第137話 勝負の結果ですから―高嶺さんside―
(私が実行する作戦は他人には絶対に聞かれたくない言葉。だから、思井くんに少ししゃがんでもらい、耳を傾けてもらった。そして、周りには聞こえないように……でも、思井くんにはちゃんと聞こえるようにはっきりと言った。『浴衣の下には本当に下着をつけないのか確認させて』……でも、いいと。
も、もちろん、本当に見せてあげるつもりはありません。あくまでも例えです。そーいうことはもっと大人になってからじゃないと……。で、でも、思井くんがどーしてもというのなら――。
思井くんは私の言葉を聞いて、盛大に咳き込んで目をパチパチとしていた。やっぱり、大胆過ぎたかな……?
と、とにかく、私は、私が出来る限りで思井くんが喜んでくれることを言ってほしいんです!
でも、思井くんは今は思い付かないらしく、今度でもいいかと言ってきた。
私は思井くんに幸せなのかを訊くと、私と一緒にお祭りに来てるから幸せと答えてくれた。
私は浄化されていく気がした。
思井くんは繊細な心で私と一緒にいることを楽しんでくれている。なのに、私はずっと思井くんの彼女になりたいとばかり考えていて……なんだか、申し訳なかった。
私も思井くんと一緒にいられることが嬉しくて、一緒にいると楽しい気持ちになる。それは、例え友達であっても彼女であっても違わない。そう考えると急いで思井くんの彼女になる必要はないのかもしれない。
だから、私は思井くんが困った時に何でも手伝えるように、助けられるようにしておこうと思った。でも、きっと思井くんは小さな望みしか言わないんだろうな……と、予測出来てしまう。
まぁ、それが、思井くんの良いところでもあるんですけどね……)
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