第10話 コーヒーショップ「まどか」
世界各国で愛されている飲料であるコーヒー。
オーナーであるアニーはかなりのコーヒー好きである。
とっいってもそれは味だけではなく、日々の忙しい業務からくる眠気と戦うためのものでもあるが。
コーヒーの味の決め手は酸味、苦みだ。
酸味の強いコーヒーは同じく酸味の強いフルーツと相性がよく、
また、クッキーなどの焼き菓子と合わせてもよい。
苦みの強いコーヒーは味が強いアンコやクリームを使ったお菓子と相性がいい。
またコーヒー豆には味とは別にそれぞれに独特な香りがあり、それが購入者の決め手になることもある。
ここでのウエルカムサービスはもちろんコーヒーなのだが。
驚くべきはその量。
紙コップ一杯に並々入っている。
その時期によくとれるおいしいコーヒーが試飲できるので、アニーカードをもって試飲の列に並んでみよう。
「単一(ストレート)のものは高いから私は家でブレンドを飲んでいるわ。」
「俺も。」
単一の種類のコーヒーを購入する場合、いい値段がついていることがよくある。
さらにストレートで飲むととても癖のある一般的に手が出にくい種類のものもある。
その場合、他の種類のコーヒー豆と混ぜ合わせて味や香り、そして一番大事な価格を安定させる。
これをブレンドコーヒーと呼ぶ。
ブラックコーヒー向きのコーヒーもあれば、ミルクや砂糖を入れて飲んだほうがいいコーヒーもある。
自分の用途に合った飲み方を探してみよう。
まどかではコーヒー豆だけではなく、コーヒーを淹れるためのアイテムも売っている。
まずはペーパードリップ。
紙のフィルターにコーヒーの粉を入れてお湯を注ぎ、ドリッパーにコーヒー液を淹れる方法。
一番ポピュラーな方法で、一般的なコーヒーメーカーはこの方法を自動化したものである。
お湯を注ぐだけなので誰でも簡単に、いい香りの漂うコーヒーを楽しむことができる。
次にコーヒーサイフォン。
水の蒸気圧を利用してコーヒーを抽出する器具。
アルコールランプと器具のセットは見た目がとてもユニークなので、観賞用としてコーヒーショップでよく飾られている。
そして最近出てきたコーヒーメーカー。
お湯を沸かす装置とコーヒーを抽出する装置が一緒になった機械。
先ほど出てきたペーパードリップが元になっており、お湯を沸かす手間すら楽できる便利な機械である。
さらにコーヒー豆を挽いて粉にするミル機能もついているものある。
まさにいたせりつくせりだ。
ハンディーミル。
先ほど出てきたコーヒーを挽く機能の元となった機械。
手で回して挽いてコーヒーの粉を作る。
コーヒーメーカーなんて便利なものがなかった時代はこの機械でコーヒーを挽いていた。
コーヒーは挽き方によって大きく分けて粗挽き、中挽き、細挽きの三種類ある。
コーヒーの粒が細くなるほど酸味が抑えられ、苦みが強くなる。
一般的な市販のコーヒーは中挽きである。
……なのだが、アニーはいつも中挽きでコーヒーを頼んでいるのでよくわからない。
違いの分からない女である。
最後にエスプレッソマシン。
通常のコーヒーのドリップはコーヒーにお湯を注いで抽出するだけである。
しかし、お湯を入れながらコーヒーの粉にギュッと圧力をかけて入れたものである。
結果、ギュッと押された分コーヒー豆から成分が抽出されるのでコクが深くなる。
……らしい。
たまに試しに飲んでいるが違いがよくわからない。
このショップではカフェコーナーもあり、お店の豆でドリップしたコーヒーが楽しめる。
カフェで試しに飲んでみて、気に入ればその種類のコーヒーを買っていく客も多い。
アニーも同じ買い方をしている。
このコーヒーショップとカクヨムフーズは一部のメニュー提携している。
例えば、コーヒーと一緒に出されるフルーツやクッキーなどの焼き菓子がそうだ。
最近はカフェインを抜いて抽出するデカフェサービスもやっている。
筆者はカフェインが入ったほうがいいのだがご時世だろうか。
眠気の冷めないコーヒーはコーヒーといえるのだろうか。
「カフェインに耐性がなくて酔っ払う人もいるらしいからな。」
と同じく常連客の副店長、陸。
「へー。
そんな人いるのね。
かわいそうに。」
アニーはそんなことをいっているが、人によって体質は違う。
自分に合った飲み方を選択しよう。
ここでカフェでよく迷うコーヒーと牛乳を組み合わせた飲み物について説明しよう。
カフェラテ、カプチーノ、カフェモカ、カフェオレである。
よく出てくるメニューだが、皆さんはこの違いを答えられるだろうか。
カフェオレは普通のドリップコーヒーに牛乳を加えたもの。
さて、後のコーヒーは普通のコーヒードリップではない。
そう、使用しているのは先ほど説明したエスプレッソ式コーヒーなのだ。
カフェオレ同様普通にミルクを加えたものがカフェラテ。
ミルクを泡立てたものを入れたものがカプチーノ。
カフェモカはカフェラテにチョコレートソースを入れたものだ。
ややこしい。
本当にややこしい。
さらにバリエーションがあり、コーヒーにクリームを入れたウィンナーコーヒー。
カプチーノよりも少量の泡立てたミルクを入れたものがマキアート……。
なんてものもある。
ちなみにアニーは温めたミルクをかき混ぜて泡立てる専用のミキサーを持っていたが、いちいち泡立てるのが面倒で最初の数回ほどしか使っていない。
こういう凝ったことはお店で楽しむのが一番である。
また、お湯を注ぐのではなく、コーヒーの粉を水につけて時間をかけてじっくりコーヒー液を抽出するダッチコーヒーもあったりする。
お湯で抽出する物とは違い、酸味や苦みが少なくすっきりした味わいとなる。
「んー、でも私はお湯のほうがいいわね。」
アニーはコーヒーの苦みや酸味が好きなのでお湯だしのほうが好きであるが、そこは人それぞれ。
皆さんは是非自分の体に合ったコーヒーの楽しみ方をしてほしい。
くれぐれも飲みすぎて夜眠れなくならないよう注意しよう。
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