第155話 7階層ボス戦3
次の瞬間スライムが魔法を使ってきた。リノが健太の後ろに回ったことによってまっすぐに健太に向かって。
「くっそ~~ まじか!!」
文句を言いつつも健太は盾を構えた。ボロボロになった盾だろうとまともに受けるよりはましだからだ。これから来る衝撃を覚悟して健太の顔も少しだけ険しくなっている。俺はもしものためにリュックにぶら下げている杖に手をかける。すぐそばにリノがいるので大丈夫だとは思うがやはり心配になったのだ。防御力のある盾があれだけボロボロになったんだからよほど強い魔法ってことだろう。まあ魔法が防げているのかは俺にはわからないんだけどね。
「…お?」
盾を構えて魔法を抑えている健太が首をかしげている。それを背後から眺めているリノが1人首を縦に振った。
「やっぱり…ね。 リノッ」
「撃つよー! 『エレメンタルストーム』」
ミネの魔法がスライムに一直線に向かっていく。魔法を打ち終わった後で油断していたスライムはミネの魔法の直撃を受けた。するとさっきと同じくいろんな色のスライムになって散らばった。だが、さっきと少し違うところがある。
「あれ、数が減ったな…後色数が偏ってる」
「ミネの魔法が、効いてる、証拠。バラバラに、なった、だけじゃない…」
「なるほど…」
「あーだから魔法が弱かったのか! 今度はちゃんと受け止められたから変だなーて思ったんだっ」
「そう、それで、各色の、スライム、それぞれ…役割が、あった」
リノのこの言葉に俺は目の前のスライムを処理する手を止めた。いまいちよくわからなかったスライム達だ。
「ケンタ、大きなスライムの、攻撃、受けた、感想は?」
「感想~? えーと…光ってまぶしくて魔法の見た目は最初とあまり変わらない大きさだけど…威力は減っていたかな…くらいか??」
「それが、答え、ね」
「ふむ…」
スライムの役割…健太が感じた攻撃の感想ね…っと考えながらもスライムが襲ってくるのであまり気を抜けない。
「あれ? 赤、緑、水色、青のスライムがだいぶいないな…まあ襲ってくるから倒したせいなんだろうけど」
…ん? 威力が減ったのはもしかして攻撃タイプのスライムが減ったせいなのか?
「ヨシオは、気が付いた、みたい、ね」
「いや…本当にそうなのか?」
スライムを剣で切りつけながら俺はリノに聞いてみる。まず俺の予想をまず先に言うべきだろうが。
「俺が思ったのは、まず攻撃魔法が赤、青、水色、緑の4色で、魔法のまぶしさは黄色が。紫は…もしかしなくても魔法がこう見えるようにする幻影的なものってところだろうか」
俺は紫のスライムの攻撃を受けたときに状態異常『睡眠』にかかっていたらしい。つまり夢を見せられていたってことだ。それを考えると幻を見せるのが紫の役割なのかもと思ったわけだ。
「大体そう。あとオレンジ、なんだけど…多分、大きなスライム、の外見、だと思う」
「外見…」
「外見」
オレンジ忘れてたよ。でもまあこの予想が当たっているのならだんだん魔法は怖くなくなるし、何度か繰り返せば倒すこともできるだろう。
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