第11話 紅茶ショップ「アカシア」
コーヒーと並んで世界中で人気なのは紅茶である。
紅茶には三大銘茶と呼ばれるものがある。
中国の「キーモン」、スリランカ・セイロン島の「ウバ」、そしてインドの「ダージリン」である。
日本ではインドのアッサムも有名だ。
紅茶には様々な品種があるが、大きく分けてミルクティー向きか、ストレートティー向き・もしくはフルーツティー向きかの二種類に分かれる。
ウバ、アッサムはミルクティー向けである。
ダージリンはストレートティー向き。
ニルギリやキーモンのようにどちらでも飲めるものもある。
コーヒーと同様に紅茶にもブレンドが存在する。
後、コーヒーと比べて日本では茶葉に香りを付けたフレーバーティーも人気だ。
有名なものでいうとアールグレイ。
紅茶に詳しくない方でもこの名前を聞いたことあるという人は多いだろう。
最近は香りづけされたフレーバーティーしか買わないという人も増えている。
そのため、毎年各紅茶メーカーは競って新しいフレーバーを開発している。
アップルティー、ローズティー、ピーチティー等は若い女性に特に人気が高い。
ではここで一般的な紅茶の淹れ方を説明しよう。
茶こしに茶葉を入れてポットにお湯を注いで数分待つだけ。
茶葉の量と正確な時間はだいたい商品の袋に書いてあるので確認してほしい。
なにも入れずに飲んだり、砂糖を入れて飲んだりするのがストレートティー。
茶葉本来の味を楽しむ飲み方だ。
ここにミルクを入れたものがミルクティー。
牛乳は低脂肪牛乳等の加工乳よりも成分無調整牛乳がよい。
もっと欲を言えば低温殺菌された牛乳がよい。
加工乳と成分無調整牛乳で味が全然違うので、できれば成分無調整牛乳を使ってほしい。
そしてレモンを入れたのがレモンティーとなる。
ただしレモンは漬けた後必ず取り出すこと。
ずっと漬けていると渋みが出てしまうためである。
どうしても漬けたレモンを使いたいとおっしゃる方はカップの淵に添えればいいアクセントになる。
最近ではタピオカを入れたタピオカミルクティー、フルーツをふんだんに入れたフルーツティーも人気だ。
夏場は煮だした紅茶を氷で冷やしたアイスティーも人気である。
また、水と茶葉を容器に入れて冷蔵庫で一晩おいて作った水だし紅茶もある。
こちらは煮だしたものと比べて苦みや渋みが抑えられてすっきりとした味となる。
しかし、アニーマートのオーナーであるアニーは紅茶の風味がよく出る煮だしたものを勧めている。
こちらのウエルカムサービスはいわずもがな。
紙コップ一杯に入れてくれる紅茶。
夏場はアイスティー、冬場はホットを無料で提供している。
アニーカードをもって長蛇の列に並ぶ価値はあるのでお越しの方は是非飲んでほしい。
こちらも喫茶サービスをしており、自慢の紅茶と共にカクヨムフーズが提供しているスイーツが楽しめる。
今まで紹介したストレートティー、ミルクティー、レモンティーももちろん選べる。
ここの紅茶は注文するとおしゃれなポットごと登場する。
ポットサービスと呼ばれるこのサービス。
コーヒーを頼んでポットごと出てくることはほとんどないが、紅茶の場合はカップだけではなくポットごと出てくることがあることを覚えておこう。
飲み物の癖にやけに高いなと思ったらそれはひょっとするとポットサービスかもしれない。
綺麗なティーカップ、ポット、そしてお皿。
思わず全部お持ち帰りたくなるが、それは心の中だけにしていただきたい。
だいたいティーカップ三杯~四杯で空になる。
そこでアニーからおすすめの飲み方を紹介しよう。
一杯目はミルク、砂糖、レモン等はなにもいれない。
茶葉のほのかな香り、そしてあるがままの味を楽しむのだ。
二杯目以降は嗅覚が疲れて匂いが感じにくくなってくるのでここで存分に香りを楽しもう。
二杯目からはミルクやレモン、砂糖を足してみる。
一杯目よりも渋みが出ているので味を足すことによってそれを抑えることができる。
三杯目・四杯目も二杯目と同様に。
さらに渋みが出るので二杯目よりも大げさに味を足してみるのも悪くない。
自宅でお茶を淹れる時、目盛りのあるポットもあれば便利であるが一番欲しいのはティースプーンだ。
計量器で測ると受け皿もいるし時間もかかるしでいいことなしである。
茶葉と一緒に忘れないように購入しよう。
「自分で紅茶を入れるようになってから市販の加糖された紅茶がかなり甘ったるく感じるようになったわ。」
「あれ?
アニー。
君どこの国出身だったっけ?」
二人の会話はともかく。
紅茶好きの方はこんな夢のような紅茶を一度は飲みたいと思ったことがあるだろう。
そう、フルーツが透明なティーポットにぎっしりつまった贅沢なフルーツティーだ。
飲んでしまえば普通のフルーツの味がするお茶なのだが、カットされて浸されたフルーツが本当に綺麗である。
気になる方は是非当店へ足を運んでほしい。
最後に紹介したいのが紅茶と軽食のセットアフタヌーンティーである。
イギリス発祥のこのティーセットは紅茶と共にティースタンドが運ばれてくる。
スタンドの皿にはサンドイッチ、ケーキ、クッキーなどがぎっしり乗せられている。
紅茶以外の食べ物はすべてカクヨムフーズが作ったものである。
風味豊かな紅茶と共に頬張っていただきたい。
食べ方には順序があるらしいが、無頓着なアニーはそんなものはお構いなしで食べている。
が、もしアフタヌーンティーが食べられる機会があれば一度作法を調べてみたほうがいいかもしれない。
周りの人に白い目で見られないように。
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