第43話 担任はロリ巨乳
「あの、佐藤先生……話ってなんですか?」
「ああ、思井くん。ごめんなさいね、帰るところだったのに。来てくれて、ありがとうございます」
(
「ん、思井くんどうしました? 私の顔に何かついてます?」
「……っ、いえ……」
(……佐藤先生は人気がある。凄い人だということと、年齢に反する美しいというよりも可愛いという幼顔。声も可愛く、身長も小さい。まるで、ロリッ娘か! と、思えるような……。
しかし、何よりも……何よりも男子生徒を惹き付けるのがそのロリッ娘体型に似合わず巨乳だということ……! 自分で気づいているのか分からないが、二つの凶器が男子生徒を毎日釘付けにさせている……。
僕だって……い、いや、僕には高嶺さんという彼女がいるんだ! 惑わされない……惑わされ、ない……ぞ!)
「は、思井くん。まさか――」
(ヤバい……気づかれた? 流石に、先生の胸をまじまじと見ていた……なんて、バレたら停学どころではない。それに、高嶺さんを傷つけてしまう!)
「――ここに、呼ばれた理由が分かっているんですね!」
「……い、いいえ」
(あ、良かった。やっぱり、この人は凄い人じゃないんだ)
「そうですか。じゃあ、話しますけど。思井くん、今回のテストの出来、自分ではどう思ってますか?」
「う~ん、まぁ、いつも通りかなと思ってます。赤点ギリギリ回避ライン……かと」
「そうですね。自分で分かっているならいいでしょう。実際に、思井くんは今回も全て赤点ギリギリで回避しています。授業最終日、風邪で休んだのによくやったと褒めるべきでしょう」
「え、先生。さっきのテスト結果、もうでたんですか!?」
「いいえ、まだですけど。でも、パッと見ればある程度分かりますよ?」
(や、やっぱり、凄い人、なのか!?)
「それで、思井くんはどうして赤点を回避できたと思います?」
「そ、それは、高嶺さんが休んでた僕にプリントを届けてくれたからだと思います」
「そう。まさに、その通りです。実際、高嶺さんが思井くんにプリントを渡してくれなければ思井くんは幾つか赤点でしたよ」
「そ、そんな……」
「だから、ちゃんと高嶺さんにお礼を言ってください。いつでもいいので。お礼を言う――その行為事態が重要ですからね」
「は、はい!」
「うん、ちゃんと分かってくれたなら良かったです。にしても、先生驚きました。あの高嶺さんが必死になって、思井くんにプリントを届けたいから住所を教えてくださいと言ってきたんですよ。本来なら、生徒の住所を教えるのはいけないんですけどね。高嶺さんだから、特別に教えてあげたんです。不味かったですか?」
「いえ、どうせ僕の家に来る人なんていませんから大丈夫です」
「まぁ、高嶺さんですし、誰かに言いふらすようなことはしないと思いますけど……一応、頭には入れておいてくださいね。
それより、思井くんは高嶺さんと仲が良かったんですか? 全然、そういう風には見えなかったですけど……」
「えっ!? えぇっと、ですね……まぁ、その、色々と――?」
「はぁ……。ま、いつも一人でいる二人だから少し心配していたんですけど、それなら、良かったです。先生は、安心しました。それじゃ、また月曜日に」
「はい、さようなら」
「あ、そうだ。思井くん。あまり、先生のむ、胸をじろじろと見るのはやめましょうね」
「……っ!?」
「せ、先生だって、自覚してるんです。い、いつも、胸にばかり視線が集まって嫌では、恥ずかしいんですから……。せ、先生はもう慣れちゃいましたから、別に良いですけど……ほ、他の先生も色眼鏡で見ていたらセクハラだって言われますからね! き、気をつけてください!」
「は、はい、ごめんなさいぃぃぃ――!」
(バレてたバレてたバレてたぁぁぁ――!)
「あ、思井くん。走ってはダメですよ」
(早く……早く、消えたい……! 職員室のドアを開けて――)
「……っ、高嶺さん?」
「あ、お、思井くん。お話、終りました?」
「う、うん……」
「? どうかしたんですか? 顔、真っ赤ですけど……」
「えっ!? あ、え~、た、高嶺さんに早く会いたくて急いでたから……暑くなっちゃって……」
「……っ、そ、そうなんですか……」
「た、高嶺さんの方こそどうしてここに……? 笠井さんと外まで行ったんじゃ――」
「わ、私だって……その、思井くんに早く……というのは、嘘でして……その、何かあったのか心配になって……笠井さんには断って来ちゃいました……」
「と、とりあえず帰ろっか……」
「はい……」
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