第97話【閑話】プールどうだった?
「お帰り~、お兄ちゃ~ん! プール、どうだった?」
「珠……ただいま」
「あれ? なんか、元気ない……?」
「そう思うなら力強く抱きしめてないで離して……」
「お兄ちゃん、久しぶりのプールではしゃぎすぎちゃったの? それとも、久しぶりに高嶺お姉さんと会えてテンション上がっちゃったの?」
「色々とあったの」
「色々じゃ分からないよ~!」
「とりあえず、家に入れて。ゆっくり話してあげるからさ」
(洗濯機の中に水着を入れて――)
「お兄ちゃ~ん、スマホ鳴ってるよーー!」
「今、行くーー!」
「誰々?」
「高嶺さん……」
「やっと、お兄ちゃん高嶺お姉さんと連絡出来るんだ。良かったね~。それで、なんて送られてきたの?」
(見るの怖いな……。さっきの発言が気持ち悪くて友達やめましょう……とか、だったらどうしよう……。僕、泣いちゃうよ!
でも、高嶺さんからなんて送られてきたか気にもなるし――)
【きょ、今日はありがとうございました! とても、楽しかったです!】
「お兄ちゃんの顔が一瞬で幸せに満たされたっ!?」
【ぼ、僕もだよ! スゴく、楽しかった! ありがとう!】
【夏祭りのお誘いもとても嬉しかったです。今から楽しみです!】
【うん! 僕も今から楽しみで仕方ないよ!】
【……それに、思井くんが私のお、お胸をき、気持ち良かったって言ってくれたのも……その、う、嬉しかったです。ぜ、全然気持ち悪いとか思っていないので……もし、落ち込んでいたらげ、元気を出してくださいね……!】
(……っ、高嶺さん……!)
「お兄ちゃんがいきなり泣き出した!? い、いったい、何を話してるの? 気になるよ!」
【ありがとう、高嶺さん……】
(高嶺さん……やっぱり、優しいな。さっき別れたばっかりなのに、もう会いたくなってる……)
【……思井くん。また、こうやってメッセージ送ってもいいですか?】
【う、うん。もちろんだよ。ずっと、暇だからいつでも送ってきて。
と言うか、僕からも送っていいかな?】
【は、はい。楽しみにしていますね!】
(高嶺さんから送られてきた花のマスコットキャラクターが目を輝かせて期待しているスタンプ……これって、高嶺さんが期待してるって思っていいよね!?
高嶺さんとずっと会えなかったけど……こうやって、繋がってる。いつでも、会話出来るんだ!
もっと、早く交換しておけば良かったよぉぉぉ!)
「もぉ~お兄ちゃん、何を話して――」
「よし、珠。今から、どうやって遊んできたか話すからちゃんと聞いててね」
「急に!? さっきから、色々とお兄ちゃん変わりすぎだよ。怖いよ!」
「先ずは、駅で待ち合わせしてたんだけどね――」
「聞いてないし!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます