第2話 な
楽しい学校生活を送る為に!
まずは となり の席に座る君からー・・・・・。
「僕ここに引っ越してきてまだ一週間なんだけど、近くにおすすめの場所とかある?
早川さんはいつも放課後とか何してるの?」
一時間目の授業が終わると、僕は早速となりの席に座る早川さんに声をかけた。
さっき女子達からは話しかけるな!的な忠告を受けたけど、そんなの無視!
突然話しかけられた事に驚いたのか?早川さんはビクっと身体を震わせると、ゆっくりこちらを向いた。
「放課後は・・・・・いつも敬太の家に居るから・・・・」
敬太?家?彼氏かな?
「へぇ~そうなんだ!敬太君っていうのは彼氏ー・・・・・」
と、敬太について聞こうとした所で、再び先程の女子たちが僕の腕を掴むと強制的に廊下へと連れて行く。
一体なんなんだ、これは。
ずっと僕の行動を監視してるのか素早い行動だ。
それとも早川さんの事を目の敵にして、早川さんに関わる人間全てにこういう事をして孤立させたのか・・・・?
廊下へ出て扉を閉めると、女子たちは怖い顔をして僕に詰め寄ってきた。
「なんでさっき忠告したのに、早速喋りかけてんの?!」
「止めとけって言ったじゃん!」
「あんな根暗で友達居ない奴なんかに、声かけることないじゃん!!」
「何?別に喋ったっていいじゃん。となり同士なんだし。
それに友達か彼氏が居るっぽいよ?今その話を聞こうと思ってー・・・・」
「居ない!!!居る訳がない!!!!」
「見栄張って嘘ついてるに決まってるじゃん!!!!」
「なんでそんなのに騙されるの?!」
「アイツが男と居る所なんて見たことないし!!!」
先程聞いた敬太の存在を彼女達に説明してみたが、聞く耳を持たないみたいだ。
なんでそこまで全否定するのか?わけがわからない。
「折角隣同士になったんだし、少し位会話したっていいじゃない。
僕は今日転校してきたばかりだし。
とりあえずクラスの子全員と軽くでもいいから喋ってみたいんだ」
僕が誰と会話しようが関わろうが僕の自由!
って事をやんわり主張したかったんだけど、彼女たちは僕の言葉を聞いた途端
「そんな事して早川なんかと関わったら、クラスのライングループに入れて貰えないよ?
仲間はずれにされるんだから」
怪訝な顔をしながら、そんな言葉を投げかけられた。
クラスのグループラインねぇ・・・・。
それに入れない・入らないと何に支障があるのか。
教室へ戻り自分の席に着く。
となりの早川さんを横目でちらっとみると、下を向きスマホをいじっていた。
悪いとは思いつつ、スマホを覗き込むと
やっぱり私は嫌われてるみたい。
さっきから真夏が転校生を廊下に呼び出しては、私の悪い噂を吹き込んでいるの。
折角さっき話しかけてきてくれたのに。
やっと会話してくれる人が出来たと思ったのにな。
先程の廊下での出来事を誰かに話しているみたいだ。
相手はさっき話していた敬太君かな?
メールしている内容から察するに・・・・やっぱりさっきの会話は早川さんの耳に届いていたみたいだ。
今日出会ったばかりなのに、もう傷つけてしまった。
この学校では楽しくすごしたいって強く誓っていたはずなのに。
俺はこのまま、また見ないフリをして過ごすのか・・・・・・?
・・・・・嫌だ!!!またあの時みたいになるのは絶対に嫌だっ!!!!
「あのさ!早川さん!さっきの話の続きなんだけどー・・・・・・」
勇気を振り絞り早川さんに声をかけた。
突然隣から声をかけられた事に驚いたのか?早川さんは身体をビクっと震わせる。
「さっき話していた敬太君って彼氏?いつから付き合ってるの?
僕まだ彼女とか居たことがないから、どうやってら彼女が出来るのか?参考にしたくてさ~」
「えっとあの・・・・敬太とは家が隣同士で幼馴染で・・・・」
「幼馴染?いいな~。僕にも幼馴染が居たんだけど、ずっと会えてなくてー・・・」
共通の会話があったからか?少し早川さんが微笑んでくれたような気がした。
距離が縮まった!チャンスだ!
このまま会話を盛り上げたら仲良くなれるかも!
この調子だ!!!と意気込んでいると、
「え?!丸山君彼女いないって本当?!
めっちゃカッコイイのに、なんでずっと居ないの?
自分の意思で作らなかったとか?!」
先程から僕を廊下へと連行していく女子の1人が近寄ってきた。
女子が近寄ってきた途端、早川さんはまた下を向き俯く。
「いや~、自分の意思っていうか・・・出来なかったっていうか・・・・」
「まじ?!なんで?!丸山君が前通っていた学校って男子校だったんだっけ?」
「いや共学だけど・・・・」
「共学なのになんで彼女が出来なかったの?!真夏的には丸山君とか超タイプなんだけどぉ~・・・・」
・・・・・この子がさっき早川さんがメールで嘆いていた、彼女を仲間はずれにする主犯の 真夏 さんか。
17年間彼女が出来なかったとはいえ、簡単に同じクラスメイトを仲間はずれにするような子にタイプと言われても嬉しくはない。
「そうなんだ。でも僕は今彼女をすぐに作ろうとか、そんな気分じゃないから・・・・」
「えー・・・・・ショック。もしかして丸山君ってホモとかゲイとかそんな感じ?」
真夏はガックリと肩を落とすと自分の席へ戻っていった。
やっと邪魔者が消えた。
何故こういう発想にしかならないのか。
自分が嫌われてるかも?!とは思わない辺り、視野は狭そうだ。
真夏が消えても早川さんは相変わらず、下を向いたまま。
折角会話が盛り上がってきた所だったのに、真夏のせいで台無しにされた。
どうしたら早川さんと距離を縮められるんだろ・・・・?
なんで僕は、こんなに早川さんの事だけが気になってるんだっけ。
となり の席だから?
それとも・・・・・。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます