第2話 狼の首輪と白鳥の羽

 遅ればせながら第2話を視聴しました。Aパート冒頭では話が一度過去に戻り、ついていない人生であるマーリヤとついている人生であるフリーの対比が為されていました。ただ一概についている・ついていないといっても、その中身はお互い壮絶なものです。この場面だけで勿論全てを把握することは難しいですが、マーリヤとフリーそれぞれが背負っている過去をほんの少し知る事ができました。


 オークション会場で妖精"アッシュクラッド"と邂逅し取り憑かれたマーリヤは、フリーの提案により違法妖精取締機関ドロテアに入隊する。マフィアによる人工妖精の取引を摘発するためマーリヤはフリーと共に初任務に遣わされ、同じくドロテアに所属するクラーラ、セルジュと合流し取引を待ち伏せする。するとそこに現れたのは、フリーの元戦友で妖精兵のウルフラン・ロウだった。


 人工妖精とは大戦時代に利用された兵器の1つで、頑丈な鎧に包まれており妖精兵と共に活躍していたようです。人工妖精を開発できるのであれば本来妖精兵は必要ないのではないかと考えてしまうのですが、大戦時にも妖精兵が存在し続けていたあたり性能は大して良くないのかもしれません。


 第1話ではマーリヤもヴェロニカもフリーも分離した妖精を使用していたので、呼び出された妖精は常に主と分離して行動するものと思っていましたがどうやらそうではないようです。2話から登場したクラーラは比較的小さいカエルの妖精で分離して偵察を行っていましたが、セルジュは妖精を腕と同化させて狙撃を行いフリーたちを援護していました。妖精には今のところ分離型と同化型の2種類が存在することが分かりましたね。


 ウルフランは元々妖精兵だったこともあり戦闘能力は十分に高く、フリーと互角に渡り歩いていました。また非常に慎重深い人間で、ドルテアから逃走する際は取引に関わったマフィアを皆殺しして自分の痕跡を消し去って行きました。マフィアの1人が「俺は元軍人だ。そう簡単に口を割らない」と言い切っていましたが、なかなか信じ難いですよね。人間は意外と弱い生き物ですから。


 ED後のCパートでは何処かの野原に訪れるウルフランの様子が描かれています。ウルフランの目の先には、木材にかけられた2つの花飾りがありました。ウルフランには大戦時代妻と一人の子供がいたらしく、2つの花飾りは大戦時代またはそれに準ずる事で亡くなった2人への御供えだと考えられます。


 マフィアと関わっていたウルフランの目的は一体何なのか。そして第3話予告では、第1話に登場した「黒の妖精書」に言及する台詞が流れました。「黒の妖精書」がどのようなものなのか、謎が一つ明かされるかもしれません。


 気になった点が1つあるのでここに書き記しておきます。ウルフランとフリーの戦闘時に人間同士、妖精同士で戦うのではなく、やたらと生身の人間と妖精が互角に戦う描写がありました。これはつまり生身の人間でも妖精を倒せる可能性があるという事であり、妖精の存在意義を製作陣自ら否定しているように見えてしまいます。製作陣はその点を留意して描いているのでしょうか。少し心配になります。


 第2話の感想はこの辺りで〆にします。ここまで読んで下さりありがとうございました。第3話の感想は来週以降書いて投稿します。

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