第177話 9階層ボス部屋へ
罠を解除して罠を張る。その繰り返しをしながら俺たちはボス部屋の前へとたどり着いてしまった。運がよかったんだろうね…地図を見るとまだ半分も移動をしていないようで、空白の部分が多い。リノとミネと合流出来る可能性も考えて俺たちは周辺に罠を設置した状態で休憩をとることにした。
「動いた後のおやつはまた格別だね♪」
「疲れてると甘いもんうまいよな~」
健太の荷物が最近重そうに見えていたのはこのせいだったのか…どうやら余分におやつを持ってきているみたいだ。楽しそうにファーナさんとおやつを食べている。それは別にいいんだが…もしかしなくても俺が邪魔なんじゃないだろうかと最近はたまに思う。
「呑気だな、追われてるのに…」
「あーそういえばそうだっけ? あれっきり見ないから忘れかけてたわ」
「あの人たちなんだったのかな…」
いやいやどう見てもファーナさん狙ってたでしょう? ファーナさんの立場からしたら身代金狙いだと思うんだけどね??
「そんなことよりあの2人遅いな。どうするよよっすー」
「そうだなー…とりあえず魔力の回復待ちしながら待ってみて、来なかったら先へ進むかな」
「ボスか…」
2人には悪いけど最初の頃は3人で攻略する予定だったんだ。先に進んでしまってもそこの出口を利用するためにも必要なことなので、怒られることはないだろう。次に合流したときに2人が終わってなかったら手伝えばいい。ただ問題は3人で勝てるかどうかだよな。回復剤などは手を付けていないので最悪ごり押しするしかないんだが…まあ今まで使ってきたスキルや魔法をうまく使ってやるしかないな。
「ん…っ これもおいしー!」
「………」
少し不安になってきたのは気のせいだ…
魔力も体力も回復し終えたが2人は来なかった。ということで俺たちはボス部屋の入り口に今から手をかけるところだ。
「ここで出てきた魔物がほとんど火が付いた魔物だったから、ボスもきっとそうだろう…だから突っ込むなよ健太?」
「ああわかってる。火がついてたらまずは消してからだろう?」
「それでいいよ。ファーナさんもね」
「火がついてたら近づけないし矢も燃えちゃうから大人しく待つわよ」
「おけーじゃあ開けようか」
俺たち3人は同時にボス部屋の扉を奥へと押し込んだ。まだ中にはボスの姿は見えない。多分扉が閉まってから魔方陣が出るタイプなんだろう。
後ろのほうでゆっくりと扉が閉じてゆく。扉が閉じ切ったのだろう。部屋の中央の地面に火が走っていく。その火が魔方陣の形を作り上げるとカッと光そのまぶしさに少しだけ目を閉じた。今からボスが出るというのに完全に閉じるのは危険だからだが、やっぱりこの慣れない光はまぶしかった。
室温が急激に上がった気がする。ボスの体はゴウゴウと燃えていて姿がはっきりと見えない。やはり予定通り火を消すところから入ることとなった。
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