第129話 タコ殴れ!2
どうしてこうなった…ファーナさんが健太と腕を組んで歩いている。心底健太は疲れた顔をしているが振り払う様子はない。一体ファーナさんは何を考えているんだろう?
歩き出す少し前ファーナさんのおやつ問題をどうするかと言う話で、俺の案を呑んだ健太はそれを実行した。
「ファーナさん」
「は、はいっ」
「結婚を前提にお付き合いしてください?」
「!!」
本当ならここで健太が振られるはずだった。まさかおやつだけでファーナさんがそこまで釣られるとは思わなかったんだよ。それに住んでいる世界が違うのだからそもそも結婚とか無理なのだ。なので普通なら振られるはずだったんだけど、何故かファーナさんは受け入れてしまったのだ…頭痛い。振られた後貢ぐわけにいかないと身を引くことが出来なくなったじゃないか。
まあ本当に結婚は無理だからダンジョン攻略までのお付き合いだ。がんばれ健太。これでファーナさんにおやつをあげても不自然ではなくなったし、まあ結果は結局どっちでもよかったってことで。
「そろそろ鎧がくるぞ」
「ああそうだな。ちょっとファーナさん離れて」
「はーい」
ファーナさんが離れると健太は白いマントを装備した。今日は昨日と反対側左のほうへ来ていて、その曲がり角から奥を覗くとやっぱり右側と同じように鎧が並んでいた。
「とりあえず昨日と同じ感じでいくぞ」
それぞれが配置へとつく。それを確認すると健太がゆっくりと前へ進み鎧をおびき寄せた。再びタコ殴り祭りである。
今日は健太の盾が頑丈になったこともあって逃げまわる必要が無くなり、その分さらに楽になる。ちなみにもうひとつ用意した鱗は安全面を考えてファーナさんの靴に使った。これで足元を狙われても安心だ。
約10体の鎧をばらばらにし終わると俺達は前へと進む。しいて言えばこいつらは魔石も落とさないし、いらない剣しか落とさないのでうまみがない。ただ転ばせると楽に倒せると言うだけだ。
一番左上の角についた。やはりこっち側も上へ真っ直ぐ道が伸びているだけで一本道だった。扉みたいなものも同じくあったが開かない。その角から覗き込むとやはり並んでいる鎧。ここで一度地図を確認するとどうやら反対側の右上の角と真っ直ぐ繋がっていそうだ。
今日はまだ少し余裕があるのでこの通路の探索も済ませてしまいたいところだ。俺達は同じように鎧を1匹づつ倒すことにした。やっぱり剣しか落とさない。
鎧の処理が終わったので今度は通路の確認だ。やはり扉のようなものがいくつかあり、ほとんどが開かない。でも今度は違って、1つだけ動く扉を見つけることが出来た。それは地図で見るとぽっかりと空いた中央の部分だ。どうやら内側へと進む形のダンジョンらしい。
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