第11話 秘密兵器

6/23、後半に健太視点追加しました

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 健太がリュックから取り出した紙袋。それのどこが秘密兵器なのかわからないが、おもむろに手をつっこむと中から細長いガスライターを取り出した。


「それが…秘密兵器??」

「いやいや待ちたまへ。これだけじゃない」


 再び紙袋に手を入れると今度は小ぶりな箱を取り出した。それはどう見ても…


「…爆竹」

「ああ、こうやって使うんだ」


 健太は左手に持っていた盾(?)をスライムにかぶせ、火をつけた爆竹をその中に放り込んで、上から押さえた。


 バババババッと盾(?)の中で篭った音を出しつつ爆竹がはぜている。その様子を眺めていると健太はこちらを向いてにやりと笑った。…気持ち悪いなおい。


「スライム講義~スライムは物理より魔法などの属性のあるもののがよく効く!」

「それで…?」

「でも魔法はない!」

「ないな」

「で、これよ…火花と爆発で衝撃の2段がまえ!」


 健太がどや顔でこっち見ててうざい…つまりは火花で『火』という属性で攻撃したといいたいわけなんだな。ため息を付き俺は今思っていることをそのまま口に出した。


「あのさ…ちょっとそれかしてみ?」


 先ほど使われた細長いガスライターを健太から借りると俺はおもむろにそのライターの火をスライムに押し付けた。するとスライムはどろどろと溶け出し、後には核の部分だけがその場に転がっている。


「…これじゃだめなのか?」

「は…わ、うえぇ?!あーえーと…そうだ、核!!残ってるだろ?それってスライム死んでるのか?」

「んーどうだろう?」

「ほら、爆竹のほう核も破壊してるし、この方が確実だ!」


 盾(?)を持ち上げ中の様子を見ると確かにスライムは跡形もなくなって何もない。それを確認したあと核だけが残ったほうを眺めると、だんだんまた周りにプルプルした部分が出来始めていた。


「やっぱり!核が残ってると復活しちゃうな。それなら俺の倒し方のほうが確実だーっ」

「……ちょっとナイフも貸して」


 プルプルが完全に復活する前に俺は借りたナイフで核を突き刺した。どうやらプルプルが復活しないとスライムは移動も出来ないみたいだな。


「いちいち蓋して爆竹よりこの方が早くね?こうなると移動出来ないみたいだし、ナイフでも当たるぞ」


 流石にこの言葉には健太はがっくりと項垂れてしまった。「折角かんがえたのにぃぃ~~」とつぶやいている。


「ん…なんだこれ?」


 今倒したスライムのいた場所に丸くて薄っすらと青いガラス玉みたいなものが落ちている。ビー玉みたいに見えるがそれよりも大きくピンポン玉くらいのサイズだった。


 もちろんそれが何なのかわからないがいわゆるドロップアイテムと言うものということだけは理解出来たのでとりあえずポケットにしまっておいた。


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 俺は取り出した紙袋に手を突っ込み中身を取り出した。取り出したものは2種類あり、まず取り出したのは火をつけるのに便利な細長いライターだ。


「それが…秘密兵器??」

「いやいや待ちたまへ。これだけじゃない」


 ばかをいっちゃいけねぇ…これだけ紙袋に入っているとか寂しすぎるだろうが!よっすーはせっかちさんだな。俺はもう1つのものも取り出す四角い箱に入ったものだ。


「…爆竹」

「ああ、こうやって使うんだ」


 俺は盾をスライムにかぶせ、その隙間から火をつけた爆竹をほうりこんだ。そしてその蓋…じゃない盾を上から押さえていると中で爆竹が爆ぜる音がしばらく続いた。思ったとおりの結果に俺はしてやってりと笑う。


「スライム講義~スライムは物理より魔法などの属性のあるもののがよく効く!」

「それで…?」

「でも魔法はない!」

「ないな」

「で、これよ…火花と爆発で衝撃の2段がまえ!」


 どうだよっすーこの魔法がないならあるものでそれっぽくしてみようという俺のがんばりは!さあ好きなだけ褒めるがいいっ

 俺は胸を張ってよっすーのほうを見る。すると何故かよっすーは何故か困った顔をする。


「あのさ…ちょっとそれかしてみ?」


 よっすーがライターのほうに手を出してきたのでライターを渡す。どうやらよっすーも今のを見てなにやら思いついたみたいだな。でもどうかな~俺のこれよりのいい案なんて早々ないと思うんだけどな~まあいいさ、よっすーのお手並み拝見と行こうじゃないか。


「…これじゃだめなのか?」

「は…わ、うえぇ?!あーえーと…そうだ、核!!残ってるだろ?それってスライム死んでるのか?」

「んーどうだろう?」

「ほら、爆竹のほう核も破壊してるし、この方が確実だ!」


 よっすーの方法は簡単だった直接スライムにをライターであぶるだけ。周りのプルプルが溶けて消えた。ただ、その場には核が転がっている。ねんのためそのまま核を観察しているとプルプルした部分が少しづつ復活してきた。


「やっぱり!核が残ってると復活しちゃうな。それなら俺の倒し方のほうが確実だーっ」

「……ちょっとナイフも貸して」


 今度はナイフを貸せと言うから渡すと、よっすーはそのまま核を突き刺した。スライムは逃げることもなく、消滅した。


「いちいち蓋して爆竹よりこの方が早くね?こうなると移動出来ないみたいだし、ナイフでも当たるぞ」


 まじでえぇぇ~~…折角考えたのにがっかりだよ!!


「ん…なんだこれ?」


 なんかよっすーが行っているけど俺は反れどころじゃないよ!現実にスライムがいたらどう倒すかと必死に考えたのに無駄だったなんてっ俺はちょっと泣きたくなった。

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