第156話 7階層ボス戦4

 となれば攻撃魔法を主体としている4色と見せかけの魔法を見えるようにしている紫を全部倒してしまえば、ただの光る大きなスライムってことだ。


「ごちゃごちゃとめんどくせぇ~っ とにかく数減らせば楽に倒せる!! ってことでいいか?」

「おーけーおーけー どんどんいこうっ」


 バラバラになったスライム達を健太とミネが処理し始めた。どうやら2人は難しいことを考えるのは放棄したみたいだ。もちろん最終的に倒せれば問題ないのでいいのだが、とりあえず自分のペース配分だけはちゃんとしてほしかったところだ…


「ど…ぜぇ、ぜぇ…どうだっ はぁ…減っただろう…ふぅ…スライムッ」

「うへへ、魔力切れ~…」


 数分後荒い息を整えながらしゃべる健太と魔力切れで座り込むミネが目の前に出来上がった。俺とリノはあきれて何も言えなくなったが、ファーナさんだけは健太を心配そうに見つめている。まあそれも本当に健太を心配しているのか…健太がくれるおやつを心配しているのかは俺には判断できないが。


「…あほの子、なの?」


 リノの言葉に俺も同意だ。

 スライムはまだ全滅していなくて今まさに大きなスライムへと合体していくところだ。その見た目はスライムの数がだいぶ減ったことによってかなり小さくなっていて、最初の大きさの1/3くらい。でもまだボス戦は終わっていないのだ。


「しかたない…ヨシオ、ファーナ、2人で、何とかして…」

「そうだな…やるか」

「わかったわ、まず私が核狙ってみるね」


 ファーナさんがだいぶ色が薄くなって核の位置が見やすくなったスライムの核を狙う。シュッと矢を放つ音がしてスライムに突き刺さる。でもどうやら核には当たらなかったみたいでスライムはそのままだ。


「むぅ…やっぱ避けるよね~ 核動かなければいいのにっ」

「そうだよな~ んー『ソリスト』で俺にタゲ固定したら核そのまま動かなかったりしないかな…俺が攻撃しないってのが前提だけど」

「でもそれだと核は固定出来るかもだけど、ダメージが入らないよ」

「だからぎりぎりにスキル解除すれば…いけないかなと」

「お互い難しそうね…まあやるだけやってみるしかないか」


 話がまとまったところで俺が『ソリスト』を発動する。それを見たファーナさんがちょうど俺に向かってくるスライムの反対側に回り矢を放った。俺もすぐにスキルを解除する…が矢はスライムの核を貫通したけどダメージにはならなかった。解除が遅かったらしい。でも核が動かな方のは大きいな。続けてスキルを使いスライムの意識を俺に向ける。再び同じことを繰り返す。今度は解除が早すぎて核に逃げられた。


「む~~~ なんか悔しいわね!」

「まあ頑張るしかないよな、核に確実に当てられるミネがこんなんだもんな…まあスライムが魔法打ってくる前に頑張るか」


 俺は再び『ソリスト』を使用した。そこから数回繰り返すとやっと核にファーナさんの矢があたり、スライムがバラバラになった。これを何度か繰り返し俺たちは7階層のボスを倒すことに成功した。

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