おとなしい子に限って本気で怒った時が一番怖いってそれ一番言われてるから

※今回はキャラ崩壊(主にヒロインの性格的な

意味で)があります

それをご了承の上お読みください


キャラのイメージを壊したくない方はここで

回れ右をお願いします


もしここから先に進まれて

「◯◯のイメージを汚された!」

「この話のせいで体調を崩した!」

などと言われても私は

『一切の責任は負いません』ので

『全て自己責任』でお願いします


               作者より━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


ある夏の日のこと


今日は継月さんと二人きりでお出かけの日です!

おめかしもOK!おしゃれもバッチリ!

……っと、幾ら彼がこういったことに寛容とはいえ早く出てあげないといけませんね。



長い黒髪に白いカチューシャを着け、

オレンジのワンピースに白いスカートを着た

女性が、自分の部屋から玄関へと向かった。



ここは、継月が本来住まう世界。

継月は、自分の住み込みで働いてるカフェの

入り口で、ある人物が出てくるのを待っていた。

扉が開き、中から目当ての人物が出てくる。



「すみません継月さん。お待たせしました」


「いや、いいよ。じゃあ、行こうかジェ……じゃなかった、奈月」


「はい♪」


二人は小路を抜けて商店街へと出た。



私は、ジェンツーペンギンのジェーンです。

この世界では音水 奈月おとみず なつき、という名前で暮らしています。

継月さんが

「この世界での普段の暮らしでジェーンだと色々支障が出るから」と名付けてくれました。

あっ……今は勿論、けものプラズムで尻尾とか消してますよ?


「にしても良かったのか奈月?折角のオフの日

だって言うのに」


「はい。こういう時くらいしか、継月さんと

二人でゆっくり出来ませんし」


継月さんと街を歩きながら他愛のない話をしていると、正面から子供が二人、こちらへ走ってきました。


「奈月おねーちゃんだ!」


「あそんでー!」


「良いですよ♪」


奈月が子供たちと戯れ始め、

子供たちの母親が継月のところへとくる。


「いつもすみません……、うちの子達が」


「いえいえ。自分は構いませんよ。当の本人も、満更ではないようですし」


継月と母親が奈月たちを見ると三人とも

笑いながらじゃれあってた。


🕐️


「さっ、そろそろ帰りましょう」


「おねーちゃん、ばいばーい!」


「ばいばーい!」


奈月は笑顔で手を振り親子と別れ、継月へと歩み寄る。


「それじゃ、行きましょうか」


「あぁ」


2人が再び歩き出す。


「にしても、お前ほんっと好きだな子供と遊ぶの」


「だって子供って可愛いじゃないですか!

ボソッ(……そろそろ、継月さんとの子供も欲しいなぁ~……なんて)」


「えっ、何かいった?」


「ゥエ!?マリモッ!!///」


うぅ……、これはまだ当分先ですかね……///

継月さんの朴念仁……!!


奈月は俯いて頬を赤らめた。


🕐️


それから、ショッピングモールで買い物をしたり、二人でゲーセンでゲームをしたりした。


「お腹すいたな……」


「そろそろお昼時ですもんね」


「奈月は何がたべたい?」


「そうですねぇ……」


今日は少し暑いですし……


「冷たいおうどんとか食べたいですね」


「うどんか……。なら、あそこだな」




継月さんの提案でやってきたのは

『丸亀製麺』でした。


お店に入り、まずおうどんを注文。

そのあと、十種類近くある天ぷらを自分で選んで取ります。

あっ、おにぎりも選べるんですね。

私はおろし醤油うどん(並)、

継月さんは旨辛肉つけうどん(大)に

それぞれ天ぷら三種をチョイスしました。


会計も済まして席に座り、食べ進めます。


「美味しいですね」


「だろ?」


まぁ、継月さんの選んだお店が外れた記憶が

無いんですけどね。


私はお会計のレシートを確認しました


奈月

おろし醤油うどん(並) ¥ 390

エビ天        ¥ 150

イカ天        ¥ 120

ちくわ天       ¥ 110

━━━━━━━━━━━━━━

小計        ¥ 770


継月

旨辛肉つけうどん(大) ¥ 740

さつまいも天     ¥ 110

なす天       ¥ 110

かぼちゃ天     ¥ 110

━━━━━━━━━━━━━━━

小計        ¥1,070


合計        ¥1,840



というか、これだけ食べても二人合わせて2000円も行かないってほんとお財布にも優しいですね、丸亀製麺り

因みに継月さんはよく学生の時に500円持って

お昼に通ってたそうです。

※作者の実体験談です


「ごめん、白飯頼んでくる」


「……えっ?はい」


継月さんはうどんは食べ終わりましたが、まだ

お肉とさつまいも天とかぼちゃ天が残ってる

状態でご飯を頼みに行きました。

これをおかずにするんでしょうか?



