第65話 双子の相手はめんどくさい
イノランタがゆっくりと倒れていく。どうやら双子の危機を救うことが出来たらしい。あまり関わりたくないといっていたファーナさんも、流石に目の前で困っている人は放置出来ないみたいで安心した。まあ誰でも人が襲われるところなんて見ていたくはないわな。そういう趣味の人は違うのかもだけど。
「えーとえと…ヨシオだっけ?そっち行くからそこで待ってなさいっ」
「…は?」
なんで名指しされたんだ?助けたのはファーナさんだぞ…それに待てといわれて待っている理由もない。もちろん俺達はそれを無視してさっさと入り口へ戻ることにした。
「ちょっとまちなさいよ~~~っ」
何か聞こえる気がするがきっと気のせいに違いない。うん、間違いない。
それから入り口へ向けて向かい始めるとピタリとファーナさんの足が止まった。
「あれ、いかないのか?」
「あの…このまま入り口に戻ったら待ち伏せされるんじゃないかな?」
「ん~~どうだろう…」
こればかりは運とかもあるだろうからなんともいえないところだ。
「あっちは2人で1人武器なしだし、こっちは3人なんだよ?」
「うん、それで?」
「私たちのが多分進んでる距離があるから…」
「あーそうか、そうかもしれないね」
「なので裏をかいて私たちはボスを目指しませんか?」
これはまた思い切った方法だ。確かにすぐ向かうとあっちのが早いかもしれない。そのファーナさんの案が正解かどうかはやって見なければわからないけれども、やってみても問題ないかもしれないな。俺は地図と取り出し現在の進行状況を確認する。まだ埋まっていない箇所に不自然に大きく入れずにいる場所がある。多分このあたりがボス部屋なのだろう。今いる場所…双子がいた側ではない反対側のほうがそうなのだ。俺はそっちのほうを眺めてみる。
「……俺の目が悪いんじゃなければもしかしなくてもあれボスじゃないのか?」
俺が指す方向を健太とファーナさんも眺める。その視線の先に見えているものは誰もいないはずなのに揺れ動く木の枝だ。
「動いてるね…」
「今までの流れだとイノランタかトンヤーがボスとして出てくるんじゃないのか?」
「その2匹が木にぶつかっているってこともあるかもね。」
まあボスは2階層までしか見ていないのだし、その判断はまだあっているかどうか判断に迷うところだ。
「もう少し近づけばわかるかもよ?」
俺達3人は頷き合うと、そのボスが見えるところを探し進み始めた。もちろんボス部屋に入れそうな場所も探しつつ進むことにして、まずは姿を拝むことにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます