黒龍野会戦 七 尋問

 ユニはマリウスの身体を椅子に縛りつけた。

 彼は魔導士なので、呪文の詠唱を防ぐための猿轡も一応噛ませる。

 いずれもあまりきつくしなかったのは、せめてもの情けである。

 その代わり、彼の側にはオオカミたちが二十四時間体制で見張りについていた。


 ユニはライガの背に乗り、ヨーコを連れて村に駆け戻った。

 村に着いた頃にはもう日が落ちていたが、あまりにいろいろなことが起き過ぎて、まだ一日経っていないというのが信じられない。


 彼女は役屋で肝煎のエイナルと派遣隊の隊長であるミリオン少尉に、オークを倒したことだけを伝えた。

 そして炭焼小屋で書いておいた書簡に、肝煎から借りた蝋で封印をし、油紙で厳重に包むとミリオンに渡した。


「これを黒城市に滞在しているアリストア参謀副総長殿に直接手渡してください。

 緊急の用件ですから馬を使ってすぐに出立してちょうだい。

 誰かが取り次ぐと言っても、絶対に渡してはいけませんよ。必ず直接渡すのです。いいですね」


「でも……」

 若いミリオン少尉は困惑した。

 彼のような軍学校を出て間もない新米将校にとって、参謀副総長は雲の上の人だ。

 直接面会して書簡を手渡すなど、そんな恐ろしいことが出来ようはずもない。彼が怖気づくのは無理もなかった。


 こういう場合は(いや、たいていの場合はだ)、むしろ経験のある下士官の方がはるかに役に立つ。


「緊急、なおかつ軍機です!」

 ユニは怒鳴りつけて気合を入れた。

 少尉はびくんとして、思わず気を付けの姿勢を取る。


「ユニ・ドルイディア二級召喚士から火急の用件だと言えば、恐らく話が通じるようになっているはずです。

 あの方のことだから、そのくらいの手回しはしているはずよ。

 もし、万が一直接の面会がどうしても許されなかったら、副総長のロゼッタ秘書官に会って事情を説明しなさい。

 それで解決しないということはありえません。

 わかりましたね!」

 一気に畳み掛けるユニの勢いに気圧され、少尉はこくこくとうなずくばかりだった。


「わかったのなら、とっとと出発しなさい!」

 とどめの叱咤に、若い少尉は書簡を抱きしめて役屋を飛び出していった。


 ユニは肝煎に、明日には黒城市から軍の部隊が到着するはずだと説明した。

 そして、今託した手紙にも書いておいたが、このオオカミ(ヨーコ)を残していくので、案内に従うようにあなたからも伝えてほしいと頼んだ。


 また、事情は話せないが軍が来るまで村人を山に入れないようにとも伝えた。

 肝煎は目を白黒させていたが、どうにかユニの言うことを飲み込んだようだった。


 これでやるべきことは済ませたはずだ。

 ミリオン少尉の部下に当面の糧食を分けてもらい、ユニはライガの背に乗って山に戻っていった。


      *       *


 ユニたちが待機していた炭焼小屋にアリストアがやってきたのは、驚いたことに次の日の午前中、それも九時頃の話だった。

 ミリオン少尉は夜の道を馬で駆け抜け、深夜前には黒城市に辿りついたのだ。


 彼の不安を余所に「ユニ召喚士からの緊急の書簡を……」と言いかけたところで、彼は口を塞がれ、そのままアリストアの前に連れていかれた。


 アリストアはまだ就寝前だったが、ガウン姿でユニの書簡を読むと、ただちに夜番の警備兵から十八名を選抜して黒城を出立し、早朝にはモラン村に到着していた。


 馬に水と飼葉を与え、二時間ほどの休憩をとったのち(夜間の強行軍で馬だけではなく兵も疲弊していた)、ヨーコの案内で山に入ったのだった。


 一行にはアリストアの幻獣であるミノタウロスも同行していた。彼の巨体では馬に乗れないので一緒に走ってきたのだが、半牛の怪物は疲労の色を微塵も見せなかった。


 アリストアはユニに会うと簡単に状況の確認をし、兵たちに指示してオークの武器と鎧、召喚士の死骸や荷物の回収を命じた。


 炭焼小屋からはアルハンコ少佐の死骸が運び出され(若い兵士の中には、その凄惨な死に様に嘔吐する者が続出した)、拘束されていたマリオン中尉が正式に亡命の意思を伝達して、王国軍の保護下(実態は拘束)に入ることとなった。


 ついさっき床の血溜まりや肉片が掃除されたすぐ側で、アリストアは椅子に座り、優雅にお茶を飲んでいる。

 炭焼小屋に備え付けの貧相なカップに安物の茶葉だったが、彼が手にするとそれなりの高級品に見えてしまうのが不思議だった。


「よくやってくれました。

 特に秘密の保持に気を遣ってくれたことには感謝しますよ」

 アリストアは素直にユニを賞賛し感謝してくれたが、ユニは不機嫌そのものだった。


「副総長殿は今度の件、私が標的だと知っていらしたのではありませんか?」

「まさか。それは私を買いかぶり過ぎだ。

 だが……もし、仮に私が知っていたとして、君にそれを教えたらどうなる?

 君は当然警戒するだろうから、敵にそれと気づかれるかもしれないだろう。

 そんな危険は排除すべきだと思わないか。


 ――いやいや、だから私は知らなかったと言っているだろう。そう頬を膨らませるな。

 どっちにしろ、君はうまくやった。

 多少の危険はあったようだが、終わりよければすべてよしだ。

 違うかね?」


 褒められてもユニの機嫌は一向に回復しない。

「二級召喚士を餌にして、帝国の魔導士将校が釣れたのなら、大儲けでしょうからね。

 それで、また情報部で尋問が待っているんですよね?

 去年から何度目ですか、まったく!」


 アリストアは楽しそうにその様子を見ている。

「ふむ……今回は十日程度で解放されんじゃないかな。

 何しろ君よりもっと面白そうなオモチャを手に入れたからね。

 情報部の連中は夢中になるだろうさ。


 ――とりあえず、君には黒城市まで同行してもらうよ。

 懐かしの情報部が待つ王都に向かうのは、明日になるな。

 今夜はロゼッタを貸してあげるから、どこかで食事でも楽しんでおきたまえ」


      *       *


 アリストアは約束を守った。

 黒城市に戻ったその夜、ユニはロゼッタに伴われて、趣味のよい料理屋で夕食を共にした。


 気の置けない女同士の食事会は楽しいものだった。

 何度も顔を合わせ、それなりに仲がよい二人ではあったが、プライベートな時間で話をするのは初めてだった。


 ユニはファッションや恋愛といった、若い女性が好む話題に関しては朴念仁もいいところである。

 そのため、話は自然とロゼッタの上司・アリストアのことや政治情勢といった色気のないものが中心になりがちだった。


「そういえば、今日久しぶりにミノタウロスを見たわ。

 彼も出張に付いてくるのかと思うと、ちょっと笑えるわね」

 馬と一緒に街道を走っている伝説の怪物の姿を想像し、ユニはくすくすと笑う。


 ロゼッタは食後のワインを形のよい唇に流し込んで微笑んだ。

「あら、だってミノスはアリストア様の幻獣なのよ。

 一緒なのは当たり前じゃない」


「そうなんだけど――。

 ほら、王都でもそうだけど、アリストア先輩の執務室でミノタウロスを見たことがなかったから……。

 まあ、外に出た時は警護のために側につくんでしょうけど、城中にいる時ってミノスはどこにいるの?」


「ほぼ図書館ね」

 ロゼッタは周知の事実だという顔をしている。

「図書館? ミノタウロスが?

 ……じゃあ、あの噂は本当なのね?

 あたしはてっきりジョークだと思っていたわ……」


 ユニが唖然としていることの方にロゼッタがびっくりする。

「あら、有名な話よ。知らなかったの?

 王立図書館には、彼専用の席があるくらいよ。

 アリストア様が特注で作らせたの。

 ミノスはあの膨大な蔵書の既に半分以上を読破したって噂よ。

 今回の出張だって、黒城市の図書館で所蔵している地元の古文書を読むんだって、彼すごく楽しみにしてわ」


 ロゼッタによるとミノタウロスは濫読家だが、特に考古学や民俗学に造詣が深いらしい。


「でもね……」

 ロゼッタが顔を近づけて声をひそめる。

「彼、一時期恋愛小説にはまってたことがあってね。

 ほら、〝ベネット・ロマンス〟(通俗的な恋愛小説シリーズ)なんかは図書館には入らないでしょう。

 それで、私から何十冊も借りていったわ。

 私もそんなにたくさんは持っていなかったから、お友だちに借りまくってかき集めたの。

 そりゃもう大変だったんだから――」


「ミノスが恋愛小説をねぇ……。

 どんなに探してもメスのミノタウロスなんて出てこないと思うけど。

 一体何が面白いのかしら?」

 ユニが呆れた声をあげる。


「なんでも〝興味深い〟のですって。

 人間の――特に女性が理性を外れた行動をするのが面白いらしいわ。

 生殖行動を伴わない恋愛を高尚なものと崇めるとは、どんな喜劇より笑えるそうよ」


 二人の独身女性は乾いた笑いをあげた。

 一人は「恋愛や結婚を望むのは悲劇しか生まない」と、十二年間にわたって叩き込まれてきた。

 もう一人は、あと四、五年でこの世界を去る運命の男に恋をしていた。

 「もうこの話題は終了」ということが暗黙のうちに了解されたのも無理はない。


「今回の事件も帝国がらみだったみたいね?

 最近多いわね」

 気を取り直したように、今度はロゼッタの方から訊いてきた。


「ええ、アリストア先輩に引っ張りまわされるたびに帝国が出てくるわ。

 なんかあたしは〝爆炎の魔女〟とかいうおっかないのに目を付けられてるらしいの。

 勘弁してほしいわー」


 ロゼッタは「よしよし」と慰めの言葉をかけ、運ばれてきたデザートのケーキをユニに勧める。

「帝国って、魔法の先進国なのに、どうして召喚術だけは遅れているのかしら?」


 彼女はたっぷりのバタークリームを使ったケーキを口に運ぶと、ワインでそれを流し込む。

 ケーキで酒を飲むなど男性には信じがたい行為だが、女子にとってはこの程度、造作もない。


「これはアスカからの受け売りなんだけどね……」

 ユニもケーキを頬張るが、彼女の場合は根っからの酒呑みなので、コーヒーを頼んだ。


「一応、帝国にも召喚魔法はあるんだって。

 ただ、幻獣を呼び出せるのは一定の時間だけで、この世界に定着させることができないらしいの。

 それに高位の幻獣を呼び出すには膨大な魔力を消費する上に、現出時間も短いから、あんまり役に立っていないらしいわ」


「帝国では、うちの国みたいに幻獣との契約ができないの?」

「多分探せば、帝国にも召喚能力を持った人間がいると思うんだけどね、彼らにはそれを見つける手立てがないのよ」

「あの儀式で使う魔法の鈴のこと?」


 王国では生まれた子が一歳になった時、召喚能力の有無を調べる儀式を受けるよう、全国民に義務付けている。

 その際に使われるのが魔法の鈴で、それを子どもの額にかざすと、召喚能力がある場合は自然に鳴りだすというものだ。


「でも、あれって国中どこの村にもあるものでしょ?

