第92話 ぽ、ポロリするかも……?

「思井くん。流れるプールも堪能しましたし、そろそろ外の方にも行ってみませんか?」


「そうだね。行ってみようか」


(高嶺さんとラインメッセを交換した後は、またそれぞれ一回更衣室まで戻って物をロッカーに入れて、流れるプールを遊んだけど……楽しかった。ゆっくりと流れるのに身を任せながら、高嶺さんの旅行の思い出とかを聞いてたんだ。

 高嶺さんのおかげで一人でも少しは泳げるようになったし……まぁ、普通、こーいうのは泳げないヒロインを主人公が教えるって流れだけど、逆のパターンもありだよね!

 ありにしないと、僕が辛いもん!)



「うわぁ……外もいっぱいいっぱいだね」


「そうですね。皆さん、飛び込んだり、滑ったり――」


「どうしたの、高嶺さん。急に固まっちゃって……」


「あの、思井くんは怖い系は苦手ですか?」


「う~ん、怖い系か……。飛び込みじゃなかったら、多分大丈夫だと思うよ」


「そ、そうですか。その、良かったらなんですけど……い、一緒にウォータースライダーしませんか!?」


「うぉ、ウォータースライダー!?」


「はい。どうやら、結構人気らしくて、思井くんと滑ってみたいです!」


(た、確かに、人が結構並んでて人気そうだけど……)


「で、でも、一緒に滑るとなるとかなり密着しそうな気がするよ……?」


「だ、だからで――い、いえ、なんでもありません! わ、私は気にしないので思井くんも気にしないで大丈夫ですよ」


(高嶺さんが気にしなくても僕の理性が持つか分からないんですよ! 色々と密着となると……あそこやらあそこやらどことやらが……)


「そ、それにさ、うぉ、ウォータースライダーだと……その、ね?」


「なんですか?」


「いや、その……け、結構、ぽ、ポロリする人もいる、んじゃないかと……」


「~~~っ、そ、それこそ、思井くんが一番気にする必要がないです……。だって、私は……」


(た、確かに、高嶺さんがポロリする可能性は極めて低いよ。でも、万が一の可能性もあるかもしれない訳で……。で、でも、高嶺さんの口からポロリするほど大きくありませんって言わせるのは絶対にダメな気がするし……。あぁぁ、もう、どうにでもなれ!)


「た、高嶺さん。ウォータースライダー滑ろっか!」


「は、はい!」

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