第42話 テスト

「チャイムが鳴ったな……よし、そこまでだ。一番後ろの生徒は答案用紙を集めて持ってきてくれ」


(ハァハァ……お、終わった……ようやく、期末テスト全教科が終了した……。一週間、地獄のような日々だったけど……僕は解放されたんだ!)


「はぁ、やっと終わったね~思井くん」


「お疲れ様、笠井さん。ホント、ようやく終わってくれたよ」


「今回も私はギリギリそうだよ~たはー……。思井くんは?」


「う~ん、僕もギリギリそうかなぁ。まぁ、いつも通りいつも通りな気がするよ」


「だよね~。あ、高嶺さん」


「笠井さん、答案用紙……上に乗せてください」


「うん。はい。回収、ありがとう」


「いえ、席順なので」


「……はぁ~、高嶺さん、今日もクールだなぁ。テストだっていうのに、あのクールさを保つなんて……どういう精神してるんだろ? ね、思井くん」


「えっ!? う、うん、そう、だね」


「それにさ~、この学校ってどこか可笑しいよね。だって、テストだってのに今の席順のままで受けるんだもん。普通、テストっていったら出席番号順だよね」


「確かに、そこは可笑しいよね」


「まぁ、出席番号順だと、私一番前になっちゃうから良いんだけどさ。だって、なんか目の前に先生がいる状況でテスト受けるって苦痛じゃない?」


(めっっっちゃ分かるぅぅぅ――!)


「うんうん、分かるよ。僕も、去年席替えで一回一番前の席になっちゃったんだけど、授業中もテスト中もどこか居心地が悪くて苦しかったよ!

 ……は、まさか、僕の成績が悪いのはそのせい……?」


「いや、それは、単純に思井くんが勉強してないからだよ」


「だ、だよね……」


「アハハハハ。それにしても、思井くん。だいぶ、敬語で話さないことに慣れてきたんじゃない? これも、私が育てたおかげだね」


「う、う~ん?」


「え、そこ悩むところ? 毎日、私と話してる内に慣れてきたんじゃないの?」


「まぁ、それもそうだけど……」


(でも、やっぱり一番は高嶺さんのためかな……。高嶺さんとテスト期間中だからそんなに一緒にはいられなかったけど、やっぱり、毎日話してることが大きいと思う。だから、僕は――)


「ま、心の底では私に感謝してるよね!?」


「そういうことにしといてください」


「あれーーー!?」



「は~い、皆さん。一週間テストお疲れ様でした。次は月曜日のテスト返却で会いましょう。くれぐれも、サボらないでくださいね。それで、追試かどうか分かるんですから。サボられると先生、泣いちゃいますよ!」


(先生は何を言ってるんだろう……? そりゃ、サボった生徒に一々連絡するのはめんどくさそうだと思うけど……泣くほどなの!?)


「それじゃ、さようなら」


(よし、終わった……僕はこれから、高嶺さんをで、デートに――)


「ねーねー、高嶺さ~ん。一緒に外まで行こっ」


(ゲッ……笠井さん。何も今日じゃなくてもいいじゃない。笠井さんがいると誘いづらいじゃない……。

 ……っ、高嶺さんと目が合って――)


「いいですよ、笠井さん。行きましょう」


「うん!」


(『また、待ってますね』……って、言われてる気がした……。

 ヤバい……デートに誘うと考えたら今からドキドキが――)


「あ、思井くんは職員室に来てください。少し、お話があります」


「……えっ!?」


(僕なにかしましたっけ!?)


「高嶺さんどうしたの~? なんか、すごい焦ったように先生の方見てるけど……って、聞いてる?」

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