第19話 通知

「はぁ~、いい湯だった~」


「あ、お兄ちゃん! さっきの話の続きだけど……は、まぁ、今日のところは見逃してあげる」


「お、おう……まだ、覚えてたのか……」


(僕なんてお風呂で汗や諸々を流している間に家に帰ってからの記憶も流してたよ……)


「はい、スマホ。さっきから、随分と通知がきてたよ。どうせアプリ関連のやつだと思うけど」


「ああ、そうなんだ。ありがとう。……因みに、見てないよな?」


「見てないよ! って言うか、お兄ちゃん、まだその待ち受け画面変えてないの? もし、誰かにそんなの見られたらお兄ちゃんもっと気持ち悪がられるよ?」


「見てんじゃねーか!」


は見てないよ!」


(どう意味が違うんだ……?

 って、どこからだろう? 確かに、結構な件数が貯まってるし、複数のアプリお知らせが重なったのかな……)


「あ……」


(マジか……こんなに早くくるなんて……高嶺さんの――水華さんからだ)


「何々ー? どこからなのー?」


「うん、ちょっとね。知り合いのお姉さんから――」


「知り合いのお姉さん!? なんで、そんなお兄ちゃんとは無縁のような人から連絡がきたの!?」


(まぁ、そうなるよね……――。

 実は、高嶺さんの部屋に戻る前、突然、水華さんからラインメッセを交換しようって言われたんだよな……。何やら、今後も高嶺さんについて語りたいとかで……。

 ま、まぁ、僕のラインメッセ登録件数なんて? 公式を除けば、零件だったし? う、嬉しいとか全然思ってないけど、その話に乗らせてもらったんだよね!

 それで、要件は――)


「何々? なんて、書いてあるの? 気になるのに見えないよ! お兄ちゃん、座って!」


「はいはい、分かったから。ぴょんぴょんウサギみたいに跳ねるんじゃない。疲れるだろ?

 っこいしょ」


「ええっと、お兄ちゃんの初ラインメッセ相手は――っ!? な、だ、誰なの!? この美しきお二人様は!?」


「う~ん、その、知り合いとそのお姉さん……」


「う、嘘だ……こ、こんな、三次元には到底存在しないようなお二人様がお兄ちゃんの知り合いだなんて……ウソダァァァァ――パタン……」


(なんか、喚いてから倒れたけどうるさいからしばらく放っておこう……。

 それより、要件要件――)


【こんばんは、思井くん。氷華の姉――水華です。いきなり、連絡を送るのは少し、図々しいような気がしましたが、今日は遊びにきてくれてありがとう】


(……あれ、お姉さん……ラインメッセだと、ちょっとキャラ違くないですか……? ギャップ萌えかよぉぉぉ――!)

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