第2話 出会い、魂の知識

「いつまで追いかけてくるんだよ、こいつ」

俺、加藤かとう 未来みらいは一分ほど前からモンスターと鬼ごっこをしている。

いくら走ってもモンスター諦めてくれない。

こうなったら、少しの間疲れて歩けなくなってもいいから、全力疾走するしかない。

そう思い全力で走った、後ろを少し振り返ると、モンスターとの距離が離れてきている。

やった、逃げれるそう思ったとき、木の根につまずいた。

「いってぇ」見事に顔からこけた。

足を怪我してしまった、これではもう走れない。

モンスターはゆっくり近づいてくる。

さっき肉を食べていたから口から血が垂れていて怖い、すごい怖い。

赤い目が殺気だってて怖い、すごい怖い。

嫌だ、まだ死にたくない。

だけど怪我していて走れない、というか怖くて立てない。

モンスターが目の前に来ていた、もうだめだ、俺ここで死ぬんだ。

そう思ったときモンスターの頭に矢が刺さり倒れた。

「ふぇ?」

ついそんな声が出てしまった。


 そして近くの茂みから男の人が出てきた。

身長は180ぐらいはあり、髪は銀髪だ、結構筋肉があり、片手剣や弓矢を持っている。

「あんた、大丈夫か?」

そう声をかけてきた。

状況は理解できないが、この人に助けてもらったのはわかる。

「あ、大丈夫です」

そう返事をする。

「なら、よかった」

その人は笑顔でそう言った。

その人はモンスターの死体に近づいて皮や鱗をはぎ取りながら話してきた。

「あんた名前は? あ、俺はストルフな」

「加藤 未来です」

「カトウ ミライ、あぁ その名前とその格好もしかして異世界の人か?」

「えっと、え?」

「ん、いきなり言われてもよくわかんねえかな」

俺はただうなずく。

「ときどき異世界から人が来るんだよ、転生だったり転移だったりな」

「あんたは転移のほうだろうな」

俺は気になっていたことを聞く。

「異世界だとなんで今僕とストルフさんが話せてるんですか」

「ん?あぁそれはな、この世界に入るときにこの世界の魂の知識を少し吸い取ったんだよ」

「魂の知識?」

俺は首をかしげる。

「魂の知識ってのはな、人が死んで魂になった時にその人の知識が世界の周りに漂うんだよ」

「それが魂の知識だ」

「魂の知識はわかりました、でもそれだとなんで俺には他の知識がないんですか?」

また俺は気になることを聞く。

「それは漂っている知識の量の問題だな、言葉はみんな持ってる知識だろ」

「それに比べてモンスターとかの知識は持ってない人もいる」

「だから少し吸い取るぐらいだとこと言葉ぐらいしかわからないんだよ」

「なるほど、大体わかりました」

「じゃ、町に向かうか」

「はい」

俺はとりあえずストルフさんについて行くことにした。

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