「すみません、ご飯追加で」


「はーい」



継月


追加

ご飯     ¥ 130

━━━━━━━━━━━

小計     ¥1,200


合計     ¥1970



「天丼用のタレはいりますか?」


「あっ、いえ大丈夫です」


俺は天ぷらには塩派だ。

天つゆや天ダレも悪くはないんだけど衣が

フニャってなるのが嫌なんだよなぁ……。

※作者の主観です



「ただいま」


「おかえりなさい」


継月さんが戻って来ました

いったいどうするんでしょうか…?

なんて思ってた次の瞬間!

なんと継月さんは卵を溶いてあるつけうどんの汁をホカホカアツアツの白ごはんの上にぶっかけたんです!!

そしてそこにうどんの丼にまだ残ってた、

いえ今では分かりますが敢えて残しておいたんでしょう。お肉と刻み海苔をその上にのっけて

掻き込み始めました!

まるでたまごかけご飯の如く!!


「うーん、やっぱり思った通り。

卵で少し辛さがマイルドになったつけ汁と

お肉、アツアツのご飯にベストマッチだ」


「お、美味しいんですかそれ?」


「うどんに合うように作られたつけ汁だぞ?

ご飯に合わない筈がない」


そのあとは天ぷらをおかずになんちゃって

卵かけご飯を食べて完食しちゃいました。



「いやぁ、食べた食べた」


「それにしても継月さんって美味しいお店や

美味しい食べ方、色々知ってますよね」


「いや、そうでもないぞ?」


「へっ?」


なんでも継月さんは自分の直感でお店を選ぶものの、知ってる数はそう多くないらしく、

アミメキリンさんのファンでその道に詳しい方が知人にいるのだそうで。

その方から自分の知らない美味しいお店や

行ったことのあるお店でも自分の知らない

美味しい食べ方を聞いたりするんだとか。


まぁそれはそれとして……、

美味しい物を食べてる時の継月さんの幸せそうなあの顔……私、大好きなんです。

勿論、いつもの笑った顔も好きですよ?


お昼も食べ終わり、二人が川沿いで食後の散歩をしていると……


「おい……あいつ」


「あぁ……」


ふと、囁くような声が聞こえました。

声のした方を見ると、此方を見てヒソヒソと

呟く人たちが居ました。


「あいつまだいんのかよ……」


「人ならざるものの力を手にしたバケモノめ……」


「……っ!」


継月さんをバケモノだなんて言われ、

文句を言ってこようと思いましたが継月さんに

腕で制止されます。


「よせ奈月。言いたいやつには言わせておけばいいさ。行くぞ」


そんなこっちことなんてお構い無しに

さっきから此方をみてヒソヒソ話をしていた

二人組がやってきます。


「おいお前、まだこの街に居たんだな」


「……だから?」


「さっさとここから出ていけって言ってんだよ。厄介者なんだお前は。またあのスライム

みたいな化け物に襲われると思うと朝も起きれねぇ」


「おいおい、それを言うなら『夜も眠れない』だろ?」


「あっ、そっかぁ」


……目の前の男たちの汚い笑い声が耳に入ってくる。

継月さんが厄介者、バケモノですって?

……ふざけないでください。

……継月さんの事、何も知らないくせに。

継月さんを……語らないで。


私の中で何かが渦巻き、そして切れた音がしました。


「まっ、そういう訳だ。さっさと消えちゃってくれよ。ヒトモドキっ!」


男Bが手に持ってた空き缶を継月の頭目掛けて投げつける。

その空き缶は継月に当た……ることはなかった。

いつの間にか、継月の前に出ていた奈月が片手でキャッチしてたからだ。


「……」


奈月は、その空き缶をグシャッと握り潰した。


「おいおい、女の子に守られちゃったねぇ~」


「……」


そして奈月は男Aを捉え、潰した空き缶を

男Aの額に目掛け……投げた。


「ったく、情けな…い゛っ゛!゛!゛」


自分の額に、豪速球の如く投げられた空き缶が

クリーンヒットした男Aはそのまま倒れる。


「お、おい!大丈夫…がっ゛!゛!゛」


男Bは友人へと視線を移した直後、地面に叩きつけられた。

否、奈月が男Bを地面に叩きつけたのだ。

それも、男Bの注意が自身から缶を投げつけた男へと逸れた、その一瞬を突いて。

奈月が、右手で男Bの胸ぐらを掴む。


「……」


「な、なんだよ……こいつっ」


振りほどこうにも奈月の力は強く、びくともしない。


「……でください」


「なんだt……ひっ!!」


男Bは奈月の目から、本能的な身の危険を感じていた

目の前の女性が先程までの様子からは、

全くといって想像できないほど、鋭い目付きで自分を睨んでいたからだ。


「……ふざけないでください。あの人が……バケモノ……ヒトモドキですって?

