第142話 7階層攻略開始

 ミネが一掃した通路を歩き始めるとところどころに魔石とか謎アイテムが転がっていた。どうやらちゃんと魔物の処理がおこなわれたようだ。ただ何の魔物がいたかは不明だが…まあそれももう少しすれば姿を現すだろう。

 それよりも、さっきリノと話していた罠を気をつけて進まねばならないだろう。今までなかったのが不思議なくらいなので、警戒するにこしたことはない。


「ん…そこ、色が違う、かも」


 先頭を歩いていたリノが何かを見つけたみたいだ。色が違うといわれた床を見ると、確かに他のところと比べて少しだけ色が明るい。どんな罠なのか気になるところだが…踏んでみたら怒られるだろうか?


「へぇ~これが罠か。何の罠だろう落とし穴かな?壁から槍とか出てくるのかな?」

「ちょっと、まって…」


 健太の言葉にリノが周辺を触って確認し始めた。床に手をついて溝が無いか確認しているのだろう。後は壁のほうも周辺を確認し、最後にフライトで天井まで見ている。


「ん~…壁や、天井には、何も、なさそう…かな」

「じゃあ落とし穴ってことか?」

「可能性は、高いと、思う。ほらここ…少し溝が、ある」


 罠のスイッチのすぐ正面あたりからたしかに薄っすらと溝のようなものが見える。それも床に張り付いて見ないとわからないくらいの溝だ。


「罠踏んでみても良いか?」

「そうね…落とし穴の、深さとか、知りたいし、いいよ」

「よっしゃーっ 一度踏んでみたかったんだよな!!」


 罠を前に健太が大騒ぎだ。罠なんて無いほうがいいのに…相変わらずよくわからんヤツだな。


「じゃあ踏むぜ…っ」


 スイッチを押す健太の前方が落とし穴がある場所らしいので、みんなは健太よりも後ろのほうからその様子を眺めている。右足を持ち上げ思いっきり健太がスイッチを踏み込んだ。ガコンという音がしてバコンという音とともに一気に目の前の床が口を開けた。


「おおおおおおお…」


 その落とし穴は壁際まで開いていて、大体スイッチの目の前から2mくらいのものだった。知らずに罠を踏んだら前を歩いていた人がみんな落ちてしまうサイズだな。深さを確認するために覗き込むと一応床が見えるくらいなのでそれ程は深くなさそうで、針山とかマグマとかは無いみたいだ。あくまでも今回のは、なんだがな。


「あ、そうだ。これで深さわからないかな?」


 ファーナさんが取り出したのは以前出ていらないといってしまっておいた物干し竿だ。別の名前だった気もするがまあいいか。その物干し竿を壁に沿って床に着くまで奥へと差し込むと竿の半分ぐらいの高さだった。竿がたしか2mあるか無いかくらいだったので深さは1m歩かないかくらいなんだろう。つまり落ちても軽く怪我はするかもだが出られないことは無い深さという結果だった。まあ初回の罠からきついこともないってことなんだな。

 後はこの罠を閉じるのを待ってから渡るかさっさと『フライト』で渡るかなんだが…深さを確認している間に向こう側に魔物があわられていた。その魔物は…

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