズにダイヤの指輪買ったよ。

 すげー高かったけどな。」


「私は真珠のネックレスをプレゼントしてもらったわ。」


ショーケースには真珠のネックレスも飾られている。

ベージュ色に輝くその輝きは見るものを圧倒する。

保証書付きなので安心だ。


その奥にはブランドウォッチが並べられている。

ダイヤ入りだったりプラチナや金が入った高級なもの、

歩数計、心拍数計測機能の付いた多機能なもの、

かわいいキャラクターがプリントされた子ども用の時計。

様々な時計が置いてある。


高級な腕時計はその人の資産を表したものとしてデートなどで相手の心を引かせるものとして身に着けている人も多い。

高級ブランドの腕時計をしていればその話題で会話も弾むだろう。

お金持ちの贅沢と取るか、重要なコミュニケーションツールと取るか、それは客次第である。


「最近人間界で時計を持ち歩く人って少なくなってきたわよね。

 私たちにとっては必要だけど。」


「魔界では携帯電話の普及がまだ発展途上なところも多いしな。

 電池さえあれば使える時計がないといろいろ困る。」


この店では有料で電池の交換・修理もしてもらえる。

もし時計が動かなくなったときはここで修理を頼もう。


また、古くなったアクセサリーを新しくアレンジするサービスもやっている。

普通の丸いリングの指輪を複雑で綺麗なデザインの指輪に変えることもできる。


他にもブルーの色が綺麗なサファイア、赤色の輝きが眩しいルビー、綺麗な輝きながらも心が和む緑色のエメラルドも置いてある。


「私自分でジュエリーのついたアクセサリー買ったことないのよね。」


「俺も。

 綺麗なのは確かだけど、高いし汚すのも嫌だからずっと家に置いてるぜ。」


不要になった貴金属を買い取りますなんていううたい文句も出るほどであるから、手に余らせている家庭も多いだろう。

しかし、思い出の品を売れずにずっと取っておく人も多い。


明るいライトに照らされ、透明なショーケースに飾られた宝石たちはキラキラとその輝きを通行人に見せつけてアピールする。

いつか自分たちを使ってくれるご主人を求めて。







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