先程から此方が黙って聞いていれば、随分と

好き勝手言ってくれるじゃあないですか」


「な、奈月……?俺なら大丈夫だかr

「良くない継月さんは黙ってて!!」

……すみません」


継月が奈月をなだめようとするが、

こちらに向いた彼女の圧に気圧されてしまう。

奈月は再び男Bに視線を向け、胸ぐらを掴んでる手を引き寄せて顔をギリギリまで寄せる。


「お聞きします。貴方は、超大型のセルリアンがここに出現したあの日、何かしましたか?」


「な、なんだよ急に?」


「質問に質問で返さないで!貴方は疑問文には疑問文で返せと学校で習ったのですか!?

私はあの日、貴方が誰かの為に命を懸けて動いたかって聞いているんです!答えて!」


「してません……」


「でしょう?精々、神様に祈っていた……とか、自分が巻き込まれないように隠れていたくらいでしょう。

でも継月さんは、この街とこの街の人を守るためにあの超大型セルリアンと戦ったんです。

たったひとつしかない自分の命を掛けて!

必死に!そしてあのセルリアンを倒したんです。

言い変えれば貴方は継月さんに命救われたようなものなんですよ?それなのに、事が過ぎれば掌返しで継月さんをバケモノだなんだって言って。あの日、継月さんが何もしてなかったら

貴方達はこの街諸ともお陀仏だったんですよ。

まぁ……彼の性格からして、そんな結末は

まずあり得ないと思いますが。

それともそっちの方が良かったですか!?

ねぇ!?」


「っ……」


「……はぁ、もういいです。貴方に怒るのも、なんだか馬鹿馬鹿しくなってきました」


男Bはもう半泣き状態になっていた。

奈月は、男Bを地面に叩きつけるように右手を

離しの拘束を解くとすぐ近くの壁に向かう。


「でもまた、継月さんのことをバカにしたら……」


そして壁の右側に立ちドンッ!と右手で壁を

殴ると壁にクレーターが出来る。


「これだけでは済まされませんから。

覚悟、しておいてくださいね……?」


「す、すみませんでしたぁ~っ!!」


男Bは泣きべそかきながら男Aを抱えてその場から走り去った。








あれから、警察の方とかが来て継月さんと話をしました。

今回の損壊は、

『セルリアンとの戦闘によるもの』

ということで処理してくれるんだそうで、

後日、私が穴を開けてしまった壁は修復されるとのこと。

今は帰宅して、継月さんの部屋で壁を殴った

右手を診て貰っているところです。


「良かった、特に目立った怪我とかなくって」


「すみません、私の中で何かが切れてしまって……」


「にしてもびっくりしたよ。ジェーンがあそこまで怒った所初めて見た」


「だって……だって!」


私は感情が溢れ彼に抱きつきました。


「だって!継月さんはみんなのためにあんなにも頑張ってるのに!どんなに危険だって分かっててもそれを省みず戦って……傷ついて……それでも笑って。……自分だって、辛いはずなのに、他の子を励ましたり……。

なのにあの人達はそんな継月さんの苦労も、

辛さも、何も知らないのに!知ったようなことを言ってバカにして……、それが……許せなくって……!」


ジェーンの体が小刻みに震えている。

あの男達への怒りと継月の辛さを知ってるが

故の悲しみからだろう。


「……そっか」


継月はジェーンの体を包むように抱き締めた。


「継月……さん?」


「ありがとうな、ジェーン。俺の為に、怒ってくれて」


「当たり前ですよ。継月さんだって、私の事をバカにされたとき、私の為に怒ってくれたじゃないですか」


「そりゃそうさ。だってジェーンは俺n」


継月の言葉は途中で切れた。

ジェーンが自らの口で継月の口を塞いだからだ。


彼女は口を離すと人差し指を継月の口に当てる。


「……言わなくても分かってますよ。

私も同じですから。だって」




継月さんは私の大切な愛人パートナーなんです。

そんな人をバカにされて黙っていられるほど、私は寛容じゃありませんよ。



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