2024年の日本から、1964年、昭和真っ只中の日本へタイムスリップしてしまう主人公。しかし、そこはどうやら魔法があってオリンピックのマークが七輪になった、パラレルワールドの「招和」だった!
主人公は招和日本で魔法自衛隊なる組織に写真担当として参加することになるわけですが、あらゆる描写がいちいち昭和臭い!ちょいレトロな雰囲気が濃厚に醸し出されて、しかも情景描写が濃密なので、まるで自分が昭和にタイムスリップしたかのような錯覚すら感じます。やや描写が過剰なところもありますが、主人公キュウと、魔法自衛隊の癖のある面々との交流が楽しい。主人公のカメラマンという立場も、いままで写真に残せなかった怪物を、高精度写真で分析できるというメリットが大きく取り上げられ、活躍している実感を持たせています。
作品全体に漂う昭和感を懐かしく、または新鮮に楽しめる読者には強くオススメと言えます。(なお、作者本人が読み飛ばしても良いと言っている二章については、いったん飛ばしてあとで読むのが良いと思われます。)