 帝国がその気になったら盗み出せるんじゃないの?」

 ロゼッタの疑問はもっともだ。


「それがね、実際のところ結構な数が盗まれたり、行方不明になったりしているらしいわよ。

 たまに古道具屋の店先に並んでいることがあるくらいだわ」

 ユニは平然と答える。


「そんな……。

 それじゃ帝国に流出して、向こうで使われているんじゃないの?」

 ロゼッタがきれいな眉を寄せて尋ねる。

 どんな表情をしても美人は美人なのだなぁと、ユニは変なところに感心した。


「それが大丈夫なのよ。

 あの鈴には鍵がかかっているの」

「鍵?」

「そう」


 ユニは少し得意げな顔になった。この辺は魔導院で習ったところだ。

「例えばこの黒城市だったら、各町内ごとに国から魔法の鈴が与えられているんだけどね。

 その鈴が召喚士を見つけ出せるのは、その町内限定なのよ。

 たった数メートルしか離れていなくても、隣の町内に持っていったら役に立たなくなるんだって」


「……どういうこと?」

「魔法の鈴は、一つひとつ、その土地に合わせた調整が行われているの。

 地脈のエネルギーって場所によって微妙に変わるんだって。まぁ指紋みたいなものね。

 鈴を製作する時に、その情報を魔法で刻み込んでいるらしいわ。


 ――もちろん、その方法は国家機密になっているから、あたしたち召喚士でも知らないんだけど。

 だから、帝国が魔法の鈴を手に入れたとしても、自国で使うことは不可能なんだって」


「へー、うちの国の魔法技術も大したものなのね」

 ロゼッタは素直に感心する。


「いやいやいや、それがそうでもないのよ。

 実を言うと、この技術は人間のものじゃなくて、黒蛇ウエマクがもたらしたものらしいの。

 ウエマクは地脈を操る神獣でしょ。

 彼が召喚されてからなのよ。王国の召喚術が高度に発展したのは」


      *       *


 ユニがロゼッタとのお喋りを楽しんでいた同時刻、黒城内に臨時に設けられたアリストアの執務室には、マリウス中尉が座っていた。

 さすがにいましめは解かれていたが、アリストアの背後に戦斧を手にしたミノタウロスが控えている。


 マリウスが亡命を希望しているとはいえ、警戒を怠らないのは当然であった。


「つまり、近々帝国軍に大きな動きがあると、そう言うのかね?」

「間違いないですね」

 若者は涼しい顔で答える。

 その声からは、王国軍の頭脳に等しいアリストアの、直々の尋問を受けているという緊迫感は感じられない。


「中之島の作戦から帰ってからこっち、てんやわんやだったんですよ。

 僕は中之島作戦に引き抜かれたんで東部に来ていましたが、僕の所属する魔導部隊は西部戦線にいたんです。

 部隊って言っても、実際には歩兵中隊に一人ずつ配属されてバラバラだったんですけどね。


 ――それがやっと東部から戻ったと思ったら、今度は部隊ごと東部方面軍に転属ですよ。

 しかも新たな配属部隊が発表されていながら、肝心の配属先部隊が東部に到着していないと――。

 ね、酷いと思いませんか? おかげで毎日退屈な訓練の繰り返しですよ。


 ――これは大規模な編成替えを実施している証拠でしょうね。

 東部で何か大兵力を動員するような作戦が近いと思いますよ」


 軍事国家である帝国は、日常的に戦争を行っていた。

 西の大国であるケルトニア連合国とは、この二十年以上にわたって戦争を続けている。

 この西部戦線のほか、北の遊牧民であるアフマド族の侵入による戦闘も年中行事のようになっている。


 コルドラ大山脈の東側である東部地区は、仮想敵国の王国と睨み合う状態ではあるものの、この数十年本格的な戦闘は行われていない。

 そのため、東部方面軍は規模も小さく、ここに配属されることは、軍人にとって閑職への〝左遷〟と見做されているほどだった。


 それなのに主戦線である西部から魔導兵をまとめて引っこ抜き、東部で再編成するなど、どう考えても〝何かある〟としか思われない。


