第146話 二度目の告白―高嶺さんside―

(うぅ……告白って、される方も恥ずかしいけど……する方がもっと恥ずかしいんですね。思井くんのことを見れません!

 私は思井くんに告白された時を思い出した。嬉しくてドキドキした……生まれて初めての好きな人からの告白。あの時は凄く恥ずかしかった。だけど、する方がもっと恥ずかしいんだと初めて知った。

 頭を下げて手を伸ばしている私を思井くんは呼んだ。私は緊張しながら、思井くんを真っ直ぐ見つめた。

 すると、思井くんは言ってくれた。私のことが好きです。だから、悲しませたくありません。でも、悲しませるかもしれません。それでも、私の彼氏になっていいんですかと。


 そんなの答えはとっくに決まっている。

 だから、私はもちろんですと答えた。これで、彼氏彼女になれた。だけど、ちゃんとした言葉で欲しかった私は『付き合ってください』と言おうと思った。

 しかし、それは思井くんによって遮られた。そして、思井くんは私がしてほしかったことをしてくれた。


『好きです、高嶺さん。僕と付き合ってください』

 そう言って、頭を下げて手を伸ばしてくれた思井くん。私は嬉しくて、笑顔で応えた。はい、私は思井くんの彼女だと。

 そして、私は思井くんの胸に飛び込んだ。

 か、彼女になれたんですし……こ、これくらいならしても、いいですよね?

 私はずっとしたかった自分から思井くんに正面から抱きつくということを実行した。そ、それに、さっきはもの足りなかったですし……。

 声が震えて、驚いている思井くん。そんな思井くんを私は抱きしめた。


 あぁ、思井くんとようやくイチャイチャ出来ます。死ぬほど恥ずかしいですけど……!

 私は思井くんにずっとこうしたかったと伝えた。珠ちゃん相手に嫉妬していた情けない私だけど堂々とこうしたかったのだと。それに、こうしたら私の気持ちがいっぱい伝えられると。

 思井くんのドキドキが聞こえてきた。それが、嬉しかった。ちゃんと、こうして思井くんがドキドキしてくれていることを確認出来た。私もドキドキしていることが知られるのは恥ずかしかったけど……思井くんと同じ気持ちでいられることが嬉しかった。


 思井くんは私の気持ちがいっぱい伝わってるよと言い、ありがとうと言ってくれた。

 頑張って良かった……!

 私が嬉しくて笑うとちょうど花火が夜空に咲いた。まるで、私達を祝福してくれているかのように次々と咲く花火に感激した。


 そんな花火を見ながら思井くんはポツリと綺麗だねと漏らした。私は何故だか、今すぐにまた思井くんに好きと言いたくなった。だから、思井くんの腕をツンツンと指の先でつついた。

 こっちを向いてくれる思井くん。

 そんな思井くんに私は好きだと口にした。

 だけど、ちょうどその時、大きな花火の音が鳴り響いた。きっと、思井くんには聞こえなかったはず。でも、それでもいいと思った。これからは、言いたい時に好きだと言える。我慢しないでいい。そんな、関係になれたのだ。


 私は満足だった。このために色々と考えたことは多分無駄だったかもしれない。でも、思井くんに告白してもらって恋人になれた。それだけで、十分だった。

 私、今……とっても幸せ者です!

 夜空に消えていく花火を見ながら強く思った)

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