第101話 屋台
「うわぁ……屋台がいっぱいあるんですね」
「花火まではまだ時間があるし、見て回る?」
「そうしましょう」
(神社へと続く階段までの長い道のりには多種多様の屋台が並んである。これも、町内の人が沢山来る理由のひとつなんだろうな)
「どこから見るか決めた?」
「悩み中です……」
(うむむむむ……って、悩んでる高嶺さん……可愛いです。でも、高嶺さんが悩んじゃうのも分かる。焼きそば屋さん、たい焼き屋さん、焼きとうもろこし屋さん、かき氷屋さん、金魚すくい、輪なげ、射的……これでも、まだ全部じゃないとか……本当に色々ありすぎるよ!)
「順番に見ていこっか」
「はい!」
(高嶺さんとは何か意味があるような話をしてる訳じゃないけど、どーでもいいような話が高嶺さんとならこんなにも楽しくなるなんて……祭り、最高ぉぉぉ!)
「あ、思井くん。金魚すくいやってもいいですか?」
「いいよ。高嶺さん、得意なの?」
「分かりません。少し、衝動にかられてしまいまして……」
「そっか。じゃあ、僕もやろうかな」
「無理に私に付き合う必要ないですよ? その、高校生にもなってまで金魚すくいだなんて……恥ずかしくないですか?」
「ううん、全然。僕も久しぶりにやりたくなったからさ」
「そ、そうですか。で、では、私とどっちが多くすくえるか勝負しませんか?」
「いいよ~。でも、高嶺さん。負けても残念がらないでね」
「随分と自信があるんですね。では、こうしましょう。負けた方は勝った方の言うことを何かひとつ聞く……どうです?」
「面白そうだね」
「絶対に負けませんよ!」
(う~ん、メラメラと燃えてる高嶺さんには悪いけど……多分、僕が勝っちゃうんだよね。だって、高嶺さん……クレーンゲーム下手くそなんだもん!
何をお願いしようかな?)
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