第119話 水着選び

(……やっぱり、可愛い水着がない。

 家にあったのは、去年と全くサイズが変わっていない私が着れる学校指定のスク水だけだった。プールや海に行くことなんてなかったから仕方ないのだけど……。


 どうしよう……。流石に、思井くんにスク水姿なんて見せたくない……。思井くんには可愛い水着姿を見てほしい……。そして、私を意識してほしい。ドキドキしてほしい。


 私は翌日に水着を買いに行くことを決めた。そしたら、何故だかお姉ちゃんも絶対についていくと言ってならなかった。



 翌日、私とお姉ちゃんは近くの服屋さんへと足を運んだ。そこは、女性物が多く、お姉ちゃんは絶対にここだと言って私の意見を聞いてくれなかった。でも、中にはちょうど水着シーズンだったこともあり、沢山の可愛い水着が並べられていた。


 う~ん、どれがいいんだろう……?

 私は沢山の水着を前にして頭を悩ませていた。

 頑張ってビキニタイプ……?

 でも、谷間もないのに胸元を強調するっていうのもなんだか嫌だし……。と、考えているとお姉ちゃんがフリルタイプの水着を持ってきてくれた。そして、私にはこれしかない、と言ってならなかった。

 私もその水着が可愛いと思ったから試しに試着してみた。すると、思っていた以上に可愛くて気に入った。お姉ちゃんに似合ってるか訊ねるとお姉ちゃんは鼻血を出して倒れた。


『氷華の水着姿……氷華の水着姿がぁぁぁ……』


 なんて、呟いて似合ってるかどうかは答えてくれなかった。けど、親指が立ってあったからきっと似合ってたんだと思う。


 私が会計のレジに並ぶとお姉ちゃんは急いでパーカーを持ってきた。そして、水に浸かる時以外は必ずこれを着るようにと強く言われた。私は意味が分からなかったけど、お姉ちゃんの形相が少し怖くてパーカーも一緒に購入した。


 家に帰って私は明日のための準備を進めた。もう一度、プール施設について情報を集めて頭に叩き込んだ。そして、したいことを妄想した。流れるプールで揺られながら楽しくおしゃべりしたり、温水プールで少し大胆に肩を触れ合わせたりしたい……と。

 そして、したいこと……ではなく、必ずすることも確認した。それは、思井くんと写真を撮ることとラインメッセの交換をすること。この二つは必ず実行する。そう強く決意して私はベッドに潜った。

 明日は久しぶりに思井くんに会える……!

 しかし、明日が楽しみ過ぎて私はなかなか寝つけることが出来なかった)

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