 アリストアは「ふむ」と言ったまま考え込んでいる。

「もう一つ重大なことがあるんですけど……」

「何だね?」

「ミア・マグス大佐が戻ってきたことです」


「確か報告では、彼女は中之島から獣人の生贄を連れて帝都に戻ったということだったが?」

「ええ、それでそのまま帝都か西部戦線にいるはずなんです。

 あの人は帝国にとっちゃ虎の子の戦力ですからね。

 それが一か月ほど前に東部方面軍に戻ってきたんですよ。

 彼女の子飼いの部下も一緒です。


 ――マグス大佐が派遣されたってことは、大規模な会戦か攻城戦があるってことですからね。

 おかげで僕までとばっちりを喰ったんですから、えらい迷惑な話ですよ」


「ん? どういうことかね。

 今回の一件とマグス大佐に何か関係があるとでも?」

「大有りですよ。

 って言うか、今度の作戦はほとんど大佐の私怨じゃないかと僕は思いますね」


「ユニを標的にしたことがかね?」

「ええ。それと僕への嫌がらせも兼ねてますけど。

 一応、あの召喚士さんが機密事項を知り過ぎていて怪しいから、拉致して尋問しようっていう理屈は通ってますけどね。

 どこで成功させたか知りませんけど、貴重な召喚オークまでつぎ込んでまで実施する作戦ですか?


 ――大佐は病的に執念深い人ですから、機会さえあればあの召喚士さんと、鎧の女騎士さんに復讐しようと――それこそ虎視眈々と狙っているんです」


「では、仮に帝国とわが国が開戦したとして、マグス大佐とノートン大佐――鎧を着た騎士だが――が対峙したとしたら?」


「そりゃあ、大佐は嬉々として爆裂魔法を騎士さんのいる部隊にぶち込むでしょうね。

 他の部隊を狙えと命令されたとしても、『手元が狂った』とか言い訳してでもやりますよ。

 あの人はそういう人ですね。僕が保証します」


「なるほどね……」

 アリストアは何ごとかを考えているようだった。


「ところで、君は防御系障壁魔法の専門家だと言ったね?

 どのような魔法を習得しているのか、是非聞きたいものだが……」


 アリストアの執務室の灯は、その日深夜まで消えることがなかった。


      *       *


 翌日、ユニはアリストアに帯同して王都に向かった。

 彼女にとって、もはやお馴染みとなっていた情報部による尋問が待っているのだ。


 今回の尋問は、アリストアの見立てどおり、それほど長引くことはなかったが、それでもユニは十二日間の軟禁状態に置かれた。


 情報部の尋問は、突き詰めれば単純なものだ。

 何があったのか? 誰が何をして、何を話したのか?

 彼らは、ただそれを聞き出すだけである。


 しかしそのやり口がとにかくしつこいのだ。

 同じことを人を変え、時間を変え、何度も何度も尋ねる。

 時系列にそって話させるかと思えば、別の尋問者は時間を遡って訊ねる。


 時間の無駄のように思えても、実際こうやって視点や切り口を変えて質問されると、思いがけずに気がつくことだってあるのだ。


 ただ、今回の事件では、ユニは〝餌〟の立場だ。

 マリウスという、釣った魚の方が情報部にとっては重要である。


 したがってユニへの質問は、マリウスへの尋問における傍証を得るためのものだったから、解放が早かったのだと言える。


 ただし、ユニに対しては当分の間、軍に対して所在報告が要求されることとなった。

 行動の自由はあるものの、どこへ移動するにも報告が義務づけられるというのは、非常に鬱陶しい。


 彼女は王城を出る際に、結構な額の〝協力費〟なるものを受け取ったのだが、その半分近くは〝憂さ晴らし〟として何軒かの居酒屋で散財されることとなった。


 まぁ、ユニの心情を思えば無理からぬことだと言えよう。

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