#2 カルナヴァルの神殿で、兄ラムセスに呪いを掛ける!

12……アケトアテン神殿へ

*1*


 ちらり。僅かな隙間から外を窺って見ると人々がたくさんの野菜を作っている黒土地帯が見える。鍵のような形をしていて、たくさんの礼拝堂

キヨスク

がある。


(人々はオベリスクを崇め、神殿を敬い生きている。マアトの裁きの影響で、敢えて悪人になろうとはしない)


「それなりに秩序のある世界と言えるのかしら」


 呟いた瞬間、商品の鳥の翅がティティインカの鼻に飛んできた。


(だめ、くしゃみはだめ、絶対だめ、でも、鼻がむずむず)


「……くしゅん!」


 ティティを乗せていた手車がぴたりと止まった。「にゃ~」と猫の真似をしたが、すぐに手がティティが被っていた布を引き剥がしにやって来た。手車に膝を丸めて隠れていたティティは、見つかるなり言い訳を始めたが、開き直った。


 神殿に上がるための正装のイザークが肩を落としている。


「う、うふふ……いいでしょ! だって神殿に行くならわたしも行きたいの!」

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