第28話 レベル上げ

 次の日からファーナさんとともに俺達は毎日のようにダンジョンに脚を運ぶことになった。最初健太がファーナさんに持ってきたのはこの間がクッキーだったからと今回はショッパイ系に走ったようだ。そう健太が用意したのは誰もが知っているポテトチップスだ。甘くないことを最初に教えたら少しがっかりしていたみたいだが、約束なのでとちゃんと一緒にダンジョンを周った。

 この日はまた赤いライムを見かけたくらいで緑のスライムには会わず狩りが終わった。売ったお金で緊急用に解毒剤を1つ買っておいた。次は回復剤を数本用意しておきたいところだ。


 さらに次の日いつものようにダンジョンへと入ると今日は先にファーナさんが来ていた。昨日渡したポテトチップスがおいしかったらしくかなりテンションが高かった。ちなみに本日は甘いものでミニサイズのドーナツがいくつか入っているものを渡していた。甘いものだと聞いてファーナさんは期待に胸を膨らませつつそっとポーチにしまっていてちょっと可笑しい。

 この日は色の違うスライムにはあわず確実に稼ぐことが出来、予定通り回復剤を5本ほど購入。


 こんな感じで数日繰り返し、緑のスライムに遭遇したときは無理せずファーナさんが弓で早めに攻撃を仕掛け、それで倒せなかったときは逃げた。レベルが上がれば接近する前に倒せることになるだろう。


 そんなある日、いつものように3人でスライムを狩りながら奥へと進み最近ではこのダンジョン…といってもまだ1階層なのだがこの場所の地図を書き出しながら歩いくことを始めていて、その地図が埋まろうとしていた。


「ん…ファーナさんこれって地図埋まったよね?」


 多少歩いた距離とかが合っておらずいびつな箇所もあるが、今いる場所が書かれている地図だとすでに歩いたことがある場所にぶつかる位置に来ていた。


「ほんとね、じゃあここが繋がるってことがあっているか確認してみましょうか。この先にえーと…ほらここ。」


 ファーナさんが指しているのは唯一この階層の中で不自然に扉がある場所だった。丁度そのまま進んで数箇所曲がった先にある。ここが繋がっている証明にもなるので確認するのに都合がよい。


「健太もそれでいいよね?」

「お…とうとうその扉開けちゃう?」

「いや、今日は道が合ってるか確認だけだよ。まだ装備が整ってないから扉の先へはいけない」

「ん~~約束だからしゃーない…」


 流石に装備も1段階全員整えるまで揃ってないし、まだ緑のスライムに不安がある。一応ファーナさんの弓が当たれば1発で倒せるのだが、意外に避けるので毒を吐かれると危険だ。

 以前より長く狩れるようになってきているし、もう少しがんばれば装備も整うだろうから我慢だぞ健太。

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