第29話 少し強くなった

 結論から言うと通路が繋がって無事地図が完成した。ただ扉の前に着いたら流石に健太が入りたそうにして落ち着きがなくなって、それを引きずるように出口へ向かうのが大変だった…緑のスライムに遭遇しないでほんとうによかったと思う。

 そして今目の前には今までまだ見たことがなかったスライムと向き合っている状況だ。


「青いね…ファーナさんこれは?」


 もうすでにスライム博士は当てにしていなかった。大体肝心なことがわからないからだ。


「そうですね…青いから水か氷系だと思われます」

「じゃあどっちにしても火とか効きそうな感じ?」

「まあいやがるでしょうね氷は。でも水だと逆に火は消されちゃうかもです」

「健太ごー」


 ガスライターを構えた健太が青いスライムへと向かっていく。さて、嫌がるか消されるか。

 火を向けられたスライムはひょいっと身軽に避けるとすぐさま液体を吐いた。そして火は消えてしまった…ということは水系に違いない。


「水系みたいですね。それなら魔法自体は当たっても痛くないはずです。ただ、水球を頭で受けると呼吸が出来なくなるんで気をつけてくださいっ」

「だそうだから健太は守るなら頭中心で」

「わかった!」


 各自それぞれ動く、ファーナさんが弓を放つと青いスライムはそれを避ける。その避けた方向から俺が殴りに向かうとすぐにスライムが水を吐き出した。すかさず盾を構えた健太が間に割り込み水を盾で受けようと自分の頭付近で構える。吐き出された水は健太のお腹の辺りにあたった。

 どうやらスライムは連続で魔法を使えないようで、吐き出した直後少し硬直する。そこへ健太が短剣で切りかかり止めを刺した。


「……」

「……」

「…なあ、こいつ弱いな。というかつめてえぇ~」


 健太はぐっしょりと濡れてしまった服をつまみ上げた。弱くても油断禁物だと思う。水の量が多いのが顔に来たら窒息させられるかもしれないからな。


「スライムが弱いのじゃなくレベルが上がって私達が強くなったんだと思いますよ?あと少しで出口ですしステータス見てみましょうか」


 ファーナさんの言葉に驚きつつ、たしかにずっとステータスを見てなかったことに気がついた。たまには確認したほうがいいかもな。

 そのまま出口へ向かうと俺達は直ぐタッチパネルに触れステータスを確認した。


「うおーっレベル6になってる!!」

「私は8ですね。ヨシオは?」

「ああ、今見る」


 俺もタッチパネルに触れ自分のステータスを呼び出した。

 


 名前:神崎由緒かんざきよしお

 性別:男

 年齢:17


レベル:4

 体力:42/58

 魔力:32/32


 筋力:47

 知力:29

 速さ:21


 物防:11

 魔防:2


スキル:言語理解(on)

 魔法:なし



「俺は4みたいだ」


 レベルが上がったことで若干他の数値も上がっているみたいだった。2人よりもレベルが上がっていないのは地図を描いたりたまにしか攻撃しないせいだろうな。

 そして前回も思ったんだがスキルと魔法というのはほんとなんなんだろうね?増えないし…


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