SS 乳の日

「氷華。今日がもう終わってしまいますが……なんと、今日は乳の日らしいのです!」


「ち、乳の日!? 何それ !?

 は、も、もしかして、お胸を大きくしてって願えば大きくしてもらえるの!?」


「いえ、そういう効能はありません」


「……じゃあ、どういう日なの?」


「ネット上で大きなお胸を強調した画像が沢山流れる日みたいです。見てください」


「な、何、これ……こんなのが世に沢山出回るの!?」


「これを見て男の人達はウハウハ言うのです」


「さ、最低……!」


「思井くんも今頃は――」


「お、思井くんはそんなことしないもん!」


「分かりませんよ? 思井くんも男の子……なんですから」


「うぅ、お、思井くんはポロリだって興味ないって言ってたもん!」


「意識しているのですか? 可愛いです!」


「べ、別にしてないよ。お、お胸も大きくしてもらえないなら乳の日なんてなくていい。……と言うか、そんなこと言うためだけにきたならもういい?」


「ど、どこへ行くのですか?」


「牛乳……飲みに行くの!」


「……とても意識しているのです! そんな氷華がとても可愛いのです!」



「ゴクゴク……ゴクゴク……」


(思井くんは……思井くんは大丈夫ですよね?

 ち、乳の日なんて大嫌いです……!)


「あ、もう日付が変わってる……!」


(ち、乳の日なんてもう当分こなくていいです! 来年にはなくなっていればいいのです!)



「昨日は乳の日だったからいっぱい画像が回ってて……去年までの僕なら喜んでいたけど、今は高嶺さんっていう彼女がいるから極力見ないようにしたんだ!」


(……オタクの僕にとってはとても辛い一日だった。素晴らしい絵がいっぱいいっぱいで……でも、ひとつだけ文句を言うなら――)


「乳の日……じゃなくて、父の日だから!」


(全人類はそれを忘れたらダメですよ!)

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