第22話 日直
「うっ……」
(教室のドアを開けた瞬間、注目が……! 高嶺さんと一緒にいるから仕方ないけど……。
一瞬、教室にざわめきが走ったけど、すぐに『ああ、たまたま一緒に会ったから、美少女のためにデブボッチが教室のドアを開けたのか』って感じで、無視された。まぁ、僕たちの関係なんて誰も知らないし……無視してください……!)
「そ、それじゃ、思井くん……また、昼休みに……」
「……えっ?」
(パタパタ~って感じで自分の席まで行っちゃったけど、もしかして、今『お昼一緒に食べましょう』って、誘われたのか!? そう思っちゃってもいいですか!?
と、とりあえず、デブがドアで突っ立ってるのも邪魔で悪いし席にいこう……。
……っ、席にいくまでにチラッとだけ……高嶺さんの黒髪に隠れてよくは見えないけど耳まで真っ赤だった……やっぱり、誘われたって思っちゃっていいですか!?)
「ねーねー、思井くん!」
「……っ!」
「アハハ、なにビクッと驚いてるの?」
(なんだなんだ……急に、声をかけられたからビックリしたけど……)
「な、なんの用ですか?
(僕の隣の席にいる
まぁ、隣の席だから知ってるだけだけど……。で、でも、そんな笠井さんが僕にいったいどんな用が……!?)
「今日、私と思井くん日直だから。一日、よろしくね。一緒に頑張ろう!」
(わ、忘れてた……。この学校は高校生にもなって、席が隣の人と日直とかいうくだらない制度を使っているんだった……!
そして、デブボッチの僕が男子から人気がある笠井さんと日直だということで視線が……痛い!)
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