第5話 調査員も夢中 ゲームコーナー「ウラシマ」
今日はアニーマーケット内にあるゲームコーナーを紹介しよう。
この店内のゲームは魔法のメダル。ゲームメダルで遊ぶことができる。
お金を両替機に入れてゲームメダルと交換する。
ゲームメダルはゲームコーナーを出ると魔法の効力が切れて消えてしまうので店を出るまでに使い切るしかない。
返金もできないので必要な分だけ少しづつ買うことをおすすめする。
そのためお手洗いはゲームコーナー内にあるので必要であればそちらを利用しよう。
まず店内で最初に目にするのはお菓子やぬいぐるみの入ったクレーンゲーム。
子ども時代に狙った景品が取れず
「お母さん。
コイン頂戴。」
と親にねだり叱られた経験のある大人はたくさんいるだろう。
他にも太鼓をリズムよく叩くゲーム。
ボタンをタイミングよく押して絵柄をそろえるスロットゲーム。
出る数字を予測してメダルを掛けて的中すればメダルが出てくるルーレットゲーム。
平たい球を飛ばし合うエアーホッケー。
音を出しながらゆらゆら動く子ども向けの乗り物。
出題される問題に答えて腕前を競うクイズゲーム。
他にも多種多様なゲームが用意されている。
楽しいゲームをやっていると時間がたつことを忘れてしまう。
しかし魔法の空間、バーチャルスペースにはもっとすごいものがあるので早速魔法のドアを開けて入ってみよう。
リアルスペースにあるゲームも楽しいが、それ以上に人気があるのがバーチャルスペースに置いてあるゲームだ。
大人向けゲームで一番人気は「バーチャルファイト」。
専用のグローブを嵌めてゲームをプレイすると、ダメージを受けた部分に電気が走り筋肉がぴくっと反応する仕組みになっている。
例えば腹にダメージを受ければ腹筋が。肩にダメージを受ければ肩がブルっと動く。
よく振動するゲームのコントローラーがあるが、あんな感じのブルブルである。
敗北すると全身に振動が走る不快感が襲ってくる。
痛みはないので女性にも人気だ。
「この前本部から来た調査員がバーチャルファイトに夢中になっていたわね。」
「もっと偉い人に思い切り怒鳴られていたな。」
「あなたもこの前パトロール中に一時間もやってたじゃないの。」
店の不正調査で来る調査員がこぞって夢中になるので、この店を調査することが決まった調査員はウキウキになるとか。
困ったものである。
二番目に人気なのはダンスダンスフィーバー。
ダンスゲームでよくある足元にあるパネルを踏んで楽しむものではなく、
全身を使って画面に映る人物のポーズに合わせて踊るゲームだ。
長時間やると汗をかいて疲れてしまうデメリットがあるが、リピーターがおおいゲームである。
「あれ楽しいけど結構へとへとになるわ。
運動不足に最適よね。」
「あれダイエットに効くのか疑問だけどな。」
一方子ども向けゲームの一番人気は「ブレイバーオブソード」。
おもちゃの剣を振り回し、画面に出てくる敵を攻撃して倒したり、剣を構えて敵の攻撃を防御したり跳ね返したりする。
バーチャルファイトと同じように剣で攻撃を弾いたときに剣が震えたり、
体にダメージを受ければその体の部分がビクっと動く。
ラスボスとして悪い大魔王が登場するがその声はアニーマーケットの常連客であるあの魔王様である。
まがまがしい形をした剣を振るって攻撃してくるが、一番よけにくい攻撃は雷魔法だ。
画面いっぱいに黒い雷撃を放つ。
よけにくい上に剣で防御してもダメージを受けてしまう。
雷撃を受けたときには全身がブルブル震える。
「クソ。」といいつつ剣を構えなおして次の攻撃に備える子どもたちをよく見かける。
そして苦戦の末魔王を切り倒せば王女と結婚するエンディングが流れる。
このゲームに夢中になった子どもたちは大人になった後気づくのである。
このゲームの悪役に自ら声を当てた魔王の懐の深さに。
このゲームはステージが終わるごとにデータのセーブができる機能がついている。
セーブ機能のあるゲームはゲーム終了前にアニーカードを機械に差し込めば、
その時点でのセーブが行われ、次に遊ぶとき続きから遊ぶことができる。セーブデータはアニーマーケット本部の機械に保存されている。
最後にメダルがもし余った時におすすめのゲームを紹介しよう。
タイトルは「ガチャガチャファンタジー」。
なんと人間界とも連動しているアーケードゲームだ。
魔術通信でつながったプレイヤーがランダムに振り分けられて、3vs3のチームに分かれる。
ゲームのルールは単純で相手のスタート地点付近を制圧するか、すべての相手を倒せば勝利である。
最初は一つのキャラクターでしか遊ぶことができないが、メダルを入れてガチャを回すことにより追加のキャラクターを手に入れることができ、そのキャラクターも対戦で使えるようになる。攻撃したり時間が経過すると画面端の必殺技ゲージが溜まっていき、満タンになれば必殺技ボタンを押すと強力な必殺技を放つことができる。
もともと客の余ったメダルを使わせるために開発されたゲームだが、ガチャのレアキャラクター目当てにこのゲームにメダルをつぎ込む客も続出した。
ゲームコーナーは使いすぎを防ぐために、一人当たりのメダルの購入数に上限を設けることにした。
ゲームは非常に楽しいがお金と時間はもっと大事である。そのことをくれぐれもわすれないでほしい。
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