第131話 決意

(私は部屋着に着替えて、水着を洗濯機へ入れると牛乳を一杯飲み干した。そして、ようやく冷静になってものを考えることが出来た。

 足早に別れたせいで今日のお礼を言えてなかったことに気づいた私は早速、思井くんにメッセージを送ろうとした。ラインメッセを開き、そこに表示される思井くんの名前。

 ……ダメだ、顔がどうしても綻んでしまう。

 メッセージを送らないといけないないの五分ほど思井くんの名前を見つめてしまった。


 内容をあれこれ考え、ようやく、メッセージを送れるようになり、今日のお礼と楽しかったことを内容にして送信した。

 すると、すぐに返事が返ってきた。思井くんも楽しかったこととお礼が書かれていた。

 普通ならこれで終わり。だけど、終わらせたくなかった私はお祭りに誘ってくれたことが嬉しかったことと楽しみだと送った。

 さっき、言葉でも言ったけど私は思井くんから誘ってくれたことが本当に嬉しかったのだ。思井くんも楽しみだと返してくれたし……早く、日曜日になってほしいと思った。


 そして、私は恥ずかしいけど思井くんにお、お胸を気持ち良かったと言われたことのお礼も言った。もしかしたら、思井くんは私が気持ち悪いと思ってると考えてるかもしれなかったからだ。だけど、そんなこと微塵も思っていない。だって、好きな人に気持ち良かったと言ってもらえたのだ。それが、何よりも嬉しい。

 何故、そうなったかは分からないけど私が思井くんを励ますような形になってしまった。けれど、思井くんは感謝を述べてきた。

 私の方がもっともっと感謝しないといけないのに……。


 思井くんとのやり取りはとても楽しい。幸せな時間。これからも、もっと続けたい。

 そう思った私はこれからもメッセージを送ってもいいかと送信した。すると、いつでも暇だから送ってきてと……それどころか、思井くんの方からも送っていい? と返ってきた。

 思井くんの方からメッセージをくれるなんて万々歳。今、やり取りをしているのに既に送られてくることが楽しみになった。

 私は期待を込めて、花のキャラクターがとても楽しみにしているスタンプを送ってやり取りを終わった。


 そして、しばらく経って、私は日に日に思井くんのことが好きになってきていると自覚した。

 今までも好きだった。だけど、今はそれ以上に好き。早く、会いたい。早く、彼女にしてほしい……。

 今日の成果がどうだったかは分からない。

 思井くんをドキドキさせることが出来たのかな? ちゃんと、意識してもらえたかな?

 考えが頭を巡った。そして、私は決意した。お祭りの日こそ、思井くんが告白してくれるように立ち回ろうと。


 私が好きなのは事実。なら、私から告白すればいい。思井くんだって、教室で言ってくれたように私を好きでいてくれているはず。だから、きっとこの恋は実る。

 だけど、私は心のどこかで期待しているのだ。思井くんからもう一度好きだと言ってもらうことを。


 私は早く思井くんの彼女になりたい。だけど、思井くんはゆっくりと友達からいきたいと思ってる。けど、ゆっくりってどれだけ待てばいいんですか?

 明確な答えが分からない。そもそも、私はいつ告白されても答えは決まってる。だからこそ、お祭りの日は頑張る。頑張って、告白してもらえるように……彼女になれるように。私はもう一度、強く決意した)

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