3侵 解放
警告音が鳴り響いている。散発的に振動も感じる。進化途中の状態を表示しているモニターには、75%と表示されている。進化が終わるまでは、実験場にも探索にも行けないんだったか。
『警告、警告。攻撃行動を確認しました。力炉維持のため、進化が中断されました。』
進化が止まってしまったか。私が何かしたのだろうか。私に出来る事はあるか?
『ホーム損傷2%です。力炉の予備を製造する事で、進化を継続できます。製造しますか?』
ホームが壊れるのは嫌だな。製造できるならしてくれ。
『製造開始……不足分の回収を並行します。第5区画……成功。原子炉Cの製造完了後、速やかに交換いたします。併せて原子炉Cとのパスを構築します。ホームと原子炉Aのパスを維持します。』
不足が発生したか。探索もしていかないといけないな。
『主砲、副砲ともに進化の影響を受けています。旋回および振動吸収に問題があります。ご注意下さい。』
とりあえず出てみよう。
『探索と同プロセスで射出します。射出と同時に衝撃を受ける場合があります。』
モニターが切り替わり、
『ホーム損傷4%です。原子炉Cの製造および交換が完了しました。進化を継続しますか?』
損傷が増えている、か。止められるか?
『ホーム損傷7%です。第1、第4、第5区画より攻撃を確認しました。資源および廃材の回収を行います。』
主砲が動き、緑色の部分が茶色になった。中心部が黒い穴のようになっている。暗いからだろうか。
『第1、第4区画の沈黙を確認。第5区画に強固な壁を確認。92式連装砲では効果が見込めません。開発を行ってください。』
あらら。壁とは何だろう。まぁ、いいか。ホームの揺れも止まったみたいだ。開発へ移ろう。
『製造工場へようこそ。実験場レポートがあります。表示しますか?』
さっきのレポートか。見せてくれ。
―――――――――――――――――
実験場残存資源レポート。
第1区画1000→300 資源総量が減少しています。計画的に開発を行って下さい。
第2区画0 資源が枯渇しています。
第3区画2000→2100 資源総量が減少しています。計画的に開発を行って下さい。
第4区画2000→400 資源総量が減少しています。計画的に開発を行って下さい。
第5区画10000→9000 ※強固な壁があります。武器を新調して下さい。
第6区画2500→2800
以上です。このレポートは報告後、破棄されます。
―――――――――――――――――
ふむ、全体的に少なくなってしまったな。
『今後の資源確保について、候補を表示しますか?』
ああ、表示してくれ。
『
残存資源の改良実験―――――――増加率125% 探索歴が1年追加されます
第1、3、4区画の全回収――――増加率0% 以降の定期的な資源が難しくなります』
探索歴? 今は0年なのか。1年追加されると、何が変わるんだ?
『探索歴が経過すると、増えた資源を回収できます。約40年で資源は2倍になります。』
灰球への探索を1回行ったが、1年も経っていない。40年も待つより、探索に出た方が良いか。
『最適な回収案を表示しますか?』
ん、頼む。
『
難しい話は、いいや。それより探索に行って、何も無かったら嫌だなぁ。
『近隣探査により、資源の分布、増加を観測しています。資源の有無も考慮しています。』
そっか、じゃあ回収しておいて。少し眠るよ。
『お休みなさいませ。オートモードへ移行。資源回収を優先。力炉調整、衝撃を緩和します。』
「――――!」
『おはようございます。現在、巨大球の回収中です。経過を表示しますか?』
おはよう。
『探索結果
交戦回数:4回
回収資源:210000
回収廃材:550000
進化が完了しています。複数の開発が可能です。再戦闘の項目が増えました。』
ん? 随分多いな……。廃材が多いなら、規定数に届いていないか?
『回収の命令のみ受領しました。再利用可能な廃材以外を廃棄しますか?』
使えるなら持っておいて。さっきからチカチカ鬱陶しいけれど、回収は終わらないのか?
『主砲による各個撃破が難航しています。力炉解放を使用しますか?』
あー、進化も完了していたっけ。見てみたいし、使ってみて。
『力炉解放を行います。球体に防護膜形成……完了。球体を座標に固定……完了。力炉出力120%……140%……』
モニター画面を切り替えて、巨大球を表示する。へぇ、大きいなぁ。あぁ、白いのが邪魔してるんだな。
『力炉解放に伴う衝撃に備えて下さい。出力200%です。力炉解放を使用しますか?』
▷YES
早く見たいがために。壁面が微振動している事や、状態を表示するモニター画面に警告メッセージが出ては消えを繰り返している事に気づかず……選択と同時に白く染まった。
『おはようございます、今日は記念日です。資源の残りは1000、廃材は50と報告します。行動を選択してください。』
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