第7話 入学式

 今日はユキの入学式だ。


 普通科の高等部とは違い、専門科目に特化した学校。


 だからといって入学式は何が違うでもなかった。ただ同じような服を着た大勢の15歳男女――ごく一部、どうしてもやり直したいという大人なども居たが――総勢数百人の有能な魔術者候補たちが雁首を揃えて椅子に座り、学長のくだらないお説教を長々と聞くだけの入学式。


――我が校の在学生として相応しい行動を――

――我が校の在学生として恥じることのないよう――


 そんなことを言われるのは、どこの学校に入学しても同じことだろう。学長先生のありがたいお話が聞けると思っていたユキが、これからの学生生活にいささか不安を覚えたのも事実である。


 入学式が終わって、教室へとぞろぞろ移動する。この学校のカリキュラムはある程度の必修授業を除いては選択制なので、各自の机の上にはシラバスが置いてあった。


 選択科目が決まったら届け出に来て、今日は終わりだと担任教師は言う。


 どの講義を受けようか――ユキは迷いに迷ったが、科学に関係している講義を片っ端から受けることにした。同志は、残念ながら居なかった。だが、ユキはその状況を受け入れるどころか、喜んでいた。優秀な先生がつきっきりで科学関連の講義をしてくれる、と。


 それ以外の、魔術関連や一般教養の講義はどうでもいいとすら思っていた。


 高等魔術専門学校に入学したにも関わらず、シラバスを見たユキはと思い始めていたのだ。

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